Nature株式会社は2026年10月28日、スマホHEMS「Nature Remo E / E2」の有料オプション「スマートEV充電 for Tesla」において、「買電の設定」「今から充電」「充電の判断」という3つの新機能の提供を開始しました。月額300円(税込)の利用料金は据え置きのまま、天候や遠出の予定、売電単価に応じた細やかな充電制御が可能になります。
「スマートEV充電 for Tesla」新機能追加の背景
「スマートEV充電 for Tesla」は、2026年9月24日に提供が開始された有料機能です。家庭の太陽光発電で生じた余剰電力を自宅のTesla社製電気自動車(EV)へ自動的に充電することで、家庭内での自家消費率向上を図る目的で設計されています。

従来の仕様では余剰電力のみを用いた充電に特化していたため、雨天や曇天が連続した際に十分な充電量を確保できない課題がありました。また、急な外出予定が入った際に天候の回復を待たずに充電したいという要望や、2026年8月26日からのベータテスト参加者から寄せられた「売電単価が0円の契約のため、多少買電してでも余剰電力を使い切りたい」といったニーズに対応するため、今回の機能拡充が実施されました。
Mr.ガジェットこれまでは太陽光発電の余剰電力だけで充電する設計だったため、天候不順が続いた際の充電不足や、卒FITなどで売電単価が極めて低い家庭での使い勝手に課題がありました。
Ms.ガジェット天気が悪い日が続いたときに車が使えないと困りますから、余剰電力だけに頼らない選択肢ができたのは実用的ですね。
追加された3つの新機能
今回のアップデートでは、買電を併用した残量維持、即時充電、余剰電力が少ない場合の充電方針の選択という3つの機能が組み込まれました。それぞれの動作仕様は以下の通りです。
新機能1「買電の設定」
「買電の設定」は、Teslaのバッテリー残量があらかじめ指定した数値を下回った際に、余剰電力の有無にかかわらず電力会社からの買電で充電を行う機能です。「Nature Home」アプリのオートメーション設定画面から設定できます。設定値はオフ、または10%から80%の範囲(初期設定はオフ)で指定可能です。買電による充電電流の初期値は16A(約3.2kW)に設定されています。バッテリー残量が設定値より5%多くなると買電を停止し、自動的に「余剰のみの充電」へ復帰します。例えば設定値を30%にした場合、30%未満で買電充電が始まり、35%に到達した時点で余剰電力充電へと切り替わります。

Mr.ガジェット指定した残量を下回った際だけ買電を行い、設定値より5%回復した時点で自動的に余剰電力充電へ戻るヒステリシス制御が組まれています。
Ms.ガジェット必要な最低残量だけを電力会社から買って確保し、あとは太陽光を待つという切り替えが自動で行われるのは合理的ですね。
新機能2「今から充電」
「今から充電」は、「Nature Home」アプリのエネルギー画面にある充電カードから、目標とするバッテリー残量(50%〜100%)を指定して即座に充電を開始できる機能です。翌日の長距離移動や夜間の補充電など、太陽光発電を待たずに残量を増やしたい場面を想定しています。太陽光の余剰分で不足する電力は買電により補われます。

充電終了の条件は、指定した目標残量への到達、開始から24時間の経過、または充電カード内の「余剰のみの充電に戻す」ボタンの押下となっています。目標残量への到達時および24時間経過時にはアプリへ通知が送信されます。また、Tesla本体側で設定している充電上限を上回る目標値を設定した場合は、充電中のみ一時的に上限が引き上げられ、完了後に元の数値へ自動で戻る仕組みです。誤操作を防ぐため、充電開始前の確認画面には「買電します」との案内が表示されます。
Mr.ガジェット「今から充電」ではTesla本体の上限設定を超える目標値を指定した場合でも、充電中だけ一時的に上限が書き換えられ、完了後に元へ戻る仕様になっています。
Ms.ガジェット急な遠出の前に普段の上限設定を手動でいじらなくて済むのは、手間が省けて使いやすそうです。
新機能3「充電の判断」
「充電の判断」は、発電による余剰電力量が少ない状況下での挙動を、ユーザーの電力契約や利用頻度に合わせて2種類の方針から選べる機能です。

- 余った電気を使いきる:少量の買電を行ってでも、発生した余剰電力を最後まで車両の充電に使い切る方針。売電単価が0円に近い契約や、車両の走行頻度が高い世帯向けとされています。
- 電気を買わずに待つ:充電出力を控えめに抑え、余剰分は売電に回す方針。一定の売電単価が設定されている契約や、車両の走行頻度が低い世帯向けとされています。なお、この方針を選択している場合でも状況により買電が発生することがあります。
Mr.ガジェット売電単価が0円に近い世帯向けに買電を混ぜて余剰を使い切る設定と、売電収入を優先して控えめに充電する設定の2種類から選べるようになっています。
Ms.ガジェット家庭ごとの売電単価や契約プランによって得になる充電方針が選べるのは、柔軟な工夫だと感じます。
充電状態を表示する充電カードの機能
「Nature Home」アプリのエネルギー画面に配置された充電カードには、現時点で充電に使用している電力の種類を示すインジケーターが追加されました。画面上には「余剰で充電中」または「買電で充電中」と明記され、どの電源から給電されているかが判別可能です。また、買電による充電が行われている間は、設定された目標バッテリー残量も画面内に表示されます。

Ms.ガジェット充電カード上で余剰電力か買電かがリアルタイムに文字で確認できると、電気代の管理がしやすそうですね。
Teslaアプリとの連携仕様と注意事項
「スマートEV充電 for Tesla」の動作中は、「Nature Home」アプリ側が充電の開始・停止および充電電流の制御を受け持ちます。充電上限値については、通常時はTeslaアプリ側で設定された値を超えることはありません。「今から充電」機能でTeslaアプリの設定上限を超える目標値を指定した場合に限り、充電継続中のみ上限が一時的に引き上げられ、充電終了後に元の値へ復帰します。
なお、Teslaアプリ側の「予約充電」機能との併用は推奨されていません。「スマートEV充電 for Tesla」が有効な間は、余剰電力が不足しているとシステムが判断した場合に充電を自動停止するため、予約充電によって開始された給電も停止する挙動となります。余剰電力を待たずに即時充電を行いたい場合は「今から充電」の利用が案内されています。
Mr.ガジェット「Nature Home」アプリが余剰電力の有無で給電を停止させるため、Teslaアプリ側の予約充電機能と競合して給電が意図せず止まってしまう点に注意が必要です。
Ms.ガジェット純正アプリの予約充電と組み合わせて使おうとすると止まってしまう場合があるのは、事前に把握しておきたい注意点です。
料金体系と利用条件
新機能を利用するための料金体系およびシステム要件は以下の通りです。
| 項目 | 仕様・条件 |
|---|---|
| 月額料金 | 300円(税込) |
| 無料期間 | 初月無料(1ユーザーにつき1回) |
| アプリバージョン | 「Nature Home」アプリ ver 60.3.0以上(iOS / Android対応) |
| 太陽光発電設備 | 自宅に太陽光発電設備が存在し、売電が発生していること |
| HEMS機器 | 「Nature Remo E」または「Nature Remo E2」でスマートメーターまたは分電盤主幹の電力を計測していること(「Nature Remo E lite / E2 lite」は対象外) |
| 車両ソフトウェア | Teslaのソフトウェアバージョンが2024.44.32以上であること |
本機能は電気代の削減額を保証するものではなく、削減効果は太陽光発電設備の容量や家庭の電力消費状況、車両の使用頻度、電力会社との契約プランによって変動します。また、「買電の設定」「今から充電」「余った電気を使いきる」による充電時には電力会社からの買電が発生するため、契約プランに応じた電気代が別途発生します。充電ケーブルが未接続の場合は充電が行われないほか、通信環境やTesla側の状態、Tesla社側のサービス提供状況により制御の遅延や未実行が生じる場合があります。
Mr.ガジェット月額300円の利用料は据え置きですが、スマートメーター計測に対応する「Nature Remo E / E2」が必要で、liteモデルは対象外となる点にご留意ください。
Ms.ガジェット初月無料が用意されているのは試しやすいですが、自宅の機器がliteモデルではないか確認しておく必要がありますね。
スマホHEMS「Nature Remo E2」の概要
「Nature Remo E2」は、家庭のコンセントに挿すことで導入できるスマホHEMS機器です。スマートメーターをはじめ、太陽光発電設備、蓄電池、V2H、エコキュート、エネファームなどと連携し、「Nature Home」アプリ上でリアルタイムな電力の流れのモニタリングおよびコントロールを行えます。別売のスマートリモコン「Nature Remo」シリーズと組み合わせることで、電力消費量に応じた家電の自動制御や遠隔操作にも対応します。
Ms.ガジェットコンセントに差すだけで家庭内の電力データを集約できるスマホHEMSとの連携が、EV充電の細かな制御を支えているのですね。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

3つの機能がそれぞれどういった場面を想定して追加されたのか、制御の仕組みも含めて気になります。