株式会社イトーキは、ワークプレイス事業「Office3.0」の新ソリューションとして、3つのAIエージェントで構成される「ITOKI OFFICE AI AGENTS」の提供を2026年11月4日に開始しました。各拠点の運用状況をモニタリングして拠点戦略の意思決定を支援する「Facility Portfolio AI」、オフィスの移転や改修プロジェクトを支援する「Workplace Insight AI」、空予約を解消して会議室や席の稼働率を最大化する「Space Matching AI」を提供し、企業の戦略的なファシリティマネジメントを支援します。
提供の背景とファシリティマネジメントの課題
現在、オフィスは構築後の運用や人材の採用・定着といった人事課題にも関わる経営資源として位置づけられています。M&Aやグループ再編、事業ポートフォリオの見直しが進む中で、拠点の統廃合や新設を迅速に判断することが求められています。さらに、オフィス賃料の上昇に加え、2027年4月以降に開始する事業年度からは新リース会計基準が適用される予定となっており、賃貸借に関する判断にはファシリティマネジメント部門から経理部門や経営層に対する迅速な説明責任が必要とされています。
一方で、建設人材の不足に伴う工期の長期化により、移転や改修プロジェクトでは要件確定前の早期に重要仕様を決定しなければならない状況が生じています。総務やファシリティマネジメント部門は大企業であっても少人数で多数の拠点を担当することが多く、過去の判断経緯や拠点情報が担当者個人の管理データや経験に依存しがちである点や、組織内で知見が蓄積されにくい点が課題として挙げられています。
Mr.ガジェット2027年4月以降の新リース会計基準適用や工期長期化など、オフィスの賃貸借や改修を巡る判断期限が前倒しされる背景が示されています。
Ms.ガジェット少人数の担当部署で多数の拠点を抱えている企業だと、客観的なデータで迅速に説明できる仕組みがあるかは気になるところですね。
「ITOKI OFFICE AI AGENTS」を構成する3つのAIエージェント
「ITOKI OFFICE AI AGENTS」は、オフィスデザインやファシリティマネジメントの知見、設計データ、オフィス構築・運用の支援実績を基盤に開発されたソリューションです。企業の課題に応じた段階的な導入に対応しており、3つの異なるAIエージェントが用意されています。
Facility Portfolio AIの機能と特徴
Facility Portfolio AIは、拠点ごとの稼働状況を捉え、戦略的な意思決定を支援するAIエージェントです。オフィスに関するデータを取り込み、可視化、分析、シミュレーションを実行します。通常はデータ分析の専門人材が行うデータ整備や分析モデルの設計をAIが支援し、「何を決めたいか」を自然言語で指示することで判断に必要な分析画面を作成できます。

Mr.ガジェット専門知識が必要な分析モデルの設計を支援し、自然言語での指示から分析画面を生成できる仕組みです。
Ms.ガジェットデータ分析専任の担当者がいなくても、自然言語で必要なシミュレーション画面を出せるのは使いやすそうですね。
Workplace Insight AIの機能と特徴
Workplace Insight AIは、オフィスの移転や改修、既存オフィスの改善プロジェクトを上流工程から支援するAIエージェントです。オフィスづくりとファシリティマネジメントの専門知見を備えており、アンケート結果、ヒアリング記録、図面などを統合して読み込み、オフィスの課題と改善の方向性を整理します。

Ms.ガジェット図面やアンケート、ヒアリング記録をまとめて読み込んで課題の方向性を整理してくれるのは、移転プロジェクトの初期段階で役立ちそうです。
Space Matching AIの機能と特徴
Space Matching AIは、使われていない予約を解放し、空いたスペースを必要とする利用者へ提供することでオフィスの稼働率最大化を図るAIエージェントです。会議室や座席の物理的な増設を行わずに実質的な供給量を増やすことを目指しており、「No-Show Hunter」と「Open Now」の2つの機能で構成されます。
No-Show Hunterは、センサーによる在席検知と予約情報を照合し、予約時間になっても利用されていない空予約を検知する機能です。発生状況や解放の結果はダッシュボードで確認でき、会議室増設の要否を判断する前に実際の利用実態を把握できます。連携するセンサーデバイス「ITOKI OFFICE DEVICES」(Office Box)は人の在不在のみを判定し、個人を識別しない仕様となっています。

Open Nowは、現在空いている会議室、Webブース、個人席をスマートフォン上で一覧表示し、ワンタップで直前予約が行えるモバイルアプリケーションです。希望するスペースの種類を事前に選択しておくことで空き発生時の通知を受け取ることができ、No-Show Hunterによって解放されたスペースもすぐに案内されます。

Mr.ガジェット在席センサーで空予約を自動検知して解放し、直前予約アプリへ即時通知することで会議室の増設なしに実質供給を増やす仕組みです。
Ms.ガジェット個人を特定しないセンサーで在席だけを判定して、直前アプリで空いた席をすぐ押さえられる運用は実用的ですね。
データ管理設計と導入支援体制
本ソリューションは、特定の機器導入や完全なデータ整備を前提とせず、企業がすでに保有している既存の業務データから活用を開始できる設計を採用しています。分析対象となる情報は利用者のPC内で管理され、AIには処理に必要な範囲のみが送信されます。また、AIによる分析結果は独立した検証ルールで照合され、根拠を確認できる形で記録されます。導入初期におけるデータの収集・整備、分析目的の整理、業務設計については、イトーキの専門メンバーによる伴走支援が提供されます。
Mr.ガジェット分析対象データをPC内で管理してAI送信範囲を絞る設計に加え、分析結果の根拠を検証ルールで記録する体制がとられています。
Ms.ガジェット企業の大切なデータを扱うだけに、PC内管理や根拠の確認ルールが最初から組み込まれていると導入時の安心感につながります。
提供概要と今後の展開
サービス提供の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ITOKI OFFICE AI AGENTS(Facility Portfolio AI/Workplace Insight AI/Space Matching AI) |
| 提供開始日 | 2026年11月4日 |
| 対象 | 企業の総務・ファシリティマネジメント部門、経営企画部門 ほか |
イトーキは今後、各エージェントの機能拡充を進めるとともに、エージェント間のデータ連携や、会議室予約システム「Reserve Any」をはじめとする既存サービスとの連携を強化する予定としています。
Ms.ガジェット既存の会議室予約システムとの連携やエージェント同士のデータ連携も予定されているとのことで、今後の広がりにも注目したいです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。


拠点戦略から移転改修、日常の座席管理まで、目的に応じて3つのAIエージェントに分かれている点が整理しやすそうです。