株式会社ノックデザインは2026年11月5日、どの仕事にAIを使えばよいか見当がつかない中小企業の社長に向けた訪問サービス「社長のためのAI導入」の受付を開始しました。事前の打ち合わせを元に同社が進め方を用意し、担当者が会社へ訪問して1回4時間で社長自身がAIを操作して下書きを作成します。料金は1回定額で税込55,000円(交通費実費別)です。

「社長のためのAI導入」のサービス概要と利用条件
「社長のためのAI導入」は、中小企業の社長自身が自らの仕事を題材とし、手作業でAIを操作して業務の下書きを作成する訪問サポートです。社員が在籍していない会社の社長も対象に含まれ、社員1名まで追加料金なしで同席できます。
料金は1回あたり定額で税込55,000円(税別50,000円)となっており、事前の打ち合わせ、同社による事前準備、当日の4時間の訪問対応、社員1名の同席が含まれます。訪問にかかる往復交通費(実費)と、AIサービスを有料版にする場合の利用料は別途顧客側の負担となります。取り消し料は発生せず、支払いは後日の請求書払いとなっています。訪問地域に制限は設けられていません。
本サービスで利用するAIツールは、事前の打ち合わせでChatGPTやClaudeなどから決定します。無料版のアカウントで開始できますが、AIサービス側の利用上限に達した場合はその日のうちに残りの下書きを社長自身の手で作成できないことがあります。その際は同社が事前に用意した進め方を提示しながら続きの作成方法を説明する運用となっています。有料版を利用するかどうかは社長自身が判断します。
Mr.ガジェット訪問型で4時間の枠が決まっていて、交通費と有料プラン代を除けば定額55,000円という料金体系が分かりやすいですね。
Ms.ガジェット社員がいない会社でも申し込めて、1名までなら追加料金なしで同席できる点も小規模事業者には検討しやすい条件だと感じます。
扱う仕事の選定基準と63件の業務一覧
当日に扱う業務は、ノックデザインが整理した「AIが手伝える社長の仕事」63件の一覧から社長が選定します。当日に扱う業務の件数は固定されておらず、選んだ内容に応じて変動します。4時間の中で扱いにくい仕事を選んだ場合は、事前の打ち合わせで相談のうえ決定されます。

業務一覧は「お金と経営」(13件)、「売る」(19件)、「現場を回す」(9件)、「人」(15件)、「付き合い・社長自身」(7件)の5区分に分類され、下書き、集計、要約、調べもの、点検といったAIの役割が記載されています。業務選定に迷った場合は、同社が推奨する「見積の計算と点検」「読む人別の求人原稿」「会社紹介の文章の下書き」から選択することも可能です。
| 区分 | 社長の仕事 | AIがすること |
|---|---|---|
| お金と経営 | 業界や市場の動きを調べる | 業界のニュースを調べて要約する |
| 売る | 見積書を作る、確認する | 見積を下書きし、計算を点検する |
| 売る | 料金表やカタログを作る | 料金表と説明文を下書きする |
| 売る | 会社案内を作る | 会社案内の文章を下書きする |
| 現場を回す | 納期と工程を確認する | 工程表を整理し、遅れを点検する |
| 人 | 求人原稿を作る | 求人原稿を下書きし、表現を点検する |
| 付き合い・社長自身 | メールやLINEに返信する | 返信文を下書きする |
| 付き合い・社長自身 | 経営の勉強をする | 記事を要約し、用語を調べる |

推奨される3つの業務と作業内容
選定に迷った場合の推奨例として挙げられている業務内容は次の通りです。
- 見積の計算と点検: 用意された見本の単価表・見積書、または顧客企業の見積書フォーマットに見本の数字を入れたものを使用します。品目と数量から合計を算出し、計算違いや記入漏れをAIで点検します。価格決定は社長が行い、AIは計算と点検のみを担当し、最終的に電卓で再計算して照合します。
- 読む人別の求人原稿: 公開中の求人票を元に、未経験者向けや経験者向けなどに書き分けます。出力結果に年齢制限表現や実際と異なる条件が含まれていないかは社長自身が確認します。
- 会社紹介の文章の下書き: ホームページで公開している文章から下書きを作成します。取引先名が含まれる箇所はAIへの入力前に削除します。ホームページがない場合はAIの質問に答える形式で進めます。公開用への仕上げ作業は当日中には行いません。
Mr.ガジェット見積もりや求人原稿の作成など、日常的に社長が手を動かしていそうな作業が見本として設定されていますね。
Ms.ガジェット見積もりではAI任せにせず電卓で検算したり、求人票では年齢表現を社長自身が確認したりと、人の目を通す前提なのが現実的です。
訪問当日の4時間のタイムスケジュール
訪問当日は合計4時間を予定しており、下書きの作成作業に全体の半分以上である2時間30分を充てる配分となっています。

| 時間 | 行うこと |
|---|---|
| 30分 | AIの使い方を説明。アカウント登録が済んでいない場合はこの時間内に実施 |
| 2時間30分 | 事前に用意した進め方に沿って、社長自身がAIを操作して選定業務の下書きを作成 |
| 15分 | 下書き以外の活用例として、同社がAIを活用して作成した動画見本を閲覧 |
| 45分 | 次にAIへ任せたい仕事を一覧から選定。後日の提案を希望する場合は日程を決定 |
Ms.ガジェット4時間のうち2時間30分を下書き作成に充てる配分なので、講義を聞くだけでなく手を動かす時間が中心になりそうです。
AIに入力する情報管理と作成データの権利
作業開始前に、社長自身のAIアカウントで入力内容を学習に使用しない設定(学習オフ)を適用します。設定手順は担当者が案内します。設定をオフにした場合でも、回答評価ボタンを押した会話などは各AIサービスの規約に沿って使用される場合があります。
当日の作業では、実際の金額、個人の名前、取引先の名称をAIに入力しません。公開情報と見本の数値を用いて作成し、実際の数値データは預からない方針となっています。AIが出力した文章や表はすべて下書きとして扱い、事実確認や数値、条件の点検は使用前に人が行います。

作成した下書きデータは、社長が登録したAIアカウント内にそのまま残り、顧客企業の資産となります。なお、当日の4時間の中では「公開できる形への仕上げ作業」や「成果の保証(求人の応募増加など)」は含まれません。仕上げ作業を希望する場合は別見積もりが提示されます。
Mr.ガジェット学習オフの設定を案内したうえで、実際の顧客名や金額は入れず見本の数字で作るルールが明示されています。
Ms.ガジェット本物の取引先情報や機密データを預けない決まりになっていると、初めて業務でAIを扱う場合でも不安が和らぎますね。
「AI業務診断」や「AI実行支援」との位置づけの違い
ノックデザインは本サービスのほかに、2026年8月からWebツール「AI業務診断」、2026年10月15日から「AI実行支援」を提供しています。
「AI業務診断」は業種・業態を選択して活用例を画面で確認できる登録不要の無料Webツールであり、同社の担当者は関与しません。一方、「AI実行支援」は同社が顧客の業務から仕組み化する対象を選定し、AIを組み込んだ運用体制を構築する有料サービスです。
「社長のためのAI導入」と「AI実行支援」の主な違いは次の通りです。
- 手を動かす人: 「社長のためのAI導入」は社長本人がAIを操作して下書きを作ります。「AI実行支援」では同社が仕組みを構築して業務に組み込み、顧客の担当者が下準備内容を確認します。
- 完了後に残るもの: 「社長のためのAI導入」は社長のAIアカウント内に下書きが残ります。「AI実行支援」では動く仕組み、業務手順書、設定一式、引き継ぎ手順書が納品されます。
- 時間・料金・契約: 「社長のためのAI導入」は1回4時間・定額税込55,000円(交通費実費別)です。当日その場での別サービス契約は行いません。「AI実行支援」は業務内容をヒアリングした後に見積書を提示し、契約後に着手します。
Ms.ガジェット仕組みの納品まで受託するAI実行支援と、自ら手を動かして下書きを作る今回の訪問支援とで、残る成果物や関わり方がはっきり分かれています。
「社長のためのAI導入の申し込み」手順と準備物
サービスの申し込みは、同社のAI導入支援ページ内にあるお問い合わせフォームから受け付けています。相談内容で「その他」を選択し、詳細欄に「社長のためのAI導入の申し込み」と希望時期を記入して送信します。営業や協業提案は受け付けていません。
申し込み後、同社担当者から2〜3営業日以内にメールで連絡があり、日程調整を行います。料金や交通費、取り消し料不要、情報の扱いについて書面で合意したのち、打ち合わせ前に63件の業務一覧が送付されます。訪問当日の1週間前には、電話またはオンラインで30分〜1時間の事前打ち合わせを実施し、現状の業務の進め方のヒアリング、当日の業務選定、利用するAIの決定を行います。
利用にあたって顧客側で準備するものは以下の通りです。
・社長のパソコン1台(同席者と共用)
・机のある部屋とインターネット接続環境
・AIの利用登録に使うメールアドレス(Claudeを利用する場合は確認コードを受信する携帯電話も必要)
当日の終了時に次の契約を強制されることはなく、業務追加の提案を希望する場合にのみ後日日程を決定します。
Mr.ガジェット当日の1週間前に事前打ち合わせを設けて、現在の進め方をヒアリングしたうえで進め方を用意する段取りになっています。
Ms.ガジェット当日にその場で追加契約を迫られないと明記されているため、まずは1回試してみたいという段階でも申し込みやすそうです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

あらかじめ63件のリストが用意されていて、5つの分野から自分の業務に合わせて選べるようになっているのは整理しやすそうです。