台湾の協働ロボットメーカーであるテックマンロボット(TECHMAN ROBOT INC.)は、同社の協働ロボット「TM AI Cobot S Series」において、産業用制御機器のセキュリティに関する国際規格「IEC 62443-4-2」のセキュリティレベル2(SL2)認証を取得したと発表しました。カメラとAIを本体に組み込んだビジョン内蔵型AI協働ロボットメーカーとしては、2026年9月時点の同社調べで世界初の取得となります。
認証機関は第三者認証機関のDEKRAで、認証書の発行日は2026年9月2日です。同製品は、2026年11月25日(水)から27日(金)まで愛知県国際展示場で開催される「ファクトリーイノベーションWeek 名古屋 2026」にて紹介される予定です。
認証取得の背景と製造現場のセキュリティ脅威
生産管理システムやデータ基盤と接続して情報をやり取りしながら稼働するロボットが増加する中、ネットワークに接続される機器が増えるほど外部からの侵入経路も増加する傾向にあります。
情報処理推進機構(IPA)が公開した「情報セキュリティ10大脅威 2026」(組織編)では、「ランサム攻撃による被害」と「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が2023年から4年連続で1位・2位を占めています。また、経済産業省も2022年11月に「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を策定しました。
同社は、製造現場へAIロボット(フィジカルAI)が浸透するにあたり、「見て、考えて、動く(SEE. THINK. ACT.)」機能だけでなく、第三者評価に裏付けられた検証済みの信頼(TRUST, VERIFIED.)が必要であるとしています。
Mr.ガジェット工場の制御ネットワークと社内システムが連携する構成が増えたことで、産業用ロボット本体への攻撃対策が問われる環境になっています。
Ms.ガジェットサプライチェーン攻撃の脅威が上位に挙がり続ける中で、外部からの侵入経路を考慮した対策基準が現場でも意識されそうです。
IEC 62443が規定するセキュリティレベル(SL)の区分
国際規格「IEC 62443」では、機器が想定する攻撃者の強さに応じて4段階のセキュリティレベルを定めています。
| レベル | 想定する脅威 |
|---|---|
| SL1 | 偶然の誤操作や、うっかりミス |
| SL2 | 一般的な手段・限られた資源による、意図的な攻撃 |
| SL3 | 制御システムの専門知識を持つ攻撃者による、高度な攻撃 |
| SL4 | 国家レベルの豊富な資源を使った攻撃 |
SL2は、一般的な手段や限られた資源を用いて意図的に攻撃を仕掛けてくる相手を想定した対策基準です。「TM AI Cobot S Series」がこの水準を満たしていることが、第三者認証機関であるDEKRAによる独立した評価で確認されました。
認証取得に伴う導入側の運用体制
今回の認証取得により、導入企業側には以下の3点が示されています。
- 選定時の判断根拠:メーカーの説明だけでなく、国際規格に基づく第三者認証機関の評価結果をもとにセキュリティ性能を確認可能
- 導入後の長期運用体制:認証取得に加えて、脆弱性管理、インシデント報告、セキュリティ更新といった製品運用期間中の仕組みを提供
- 海外取引規制への対応:2024年12月に発効し2027年から本格適用されるEUのサイバーレジリエンス法(CRA)要件に沿った仕組みの強化を継続
Mr.ガジェット認証取得の事実だけでなく、導入後に脆弱性管理やセキュリティ更新を受けられる仕組みが用意されているかどうかも運用上の判断材料になります。
Ms.ガジェットEUのサイバーレジリエンス法の本格適用を見据えて、海外との取引体制を整えたい企業にとっても確認しておきたい基準です。
「TM AI Cobot S Series」の認証仕様概要
「TM AI Cobot S Series」が取得した認証の主要項目は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象製品 | TM AI Cobot S Series |
| 規格 | IEC 62443-4-2(産業用自動制御システムを構成する機器のセキュリティ要件) |
| セキュリティレベル | SL2 |
| 認証機関 | DEKRA |
| 認証書発行日 | 2026年9月2日 |

Ms.ガジェット第三者認証機関のDEKRAによる評価と認証書の発行日が公表されているため、導入検討時に客観的な仕様として確認しやすくなっています。
国内展示会への出展予定
テックマンロボットは、名古屋オフィスを拠点に日本国内での事業を展開しています。2026年11月25日(水)から27日(金)まで愛知県国際展示場で開催される「ファクトリーイノベーションWeek 名古屋 2026」にて、「TM AI Cobot S Series」を紹介する予定です。展示の具体的な内容については、決定次第順次公表されます。
Ms.ガジェット名古屋の展示会で紹介される予定とのことで、実際の現場でどのような運用を想定しているのか具体的な案内が待たれます。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。


偶然の誤操作を想定したSL1に対し、一般的な手段による意図的な攻撃を前提にするSL2へ引き上げられている点が明確ですね。