レシップホールディングス株式会社の連結子会社であるレシップ株式会社は、バス事業者の課題解決を目指すソリューションブランド「MoveLe(ムーブル)」の本格展開を開始すると発表しました。これまで個別や段階的に提供・検証してきた複数のシステムやサービスを体系化し、事業者の課題や導入環境に応じた組み合わせで提案と導入を進めます。
MoveLeブランド立ち上げの背景とバス業界の現状
路線バスは地域交通を支える生活基盤ですが、利用者の長期的な減少や運転士不足、燃料費をはじめとするコスト上昇により、各地で減便や路線廃止が続いています。地方のバス事業者を中心に収支環境が厳しく、単独での大規模なシステム投資が難しい事業構造も存在します。
加えて、ダイヤ編成や売上・乗降実績の集計、行政向け申請などの現場業務では、熟練担当者の経験や紙、表計算ソフトによる手作業が多く残っています。業務の属人化や作業負担の増大が人員を圧迫し、知見の継承や素早い経営判断を困難にしていることから、現場の運行・利用・収支データをつないで改善と経営判断に生かすDXの推進が求められています。

Mr.ガジェット熟練者の経験や紙の帳票に頼ってきた業務をデジタルデータでつなぐ視点が示されています。
Ms.ガジェット運転士不足や減便の話題が多い中で、現場の手作業負担をどこまで減らせるのか気になります。
ソリューションブランド「MoveLe」の全体像
MoveLeは、運行計画やダイヤ編成、運行路線の最適化、バックオフィス業務の効率化などを束ねたソリューションブランドです。運賃箱やICカードシステムといった車載機器から取得される運行・利用データと、同社が70年以上にわたり培ってきたバス業界の知見を組み合わせて活用します。
システムを導入して終わるのではなく、データを基に課題を捉えて解決策を実行し、成果を検証して改善につなげるサイクルをバス事業者とともに構築することを目指しています。

MoveLeで展開する主要ソリューション
MoveLeのもとで体系化され、展開される主なソリューションは次の3点です。
Ms.ガジェット運行計画だけでなく、現場のダイヤ作成や事務手続きまでカバーするソリューションが揃っています。
運行最適化支援システム
運賃箱やICカードシステムから売上データや乗降データを自動で収集し、クラウド上で一元管理するシステムです。停留所別や時間帯別の乗降実績、路線別の収支などを可視化・分析し、増便や減便、路線再編における複数案の比較や検討を支援します。
2020年9月から本システムを導入している株式会社じょうてつでは、各営業所における集計作業の負担が従来の約5分の1に軽減され、データに基づく経営判断に活用されています。
Mr.ガジェット集計作業が約5分の1に減ったという導入実績が具体的に挙げられています。
Ms.ガジェット乗降データと収支がしっかり見える化されれば、路線再編の検討も進めやすくなりそうです。
ダイヤ編成システム
日々の運行で得られる収入実績や需要データを活用し、路線、便、所要時間、車両、乗務員、休憩、法令上の制約などをシステム上で整理します。担当者の経験や手作業に依存していた複雑なダイヤ編成や改正作業を標準化し、効率化を図るとともに、乗務員の労働環境に配慮したダイヤ構築を支援します。
Ms.ガジェット休憩や法令の制約まで考慮してダイヤを標準化できる仕組みは、乗務員の方の労働環境改善にもつながりそうですね。
補助金申請業務DX
国や自治体への路線維持に関する補助金申請において、運行系統ごとの輸送実績集計と指定様式への記入を効率化する機能です。運賃箱から得られる現金データとICカードデータを自動集計し、申請に必要な形式で出力します。これにより、本社や営業所で行われていた集計や転記作業を削減し、業務の標準化や入力ミスの防止を支援します。
Ms.ガジェット現金とICカードのデータを自動でまとめて指定様式に出力できるのは、営業所の事務負担軽減に直結しそうです。
今後の展開計画
MoveLeは既存のダイヤ編成や運行最適化ソリューションを土台としながら、現場の課題に応じた機能やサービスを拡充していく方針です。毎年2件以上の新たなソリューション展開を目指し、車両管理、運行計画、乗務員支援といった事業運営を支える幅広い領域へ広げていく予定としています。
Mr.ガジェット毎年2件以上のペースで新ソリューションを追加し、車両管理や乗務員支援にも広げる計画が掲げられています。
Ms.ガジェット現場の課題に合わせて段階的に機能が広がっていく展開に期待したいところです。
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運賃箱やICカードなど、日々の運行機器から得られるデータをそのまま業務改善のサイクルへ活用できる設計に注目したいです。