Snowflakeは2026年10月28日、グローバル技術イベント「Snowflake Expedition 2026」に先立つ報道機関およびアナリスト向けオンライン説明会を開催し、本番環境でのエージェント型AI活用を支援する新機能群を発表しました。ビジネスオントロジーやCortex AI Gateway、自律型データエンジニアリング機能などを通じて、PoCから本格運用への移行を後押しします。
Snowflake CoWork
グローバル技術イベント「Snowflake Expedition 2026」の概要
「Snowflake Expedition 2026」は、2026年11月3日から6日(米国時間)にかけてオンラインで開催されているグローバル技術イベントです。昨年までの名称「BUILD」から「Expedition(探検)」へと改められました。AIが技術者だけでなく、企業のあらゆるビジネスユーザー(Leaders & Builders)にとって実効的な成果を生み出す段階への移行を象徴しています。

説明会にはプロダクト担当上席副社長(EVP)のChristian Kleinerman(クリスチャン・クライナマン)氏が登壇しました。従来の企業システムにおけるデータサイロや待ち時間の課題に触れ、「AIはつくる人の裾野を広げ、ソフトウェア開発を工業化しています」と説明。専門人材に頼らず各部門がセルフサービスで分析や解決策の作成を完結できる環境が整いつつあると述べています。
Mr.ガジェット従来のBUILDからExpeditionへと名称が変わり、ビジネスユーザーも含めた実践フェーズへの移行が前面に出されています。
Ms.ガジェット技術者向けにとどまらず、現場の業務でどう成果を出すかがイベント全体のテーマになっている点に注目しています。
本格運用を支える新機能の3つの柱
今回の説明会では、PoC(概念実証)から本格運用やエージェント型ワークフローへの拡張を支援するアップデートとして、3つの柱が提示されました。

信頼できるAIのアクションとアウトプット
ビジネス実用化の課題であるハルシネーション抑制とガバナンスへの対応として、以下の2機能が発表されました。
- Snowflake Business Ontology: 「物理層」「論理層(セマンティックビュー)」「業務層(ビジネスオントロジー)」の3層構造により、全社共通の業務概念や定義を一元化。「答えない」設計のCortex Analystや検証済みの回答と組み合わせ、確実な回答のみを提供。
- Cortex AI Gateway: AIエージェントの制御とポリシー適用を一元化するハブ。「Agent Abuse Detection(悪用監視)」「Agent Trace Intelligence(処理過程可視化)」「Cortex Sandboxes(隔離環境)」「Cost Governance(コスト監視)」「Cortex AI Guardrails(入力制限)」を統合。
Mr.ガジェットハルシネーション対策として、業務オントロジーを定義したうえで「確実でない場合は答えない」仕組みを組み込んでいるのが特徴的です。
Ms.ガジェット社内データで誤った回答を出さないための制御や、ゲートウェイでの監査機能が整っていると安心して運用できそうです。
インテリジェンスを効率的にスケール
エージェント間連携の増加に伴う遅延削減やデータパイプライン運用効率化に向けて、以下の機能が発表されました。
- Autonomous Data Engineering: スケジュール処理やクラウド上での隔離実行を担う「CoCo Automations」と「CoCo Cloud Agents」、Slack/GitHub連携、パイプラインを視覚的に設計する「Snowflake Pipeline Builder」を搭載。修復計画は人間が承認するガードレールを設け、統制と手作業削減を両立。
- リアルタイムアナリティクス: 自動スケーリングを担う「Snowpipe Streaming」、Kafka互換の「Snowflake Datastream」、取り込み時の「Streaming Transformations」と「Interactive Analytics」により、低遅延なリアルタイム分析を実現。
Mr.ガジェット自律型のデータエンジニアリングを取り入れつつ、パイプラインの修復計画には人間の承認を必須とするガードレールが残されています。
Ms.ガジェット完全な自動任せにせず、重要な判断ポイントに人間のチェックを挟む設計になっている点に安心感があります。
より速く構築しスマートに働くための機能群
技術者とビジネスユーザーの日常業務支援に向けて、バックグラウンドで常時稼働し、データの変更検知やレポート作成を自律実行するデジタルワーカー「Snowflake Bots(Snowflake CoCo Bots および Snowflake CoWork Bots)」が発表されました。また、自社データを活用して複雑なインフラ管理なしにオープンウェイトモデルのポストトレーニングを行えるサーバーレス機能「Cortex Training」も提供されます。
Ms.ガジェットバックグラウンドで動くボットやサーバーレスの追加学習など、日常作業の手間を減らすアプローチが充実しています。
コーディング支援エージェント「Snowflake CoCo」
「Snowflake CoCo」は、開発者やエンジニア向けのAIコーディングエージェントです。発表によると、すでに9,100以上のアカウントで利用されています。今回のアップデートでは、スケジュール処理やクラウド上での隔離実行を担う「CoCo Automations」や「CoCo Cloud Agents」といった自律型データエンジニアリング機能、ならびにバックグラウンドで自律動作する「Snowflake CoCo Bots」との連携が発表されました。
Mr.ガジェットコーディング補助だけでなく、クラウド環境での隔離実行やスケジューリングと連動する自律エージェントへと機能が広がっています。
Ms.ガジェットすでに9,100以上のアカウントで使われているとのことで、開発ワークフローにどの程度組み込めるのか気になります。
ビジネスユーザー向け「Snowflake CoWork」
「Snowflake CoWork」は、専門人材を介さずにビジネスユーザーがデータ活用を行えるエージェント環境です。世界5,800以上のアカウントで利用されており、製薬大手企業においてわずか3週間でエージェント運用を本番移行させた事例も紹介されました。日常業務においては、データの変更検知やレポート作成を自律的に実行する「Snowflake CoWork Bots」などが業務を支援します。
Ms.ガジェット専門知識がないビジネス部門でもデータ分析を直接扱える環境を目指しているとのことで、実業務での扱いやすさに期待したいです。
無料教育プログラム「Snowflake Practitioner」の提供
人材育成に向けた施策として、無料教育プログラム「Snowflake Practitioner(スノーフレイク プラクティショナー)」も紹介されました。データアナリスト、データエンジニア、プラットフォーム管理者向けにロール別のAI&データトレーニングが無料で世界展開され、実践的スキルの修得が可能になります。
Ms.ガジェット職種別にロールが分かれたトレーニングが無償で提供されるのは、これからAI運用を学ぶ担当者にとって取り組みやすそうです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

信頼性、スケール、業務効率化の3つに整理されていて、PoCから本番運用へ進める際の現実的な課題に沿った構成だと感じます。