株式会社テレビ朝日は、イノベーション戦略局AI戦略部のチームが開発したショート動画生成AIアプリケーション「ClipMind」が、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社主催の「第6回 AIエージェント事例アワード」において優秀賞を受賞したと発表しました。2026年10月29日開催の「Agentic AI Summit '26 Fall」最終審査会にてピッチコンテストが行われ、選出されました。
受賞の概要と最終審査会の結果
2026年10月29日に開催された「Agentic AI Summit '26 Fall」の最終審査会では、書類審査を通過したファイナリスト8社によるピッチコンテストが実施されました。テレビ朝日は「番組ごとのレシピでショート動画を自律編集する AI」と題した取り組みを発表し、優秀賞を受賞しました。

テレビ朝日の同アワードでの受賞は、第4回の優秀賞に続き通算2度目となります。第3回、第4回、第6回とエントリーした3大会すべてでファイナリストに選出されており、進出率100%を記録するとともに、同アワード史上最多のファイナリスト選出数となっています。
Mr.ガジェットエントリーした3大会すべてでファイナリストに進出し、通算2度目の優秀賞という実績は安定した成果を示しています。
Ms.ガジェット毎回ファイナリストに残っている点からも、放送局内での技術開発の継続性が気になります。
ショート動画生成AI「ClipMind」の機能と仕組み
「ClipMind」は、長尺の番組映像からSNSなどで活用可能なショート動画を効率的に生成するAIアプリケーションです。2026年7月の「放送局合同 AI ハッカソン」で最優秀賞を受賞したのち、現場からのフィードバックをもとに自律型AIエージェント(Agentic AI)としての機能アップデートが行われました。

今回の発表では、番組ごとに異なる編集方針やテロップのスタイル、尺、構成などのノウハウを「レシピ」として定義し、AIエージェントがそのレシピに沿ってシーン選定から編集までを自律的に行う仕組みが紹介されました。主な機能構成は以下の通りです。
- AIによる自動解析と構成案の提示:動画をアップロードするだけで内容を解析し、編集方針の設計からシーン選定、テロップ作成までを自動で実施
- 番組ごとの「レシピ」による自律編集:番組の個性や演出ルールをレシピ化し、番組らしさを保ったショート動画をAIエージェントが自律的に制作
- 自然言語による柔軟な編集:「テロップを黄色に」「特定の場面を長く」といった指示をチャットで送信することで直感的に修正が可能
Mr.ガジェット演出やテロップのルールを『レシピ』として定義し、自然言語チャットで指示できる仕組みが整理されています。
Ms.ガジェット番組ごとの雰囲気を保ちながら自動でシーンを選んでくれる機能は、制作現場の編集作業でどう活きるのか注目したいところです。
「第6回 AIエージェント事例アワード」の開催内容と審査基準
「AIエージェント事例アワード」は、Google Cloudが生成AIやAIエージェントを活用した企業・組織の取り組みを表彰するイベントです。前身の「生成AI事例アワード」から、AI活用が業務に組み込む段階へ移っていることを受け、今回から名称が変更されました。審査は「技術的革新性(特にAIエージェントの活用)」「実用性と実現可能性」「社会的・経済的な影響」の3つの観点で行われ、ファイナリスト8社が最終審査で5分間のピッチプレゼンテーションを行いました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年10月29日(木) |
| 会場イベント | Agentic AI Summit '26 Fall |
| テレビ朝日登壇者 | イノベーション戦略局 AI戦略部 吉原 智哉 / 小俣 慎太郎 |
| 審査員(順不同) | 酒井 真弓氏、深津 貴之氏、漆原 茂氏、森 正弥氏、根来 香里氏、長谷部 光治氏 |
テレビ朝日のAI活用実績
テレビ朝日におけるこれまでのアワードおよびコンテストでの実績は以下の通り公表されています。
- 第3回 生成AI事例アワード:ファイナリスト選出
- 第4回 生成AI事例アワード:優秀賞受賞
- 2026年7月 放送局合同 AI ハッカソン:最優秀賞受賞(ClipMind/28チーム中)
- 2026年10月 第6回 AIエージェント事例アワード:優秀賞受賞(ClipMind)
受賞したテレビ朝日イノベーション戦略局AI戦略部の吉原氏および小俣氏は、番組ごとの演出ルールをAIが理解してショート動画を制作することを目指したとコメントしており、今後は制作現場への実装を進めていく方針を示しています。
Ms.ガジェット7月のハッカソン最優秀賞から短期間で機能をアップデートしてアワード優秀賞につなげている開発スピードに関心があります。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

前身の生成AI事例アワードから、業務へ組み込む段階を評価する名称へ変更されたという審査基準の視点が印象的です。