株式会社Praztoは、公的統計や公開データを収集・整備して提供する「整備済みデータ提供事業」を開始しました。第一弾として、同社のクラウドETL「Passwork」に新機能「データライブラリ」を搭載し、企業・地域・気象の3カテゴリ・13データセットを標準提供します。
データ整備コストを肩代わりする新事業の背景
生成AIやBIツールの普及に伴いデータ分析の技術的ハードルは下がっているものの、エリアの市場性分析などに必要となる人口・商圏・企業などの実データが不足している課題があります。公的データ自体は豊富に存在するものの、形式の不統一や名寄せ、更新の手間といった「整備コスト」が現場での活用を阻む壁となっていました。Praztoはこの整備コストを肩代わりし、人間だけでなくAIでも即座に活用できる状態のデータを届けることを目的に本事業を立ち上げました。

Mr.ガジェット公的データはオープンにされていても、フォーマットのばらつきや更新処理の負担が導入のハードルになりやすい点に着目した取り組みです。
Ms.ガジェット社内データと公的統計を突き合わせたい場面は多そうですが、名寄せの手間をサービス側で吸収してくれるなら試行錯誤がしやすくなりそうです。
Passwork新機能「データライブラリ」の概要と提供データセット
「データライブラリ」は、Praztoが整備したデータセットをPassworkに標準搭載する新機能です。データフローの入力ソースとして選択するだけで利用可能となり、DWHやCRM、BIなどの接続先へノーコードでデータを流し込めます。全データに法人番号・住所・日付といった結合用のキーがあらかじめ揃えられており、自社データとスムーズに掛け合わせられる設計となっています。

標準提供されるデータセットは、以下の3カテゴリ・全13種類で構成されます。
- 企業を知る:企業プロフィール(国内法人マスタ:所在地・業種・資本金・財務・特許・補助金等)、従業員数の推移
- 地域・商圏を知る:都道府県別統計、市区町村別統計、町丁目別の人口・世帯、昼間人口、町丁目別の事業所数・従業者数、人口メッシュと将来推計、公示地価、駅別乗降客数
- 日々の条件を知る:気温の実績、天気・降水の実績、天気予報
データソースには、政府公開の法人情報、政府統計、国勢調査、経済センサス、国土数値情報、自治体統計、気象庁データなどが採用されています。各データの出典を明記したうえで、月次や日次での更新運用をPraztoが代行します。
Mr.ガジェット法人番号や住所、日付といった結合キーが最初から統一されている仕様が、このライブラリの特徴的な設計と言えます。
Ms.ガジェット企業情報から気象データまで多岐にわたる13種類が並んでいるので、どの組み合わせで自社の数字とつなげるか検討しがいがあります。
データライブラリの利用手順と活用例
Passworkの利用者は接続設定や個別の追加アカウント登録を行う必要がなく、メニューから直接データライブラリの機能を利用できます。具体的な操作フローは以下の3ステップです。
- STEP 1 検索・閲覧:自然言語、条件指定、SQLの3通りでデータを検索・閲覧可能。必要な行を選択してCSV形式でダウンロードできます(自然言語入力時はAIがSQLに変換)。
- STEP 2 連携フロー構築:取得データはTableauやSalesforce Data 360など、コネクタで接続した外部ツールへノーコードで連携可能。自社データとの結合や加工も同一フロー内で完結します。
- STEP 3 設定完了:データセットを選択し、必要に応じて条件を指定するだけで完了。接続情報の入力は不要で、列名は日本語の表示名とAPI名を切り替えられます。
活用例としてエリアマーケティングが挙げられています。町丁目別の人口や昼間人口、駅別乗降客数のデータと自社の販売実績を重ね合わせることで、市場規模に対して実績が少ないエリアを地図上で特定し、Tableauと連携した出店計画やエリア販促ダッシュボードの構築が容易になります。
今後の展開とPassworkの機能
Praztoは「データライブラリ」をPassworkの一機能として開始した後、順次データセットを拡充していく予定です。将来的にはAPIやファイル形式での提供に加え、SalesforceやTableauからの直接利用へ展開を広げる方針を示しています。キーが揃い出典が明確なデータセットはAIエージェントにとっても扱いやすい資産であるとし、データ連携基盤とデータ提供の両面から企業の活用を支援していく構えです。
基盤となるPassworkは、kintone、Salesforce、freeeなどのSaaSや各種データベース、DWH、BIをノーコードで接続して連携を自動化するクラウドETLサービスであり、AIによるフロー作成支援機能も備えています。
Ms.ガジェットETL内の機能から始めて、将来的にAPIや外部ツール直接利用への展開が予告されている点も今後の広がりとして注目したいところです。
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自然言語での検索からSQL生成に対応していたり、Tableauなどの接続先に直接流し込める構成になっている点は運用時の操作で気になります。