めっき表面処理技術を展開するサン工業株式会社は、長野県伊那市の本社隣接地に新設した「第4工場」において、2026年10月より本格的な生産を開始したと発表しました。2026年5月に竣工した同拠点は、半導体・次世代自動車・航空宇宙分野への供給強化を図りつつ、ZEB認証取得や自動化による生産性向上、労働環境改善を推進します。
新工場建設の背景と3つの使命
サン工業は創業77年を迎えるにあたり、グローバル競争の激化や地政学リスクの高まり、製造業に求められる環境配慮および労働環境改善への対応を背景として、第4工場を将来の事業拡大と技術高度化を見据えた戦略拠点に位置づけています。同社は新工場の建設にあたり、以下の3つの使命を掲げています。
- 技術革新の加速:高精度な機能性めっきの開発・量産体制を強化し、技術開発型企業への進化を図る
- 環境責任の実践:脱炭素や環境負荷低減を推進し、持続可能な製造業のモデルケースを構築する
- 社員福利厚生の充実:従来の3K(きつい・汚い・危険)イメージから脱却し、快適な職場環境を実現する
成長市場に向けた技術開発体制とDX・FA化
第4工場では、半導体、半導体製造装置、次世代自動車、航空宇宙などの成長市場向けに高機能めっきラインを構築しました。分析装置や試作専用ラインを活用し、試作から評価、量産までを一貫して支援できる体制を整備しています。また、最先端の分析装置と実験室を活かし、産学や大手メーカーと連携した表面処理技術の共同開発および独自技術の拡充を進めます。
製造現場においては、製造工程のFA(工場自動化)とIT活用により、生産性の20〜30%向上を目指しています。品質データの蓄積と可視化を行うことで、業務の属人化を防ぎ、安定した品質とトレーサビリティを確保する方針です。
Mr.ガジェット試作から量産までの一貫支援体制に加え、FA化とデータ蓄積によって属人化を防ぎ、20〜30%の生産性向上を目指す設計です。
Ms.ガジェット半導体や航空宇宙といった精密な分野で、安定した品質管理と自動化がどう活きるか気になります。
ZEB認証取得と脱炭素・環境負荷低減の取り組み
環境負荷低減の取り組みとして、高い断熱性と省エネ設備の導入により、建物全体の一次エネルギー消費量を112%削減してZEB認証を取得しました。また、自家消費型太陽光発電を活用して年間196トンのCO2削減を見込むほか、熱源を重油からLPガスへ切り替えることで従来比15%のCO2削減を実施し、製品1つ当たりのエネルギー使用量も可視化します。
製造プロセスでは、6価クロムフリー、ノンシアン、鉛フリーめっきなどの環境配慮型技術を導入しました。あわせて、各工程をリアルタイムで監視・制御する最新の自動排水設備を導入し、周辺地域の水資源保護を徹底する体制を整えています。
Mr.ガジェット一次エネルギー消費量を112%削減してZEB認証を取得したほか、有害物質を含まないめっきプロセスやリアルタイム監視の排水設備を取り入れています。
Ms.ガジェットめっき工場で省エネ認証の取得や有害物質削減を徹底するのは、周辺環境の安心感にも直結しそうですね。
作業環境の改善と社員向け施設
従来の製造現場のイメージ脱却と地域雇用の創出に向けて、機械設備と作業エリアを物理的に分離し、安全で快適なワークスペースを構築しました。自然光を取り入れたオフィスエリアには、個室ブースや協働スペースを配置し、全社員参加型の勉強会「SUNDay」などが開催できる大会議室も新設されています。
福利厚生施設としては、南アルプスを一望できる開放的なロケーションに社員食堂「SUN CAFE」を設置しました。部署や世代、国籍を超えた社内コミュニケーションの促進と、従業員の健康維持を支援する空間として運用されます。

Ms.ガジェット機械と作業エリアの分離や景色の良い食堂など、製造現場の働きやすさに配慮された空間づくりが印象的です。
新工場(第4工場)の施設概要
第4工場の施設規模および稼働スケジュールは以下の通りです。
| 項目 | 仕様・日程 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県伊那市西箕輪2148-53 |
| 敷地面積 | 14,443.28㎡ |
| 延床面積 | 7,120.10㎡ |
| 竣工時期 | 2026年5月 |
| 生産開始時期 | 2026年10月 |
Ms.ガジェット2026年5月の竣工から10月の本格生産開始まで、予定通り稼働へ移っていることが確認できます。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。


技術開発だけでなく環境対策や職場環境の改善まで3つの柱として同時に掲げられている点に注目したいです。