本事業の対象となる旅費等内部管理業務共通システム(SEABIS)は、約30府省庁の国家公務員が利用する政府共通システムです。Salesforceとフレクトは、公共機関向けソリューションである「Salesforce Public Sector Solutions」を活用し、「物品管理」業務の手続き負担軽減と効率化を目指します。業務プロセスおよびUI/UXの改善を図り、中長期的な拡張性を備えた持続可能な次期SEABIS(V4)の実現に貢献するとしています。
現行SEABIS(V3)の課題とシステム更改で提供する3つの価値
現行のSEABIS(V3)では、近年の利用者アンケート等においてUI/UXの複雑さや業務上の非効率が指摘されており、利便性の向上が課題となっていました。さらに、長年にわたる個別カスタマイズの積み重ねによる保守コストの増大や特定ベンダーへの依存に加え、現在の稼働基盤である第二期政府共通プラットフォームの利用終了を見据えた抜本的なシステム更改が求められていました。
フレクトは政府方針およびデジタル庁の検討方向性を踏まえ、Salesforce Public Sector Solutionsを用いて業務を実施します。契約期間は令和8年8月17日から令和9年3月31日までとなっており、以下の3つの価値を提供する方針です。
- UI/UX改善による利便性の向上:マニュアル不要で直感的な操作が可能なUIにより入力作業を簡素化し、利用者の利便性と満足度を改善
- 持続可能なコスト構造の実現:標準機能を最大限に活用する「Fit to Standard」を徹底し、過度なカスタマイズによるブラックボックス化やベンダーロックインを構造的に排除
- 常に最新のソリューションを提供:SaaSの特性を活かし、常に最新機能を享受できる環境を構築して中長期的なシステムの陳腐化を防止
Mr.ガジェット長年の個別カスタマイズで生じたブラックボックス化を解消するため、標準機能の活用を基本とする方針が示されています。
Ms.ガジェット約30府省庁が使うシステムだけに、マニュアルを見ずに操作できるようになるかどうかが気になります。
採用によって見込まれる効果と将来のAI拡張性
Salesforceを基盤とすることで、現行システムの課題解決と利用者の利便性向上を目指し、具体的な効果として以下の項目が挙げられています。

- サービスデスクへの問合せ件数を最大70%削減:直感的なUI/UXや専用ポータルサイトの実装等により自己解決を促進
- システム操作時間を最大16%削減:業務プロセスの簡素化やワークフロー自動化による入力負担の軽減
- 持続可能なコスト構造への転換とシステムの陳腐化防止:年3回のバージョンアップを継続的に取り込み、将来の機能追加にも柔軟に対応できるアーキテクチャを実現
さらに、将来的なAIエージェントの活用を見据えた「AI Ready」なシステム基盤を提供します。オープンなデータ連携規格に対応したアーキテクチャにより各種AIツールや自律型AIと柔軟に連携できる構成とし、将来的な行政業務の自動化や生成AI活用を支えるデジタル基盤としての貢献も見込んでいます。
公共機関向け「Salesforce Public Sector Solutions」の概要
Salesforce Public Sector Solutionsは、政府や自治体などの公共機関向けに特化して設計されたソリューションです。行政特有のデータモデルを標準搭載しており、各種申請・許認可、助成金管理、査察・監査、ケースマネジメントなどの業務プロセスを迅速にデジタル化します。住民や事業者へアクセスしやすいポータルを通じた行政サービス体験(CX)を提供する一方、行政職員向けには散在するデータを一元化し、自動化やAIによる業務効率化(EX)を実現するとしています。
Ms.ガジェット公共機関特有のデータモデルがあらかじめ備わっていると、個別開発を抑えつつどこまで業務に合わせられるのか注目したいところです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

操作時間の短縮だけでなく、年3回の定期アップデートや将来のAI連携まで想定されている点が興味深いです。