Questyleは、新型のUSB-C接続ポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「MEX(エムイーエックス)」を発表しました。ESS Technology製のDACチップ「ES9219Q」を2基、さらにQuestyleが特許を取得したSiPカレントモードアンプモジュール(特許:US 9,614,483 B2)を4組搭載し、300Ω負荷時における全高調波歪率+ノイズ(THD+N)0.0002%未満を実現しています。

ポータブルDAC/ヘッドホンアンプ「MEX」の概要とサウンドモード
MEXは「easy HiFi(easy first, Hi-Fi inside)」をコンセプトに掲げ、スマートフォンやPCに接続するだけで本格的なサウンドを手軽に楽しむことを目指して開発された製品です。高インピーダンスのオーバーイヤーヘッドホンから高感度イヤホンまで幅広い機器の駆動に対応します。
本機の大きな特徴として、本体側面に備えられたスライドスイッチで切り替え可能な2つのサウンドモードが挙げられます。

- PURE(原音)モード:ハードウェア本来の音をベースに、ボーカルの息遣いや楽器の質感、空間表現を忠実に再現するモード。接続してすぐにQuestyleの設計サウンドを楽しめます。
- TUNE(調音)モード:専用アプリ「Questyle」と連動し、プリセットEQの選択やパラメトリックイコライザー(PEQ)による詳細な調整を行い、好みの音作りができるモード。
Mr.ガジェット本体側面の物理スイッチで原音再生のPUREモードとアプリ連動のTUNEモードを即座に切り替えられるのがMEXの構造的特徴です。
Ms.ガジェットスイッチ一つで味付けのない原音と自分好みのイコライザー設定を行き来できるのは手軽で使い勝手が良さそうですね。
専用アプリによる音質調整とデジタルフィルター機能
TUNEモード時に連動する専用アプリ「Questyle」では、周波数、ゲイン、Q値を帯域ごとに細かく設定できるパラメトリックEQ(PEQ)を利用できます。フィルタータイプはLS(ローシェルフ)、P(ピーキング)、HS(ハイシェルフ)、LP(ローパス)、HP(ハイパス)から選択可能です。調整カーブを画面上で視覚的に確認しながら低域の量感調整や特定帯域の抑制などを行え、作成したプリセットは保存して随時呼び出すことができます。

また、PUREモードとTUNEモードの双方で設定可能な項目として、DRE(ダイナミックレンジ拡張)と2種類のDACデジタルフィルター(リニアフェーズ・ファストロールオフ/ハイブリッドフェーズ・ファストロールオフ)が用意されています。DREは微小な音のディテールやアナログ回路のノイズフロアに着目し、実用的なダイナミックレンジを広げる機能で、特に低ゲインリスニング時に効果を発揮するとされています。
なお、今後のアプリアップデートとして、作成した音質設定に専用コードを付与して保存・共有・読み込みができる「Q-Code」機能や、Webブラウザからのコントロール機能の提供が予定されています。これらの提供時期や対応環境は決まり次第アナウンスされる予定です。
Mr.ガジェットPEQでは周波数やQ値、フィルタータイプを細かく指定できるほか、両モード共通でダイナミックレンジ拡張機能やDACフィルターも切り替え可能です。
Ms.ガジェット低音の微調整やイヤホンごとの補正をグラフィカルに保存できるのは本格的な音作りを楽しみたい人に向いていそうです。
アーキテクチャ・電源管理・インターフェース仕様
MEXのアンプ回路には、増幅と負帰還処理を電流領域(Current Domain)で行う独自のSiPカレントモードアンプモジュールが4組採用されています。これにより、高速・広帯域・低歪み・高速なトランジェントレスポンスを実現しています。
さらに「TTA 3段階アーキテクチャ」による前段制御でDACとアンプを最適な状態で連動させ、PCM 384kHz/32bit、ネイティブDSD256の再生に対応。電源管理にはトレックス・セミコンダクター(TOREX)製の高効率DC/DCおよび低ノイズLDOを組み合わせ、接続機器からの給電動作時におけるスマートフォンのバッテリー負荷や発熱を抑えています。
音声出力端子には、3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2系統を装備。3.5mm端子はCTIA規格のマイク付きイヤホンやヘッドセットに対応するほか、本体の集音孔によるマイク入力を用いた通話・ボイスチャットも可能です。音量は64段階、ゲインはH/M/Lの3段階で切り替えられ、左右のバランス調整機能も備えています。
外装はバウハウススタイルのスケルトン構造を採用したCNCアルミニウム合金フレームで仕上げられており、基板回路を視認できる設計です。本体裏面には独立したOLEDディスプレイを備え、音量、ゲイン、フィルター、サンプリングレート、再生モードのステータスを確認できます。Apple MFi認証の接続方式を採用しており、iOSやAndroid向けの「Questyle」アプリから各種設定を変更できます。
| 項目 | 仕様詳細 |
|---|---|
| DAC | ESS ES9219Q × 2 |
| アンプモジュール | SiPカレントモードアンプモジュール × 4組 |
| 対応フォーマット | PCM 44.1kHz〜384kHz/32bit、ネイティブDSD256、DoP DSD128 |
| 出力端子 | 3.5mmシングルエンド(CTIAマイク対応) / 4.4mmバランス |
| 最大出力レベル | 2V @300Ω(3.5mm) / 4V @300Ω(4.4mm) |
| 全高調波歪率+ノイズ(THD+N) | 0.0002%未満 |
| 周波数特性 | 20Hz〜20kHz ±0.5dB(PUREモード) |
| ゲイン / 音量調整 | 3段階(H / M / L) / 64段階 |
| 接続端子 | USB Type-C(Apple MFi認証接続対応) |
| 本体サイズ / 素材 | 86(L) × 55(W) × 15(D) mm / CNCアルミニウム合金 |
| 対応OS | Windows XP以降、macOS、iOS 14以降、Android 5.0以降 |
| 同梱品 | Type-Cケーブル、Type-C to USB-A変換アダプター、取扱説明書、保証書 |
Mr.ガジェットESSのデュアルDAC構成に加えて自社特許のSiPカレントモードアンプを4組搭載し、300Ω負荷時でも低歪みかつ4V出力の駆動力を確保しています。
Ms.ガジェット3.5mmだけでなく4.4mmバランス出力に対応していて、背面OLEDでステータスがすぐ確認できる点も分かりやすいです。
「秋のヘッドフォン祭2026」での日本初披露とイベント情報
MEXは、2026年11月7日(土)にステーションコンファレンス東京で開催される「秋のヘッドフォン祭2026」のQuestyle会場にて日本初披露されます。当日は報道関係者向けの記者発表会(11:00〜12:00、事前申込締切は11月6日23:59)が実施されるほか、12:30からは一般来場者向けに会場が開放され、MEXやCMAシリーズなどの製品を自由に試聴可能です。
また、一般来場者向けにはMEXの操作と音作りを体験できる参加型プログラム「MEX TUNE LAB」が13:00と15:00の2回開催されます。各回定員12名(抽選制・無料、事前申込制)で、オーディオ・DTMライターの藤本健氏による解説が行われます。各回の後にはQuestyle創業者・CEOの王豊碩氏とオーディオ評論家の野村ケンジ氏によるトークセッションも予定されており、会場全体のMCは女優・声優の田村響華さんが務めます。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

ヘッドフォン祭での実機披露に加えて、イコライザー操作を体験できる事前申込のワークショップも用意されているのは注目ですね。