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アイビス、オープンソースのオフィススイート「ibisOffice」Linux版をリリース。AppImageとFlatpakの2形式で無料提供

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文書ファイル、表計算シート、スライド資料の3つのアプリケーション画面が横に並んだスクリーンショット。

株式会社アイビスは、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式の文書を閲覧・編集できるオープンソースソフトウェア「ibisOffice」のLinux版をリリースしました。AppImage形式とFlatpak形式の2種類で提供され、GitHubのリリースページから無料でダウンロードできます。

文書ファイル、表計算シート、スライド資料の3つのアプリケーション画面が横に並んだスクリーンショット。
目次

「ibisOffice」Linux版の概要

「ibisOffice」は、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)形式の文書をMicrosoft Officeと同等のレイアウトで表示し、編集や保存ができるオフィススイートです。同社は2026年10月12日にWindows版、macOS版、Web版をリリースしており、今回のLinuxデスクトップ版の追加によって、主要なデスクトップ環境で共通した操作体系と外観を利用できるようになりました。

Linux版は、ウィンドウシステムとしてWaylandおよびX11の両方に対応しています。ソフトウェアはRustで開発されており、Windows版・macOS版・Web版と共通のコードで動作します。画面描画にはGPUを活用し、スクロールや拡大・縮小、シート切り替えなどの操作を滑らかに処理する設計となっています。

Mr.ガジェット

Rustベースの単一コードでWindowsやmacOS、Linux、Webまでクロスプラットフォーム展開し、WaylandとX11の両方を押さえている点が目を引きます。

Ms.ガジェット

Linux環境だとオフィス文書のレイアウト崩れに悩まされやすいので、デスクトップ環境を問わず同じ見た目で扱えるかどうかに注目したいです。

提供形式と導入方法(AppImage版・Flatpak版)

Linux版は、ディストリビューションや環境の管理方針に合わせて選択できるよう、AppImage版とFlatpak版の2形式が用意されています。

形式ファイル名形式特長・対応環境
AppImage版ibisOffice-<バージョン>-Linux.AppImage1ファイルをダウンロードして実行権限を付与(chmod +x)し、ダブルクリックで起動可能。FUSEやインストーラーは不要。glibc 2.31以降のデスクトップLinux(Ubuntu 20.04、Debian 11以降、Fedora、Arch Linuxなど、64bit x86_64)に対応。
Flatpak版ibisOffice-<バージョン>-Linux-<アーキテクチャ>.flatpakアプリを分離環境で導入・管理。外部の共有ライブラリ(.so)は同梱せず、実行ファイルやアイコン、デスクトップエントリ等を収録。x86_64およびaarch64に対応。
ibisOffice Linux版の提供形式一覧

AppImage版は、初回起動時に自身を展開して動作し、システムのアプリアイコン一覧への追加を提案する機能を備えています。一覧へ追加すると、.docx、.xlsx、.pptxファイルの「別のアプリケーションで開く」メニューからも選択可能になります。また、新バージョンがリリースされた際は自動更新に対応し、更新ファイルはSHA-256で検証されてから置き換えられます。

Flatpak版は、アプリケーションID「jp.ne.ibis.ibisOffice」として管理されます。ダウンロードしたファイルは、以下のコマンドを実行することで導入および起動が可能です。

flatpak install –user ibisOffice-<バージョン>-Linux-<arch>.flatpak
flatpak run jp.ne.ibis.ibisOffice

Ms.ガジェット

依存関係のトラブルを避けたいときはAppImageで手軽に試せますし、サンドボックスで管理したい場合はFlatpakが選べる二択は導入しやすそうです。

主な機能と互換性

ibisOfficeは、1つのアプリケーションで文書、表計算、プレゼンテーションの各形式を横断して扱えます。発表資料に記載されている主な機能や対応仕様は以下の通りです。

  • Office形式の編集・保存:Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)の閲覧・編集・保存に対応。
  • マクロ付きファイル:.docm、.xlsm、.pptmを開いて保存可能。マクロ自体は実行せずそのまま保持。
  • 代替フォント表示:Microsoft Officeの書体がインストールされていない環境では、Liberation、Caladea、Carlito、Noto CJKなど同等の字幅を持つフォントで代替表示し、行の折り返しやページ区切りのズレを抑制。
  • コマンドライン連携:–exportオプションによるPNGおよびPDFの書き出しに対応し、サーバー環境でのバッチ変換処理等にも利用可能。
  • 入力・編集サポート:オートコレクト、自動回復、日本語入力(IME)、縦書き、ルビ表示に対応。
Mr.ガジェット

Microsoftの純正フォントがないLinuxデスクトップ環境を想定して、同一字幅の代替フォントで行折り返しを崩れにくくする配慮が入っています。

Ms.ガジェット

さらにCUIからPNGやPDFへの一括変換ができる機能も備えているので、ローカル編集だけでなくサーバーサイドでの帳票処理などにも用途が広がりそうですね。

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処理速度の検証結果

アイビス社によるLinux環境での処理速度ベンチマークでは、ファイルを開いてから最初の画面が完全に表示されるまでの時間(3回計測の中央値)について、LibreOfficeおよびONLYOFFICEとの比較結果が公表されています。

計測環境は、Intel Core i7-10700K、メモリ16GB(GPUなし)、Ubuntu 20.04.6 LTS(GNOME・X11)です。比較対象のソフトウェアバージョンは、ibisOffice 0.8.5、LibreOffice 26.8.2、ONLYOFFICE 10.0.0となっています。

プレゼンテーション、文書、表計算ファイルの表示速度を棒グラフで比較したベンチマーク図版。
ファイル形式・仕様ibisOfficeLibreOfficeONLYOFFICE
プレゼンテーション(.pptx)
31スライド、35.9MB
0.81秒5.02秒(6.2倍)計測できず
文書(.docx)
0.12MB(英文 145〜154ページ)
1.37秒1.57秒(1.1倍)4.11秒(3.0倍)
表計算(.xlsx)
22シート、グラフ29個、数式58.9万個、13.7MB
0.72秒9.31秒(12.9倍)13.38秒(18.5倍)
ファイル表示速度の比較結果(数値が小さいほど高速)

31スライド(35.9MB)のプレゼンテーションファイルにおいて、LibreOfficeが5.02秒を要したのに対し、ibisOfficeは0.81秒で表示を完了しました。また、58.9万個の数式を含む表計算ファイル(13.7MB)では、ibisOfficeが0.72秒で表示し、LibreOffice(9.31秒)の約12.9倍、ONLYOFFICE(13.38秒)の約18.5倍の表示速度を記録しています。

Ms.ガジェット

数式を大量に含んだ13MB超の表計算ファイルが1秒未満で開くという公表値には驚きました。日常的なファイル操作のレスポンスが気になります。

100万行CSVファイルの初回表示速度

大規模データ処理の検証として実施された100万行のCSVファイル(1,048,576行、20列、122MB)を開いた際の表示時間(最初の画面が表示され、閲覧・スクロールが可能になるまでの時間)についても計測データが示されています。

100万行CSVファイルの初回表示速度を棒グラフで比較したベンチマーク図版。
対象ファイルibisOfficeLibreOfficeONLYOFFICE
CSV(.csv)
1,048,576行、20列、122MB
0.72秒17.29秒(24.0倍)91.2秒(推定126.5倍)※
100万行CSVファイルの初回表示速度比較

この計測において、ibisOfficeは0.72秒で最初の画面を表示し、スクロール可能な状態となりました。LibreOfficeの17.29秒と比較して約24.0倍の速さとなっています。なお、ONLYOFFICEは100万行および30万行のデータでメモリ不足エラーとなったため、10万行の読み込み時間(9.12秒)を基にした10倍の推定値(91.2秒)が記載されています。

Mr.ガジェット

100万行規模の巨大CSVでも起動から表示まで0.72秒と発表されており、他のオフィススイートが開けなかったり時間がかかったりする領域で速度差が出ています。

Ms.ガジェット

ログ解析や大量データ集約の確認用ビューアとしても即座にスクロールできるなら、普段の作業効率が大きく変わりそうです。

製品仕様と提供環境

ibisOfficeの最新バージョンおよび対応形式などの仕様概要は以下の通りです。

項目仕様内容
製品名ibisOffice(アイビスオフィス)
最新バージョン0.8.5
ライセンスAGPL-3.0と商用ライセンスのデュアルライセンス
UI対応言語日本語 / 英語
対応ファイル形式閲覧・編集・保存:Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PowerPoint(.pptx)、csv、tsv
閲覧・保存(マクロ非実行):docm、xlsm、pptm
簡易対応:xls、ppt、odt、ott、ods、ots、odp、otp
今後対応予定:doc
Linux版 動作環境AppImage版:64bit x86_64、glibc 2.31以降
Flatpak版:x86_64、aarch64
その他プラットフォームWindows 11以降(64bit Intelおよび互換CPU)
macOS 11以降(Apple Silicon)
Web版(WebGPU対応ブラウザ)
ibisOffice 製品仕様概要

今後の展開として、同社が提供するクラウドストレージ「ibisStorage」のオンライン上で、Word・Excel・PowerPoint各ファイルのプレビューと編集を可能にする計画が公表されています。

Ms.ガジェット

マクロ自体は実行しないものの保持したまま保存できる仕様や、AGPLと商用デュアルライセンスという提供形態の使い分けが気になるところです。

公開リンクと参考情報

ibisOffice Linux版のバイナリやソースコードはGitHubで公開されているほか、Webブラウザ上で動作を確認できるPlayground環境も提供されています。また、YouTubeにて製品の紹介動画が公開されています。

Ms.ガジェット

WebGPU対応ブラウザならインストール前にPlaygroundで動作感を試せる点も親切だと感じました。

  • 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。
文書ファイル、表計算シート、スライド資料の3つのアプリケーション画面が横に並んだスクリーンショット。

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