山本精工株式会社(大阪市生野区)は、産業機械やロボット部品などの金属加工で培った精密技術と日本の伝統工芸を掛け合わせたB to Cブランド「YUKYU JINROU(悠久刃楼)」を発表しました。第1弾製品として、高精度な金属加工と職人の手作業を組み合わせた両刃カミソリコレクションを、2026年11月6日10時より公式オンラインショップにて発売します。

精密加工技術によるヘッド成形と構造設計
両刃カミソリは、刃の露出量や角度、固定精度、ヘッドと持ち手(ハンドル)の重量バランスといったわずかな寸法差が使用感に影響する道具です。山本精工は半導体製造装置やロボット部品加工で培ったミクロン単位の加工精度を活かし、設計と品質管理を行っています。
刃の取り付け部であるヘッドの製造には、MIM(Metal Injection Molding:金属粉末射出成形)を採用しました。金属粉末と樹脂バインダーを混合した原料を金型へ射出成形し、脱脂・焼結を経て高密度部品に仕上げる粉末冶金技術です。素材には医療用器具や高級腕時計に使用されるサージカルステンレス「SUS316L」を採用し、剃り心地と深剃りの両立を目指した形状に成形されています。
Mr.ガジェット産業機械の精密加工技術をカミソリのヘッドに応用し、SUS316LをMIM製法で成形するアプローチは工業メーカーならではのこだわりを感じます。
Ms.ガジェットヘッドの寸法や刃の角度が剃り心地に直結する道具だけに、素材と成形精度の組み合わせがどう仕上がっているのか興味深いです。
伝統工芸技法を手作業で施した金属ハンドル
ハンドル部分は真鍮や銅を素材とし、滑らかな円筒形への削り出し加工を実施。麻の葉や菱文様といった日本の伝統文様を、深さや線幅、切削面の質感まで管理された切削加工によって刻み込んでいます。
削り出されたハンドルには、各地の工房の作家が一品ずつ手作業で漆塗りや伝統着色などの技法を施します。1年以上の製作期間をかけて精密金属素材と伝統工芸の相性が検証され、手作業特有の表情を持つハンドルに仕立てられました。替刃を交換しながら長期的に使い続けられる設計となっています。
4つの章による製品ラインナップと価格
「YUKYU JINROU」の両刃カミソリは、コンセプトと採用技術に応じて「旋之章」「環之章」「鍛之章」「艶之章」の4つの章に分類され、計8種類のモデルがラインナップされます。
| 章名 | 採用技術 | モデル名 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 旋之章(SEN NO SHO) | 旋削 × 伝統着色 | 天青朧なり | 16,280円 |
| 旋之章(SEN NO SHO) | 旋削 × 伝統着色 | 銀静遥なり | 16,280円 |
| 旋之章(SEN NO SHO) | 旋削 × 伝統着色 | 岩漿顕なり | 16,280円 |
| 環之章(KAN NO SHO) | 精密切削 × 漆塗り | 菱・黒連 | 18,700円 |
| 環之章(KAN NO SHO) | 精密切削 × 漆塗り | 麻・流連 | 18,700円 |
| 鍛之章(TAN NO SHO) | 鍛金 × 朱銅 | 朱鎚 | 27,500円 |
| 艶之章(TSUYA NO SHO) | 精密切削 × 色漆・金属粉 | 舞踊天降・黒耀 | 29,700円 |
| 艶之章(TSUYA NO SHO) | 精密切削 × 色漆・金属粉 | 舞踊天降・瑠璃 | 29,700円 |
Mr.ガジェット技法や加飾のアプローチに応じて4つの章に分かれており、それぞれ価格帯や表面加工の方向性が整理されています。
Ms.ガジェット伝統着色から漆や鍛金、金属粉の装飾まで技法が多彩なので、見た目や仕上げの好みに応じて選ぶ楽しさがあります。
旋之章(SEN NO SHO):旋削 × 伝統着色
旋之章は、旋削加工によって均整の取れた面を作り出し、糠焼きや化学変化を応用した伝統着色によって奥行きのある模様を表現したシリーズです。「天青朧なり」「銀静遥なり」「岩漿顕なり」の3種が展開され、価格はいずれも16,280円(税込)です。
Ms.ガジェット糠焼きや化学変化を応用したという伝統着色の風合いが、旋削の金属面と合わさってどんな奥行きを見せるのか気になります。
環之章(KAN NO SHO):精密切削 × 漆塗り
環之章は、精密切削により連続性のある幾何学文様を外周全体に彫り込み、漆塗りやいぶし仕上げを組み合わせて黒色を引き出したシリーズです。「菱・黒連」および「麻・流連」の2モデルが用意され、価格は各18,700円(税込)となっています。
Ms.ガジェット菱文様や麻の葉を全周に刻みつつ漆やいぶしで黒を引き締める構成は、落ち着いた佇まいを好む方に合いそうですね。
鍛之章(TAN NO SHO):鍛金 × 朱銅
鍛之章の「朱鎚(しゅつい)」は、鍛金技法によって生み出された表面の凹凸と、朱銅と呼ばれる着色技法を組み合わせたモデルです。素材の力強さと独特の風合いが特徴となっており、価格は27,500円(税込)です。

Mr.ガジェット鍛金による槌目の凹凸に朱銅の着色を組み合わせることで、金属の力強さを際立たせた1本になっています。
Ms.ガジェット写真で見ても赤みと凹凸の陰影が際立っていて、手にしたときの握り心地や重量感のバランスも気になるところです。
艶之章(TSUYA NO SHO):精密切削 × 色漆・金属粉
艶之章は、精密切削による和の紋様に色漆や真鍮粉・銀粉を組み合わせた仕上げが特徴のシリーズです。「舞踊天降・黒耀」と「舞踊天降・瑠璃」の2種類がラインナップされ、価格は各29,700円(税込)に設定されています。
Ms.ガジェット色漆に真鍮粉や銀粉を組み合わせた細やかな意匠は、クラシックシェービングの道具としても特別な華やかさがあります。
発売日と販売先情報
「YUKYU JINROU」の両刃カミソリ各製品は、2026年11月6日(金)10時より公式オンラインショップにて一般販売が開始されます。販売は公式ECサイトを通じて行われます。
Ms.ガジェット公式オンラインショップでの販売開始日時が明記されているので、気になるモデルの取り扱いを事前に確認しておきたいですね。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

切削加工された金属に手作業で漆や着色を施す工程は、工業製品と伝統工芸の双方が融合していて独特の質感がありそうですね。