リユースPC事業を展開するリングロー株式会社は、同社が運営する卸業者向けPC仕入れサイト「Shii:Re(シーレ)」の新規会員登録状況を集計し、発表しました。2024年から2026年の各3〜10月の新規登録数を比較したところ、ほぼ同水準だった2024年・2025年から一転し、2026年は前年同期の約2.1倍に達しました。月別では2026年5月から10月まで6カ月連続で過去2年の同月を上回っており、新規登録者の約6人に1人が「開業・新規事業準備中」と回答しています。
集計の概要と調査条件
今回の集計は、事業者向けPC卸サイト「Shii:Re」における新規会員登録を対象に、リングロー株式会社が実施したものです。比較期間は2024年・2025年・2026年の各3〜10月、月別比較は各年の5〜10月を対象としています。なお、登録者数そのものの実数は非公表です。
Shii:Reへの登録者には、リユースPC事業への新規参入者だけでなく、すでにPCなどを販売している事業者が新たな仕入れ先として登録するケースも含まれます。そのため、本データは国内のリユースPC事業者数や新規参入企業数そのものを示すものではないと同社は説明しています。
2026年の登録推移:5月以降に前年比約2.8倍へ急増
Shii:Reの新規登録数は、比較可能な3〜10月で見ると、2024年と2025年はほぼ同水準で推移していました。しかし、2026年3〜10月は前年同期の約2.1倍となりました。毎年継続して拡大していたわけではなく、2026年に入って登録水準が変化した点が特徴です。
2026年の推移を細かく見ると、1〜4月の新規登録数は合計で前年同期を下回っていました。変化が生じたのは5月以降で、10月まで6カ月連続で2024年および2025年の同月を上回りました。5〜10月の合計登録数は、2025年同期比で約2.8倍、2024年同期比で約2.6倍に達しています。
施策面について同社は、2024年4月以降継続して広告を実施しているものの、2026年に広告予算や出稿量を増やした事実はないとしています。一方、2026年6月には販売促進施策を実施しました。販促施策が行われた6月を除いた5〜10月で集計した場合でも、新規登録数は2025年同期の約2.3倍、2024年同期の約2.3倍の規模となっています。なお、今回のデータだけで増加の要因を特定することはできないとし、今後も流入経路などの分析を継続する方針を示しています。
Mr.ガジェット2年間横ばいだった登録が5月以降に2倍以上へ跳ね上がった動きは、広告量を増やしていない前提を踏まえると目立ちます。
Ms.ガジェット6月の販促効果を除いた月でも2.3倍と聞くと、事業者側の調達行動に何か変化があったのか気になります。
背景にあるPC本体・部材の価格環境変化
新規登録が増加した2026年春以降は、国内PC市場において本体価格や部材価格の上昇が見られた時期と重なっています。
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の国内PC出荷実績をもとに、リングローが出荷金額を出荷台数で割って算出した1台あたりの金額を前年同月と比較したところ、以下の推移が確認されました。
| 対象月(2026年) | 出荷1台あたり金額(前年同月比) |
|---|---|
| 4月 | 約1.13倍 |
| 5月 | 約1.10倍 |
| 6月 | 約1.36倍 |
| 7月 | 約1.47倍 |
| 8月 | 約1.58倍 |
| 9月 | 約1.69倍 |
なお、この算出値には製品構成の変化が含まれるほか、前年9月はWindows 10のサポート終了に伴う買い替え需要で出荷台数が多い月でした。また、家電量販店やECサイトの実売データを集計する「BCNランキング」によると、メモリの2026年5月の平均単価(税別)は前年同月の約4.8倍を記録しています。
同社は、こうした価格環境の変化がShii:Reの登録増加を引き起こしたと証明するものではないとしつつも、市場の価格環境が大きく変化した時期と新規登録の増加時期が重なっている点に言及しています。
Mr.ガジェットJEITAの試算によるPC単価の上昇傾向やメモリの価格変動と、登録増加の時期が重なっている点が整理されています。
Ms.ガジェット直接の因果関係までは断定できないものの、新品市場の部材価格高騰と中古仕入れの動向を照らし合わせて見る視点は興味深いです。
新規登録事業者の内訳:「開業・新規事業準備中」が17.1%
2026年5月18日から10月31日までにShii:Reへ新規登録した事業者を対象に、登録時の回答事業内容を集計した内訳は以下の通りです(事業内容は2026年5月18日より登録時の必須選択項目として取得)。
- 修理・販売:29.4%
- 開業・新規事業準備中:17.1%
- 卸売:11.4%
- ITサポート・システム:10.4%
- その他:21.3%
最も割合が高かったのは「修理・販売」の29.4%でした。これに次ぐ「開業・新規事業準備中」は17.1%と全体の約6人に1人を占めており、既存のリユース事業者が新たな仕入れ先を探して登録するケースに加え、これから事業を開始しようとする事業者の登録も一定数確認されたとしています。
Ms.ガジェット新規参入の準備中という回答が約17%を占めているのを見ると、新たにPC販売を始めようとする動きも一定数あるのだと感じます。
リユースPC仕入れサイト「Shii:Re」のサービス案内
Shii:Reは、リングロー株式会社が運営する会員制のPC卸サイトです。PCの仕入れを希望する法人や事業者が登録し、卸価格でのPC調達に利用されています。登録事業者にはすでにPC販売を手がける事業者のほか、自社の既存事業にPC販売を新たに追加する事業者なども含まれています。
Ms.ガジェット一般消費者向けではなく事業者専用の会員制卸サービスだからこそ、仕入れる側の動向が数字に反映されやすいのかもしれませんね。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。


登録者数の実数は明かされていませんが、既存事業者の追加登録も含むデータだと条件を明示している点は分かりやすいですね。