GMOプライム・ストラテジー株式会社は、日本取引所グループの公表データに基づく上場企業3,903社の計34,039サイトを対象とした「日本上場企業Webサイト技術調査 第2回」の結果を発表しました。2026年7月17日に公開されたWordPressの重大なセキュリティ更新から約1か月が経過した調査時点でも、確認対象となった5,831サイトのうち5.7%(332サイト)で外部から確認できるバージョンが修正版より前であったことが明らかになっています。

「日本上場企業Webサイト技術調査 第2回」の調査概要
今回の調査は、企業のWeb管理がセキュリティ更新や基盤ソフト、AIへの対応といった環境変化に追随できているかを検証する目的で実施されました。2026年4月に実施された第1回調査では、Webサイトが公式サイト以外にも分散している実態が明らかになりましたが、第2回調査では対象を34,039サイトへ拡大し、4か月間での変化を追跡しています。
| 項目 | 調査内容・条件 |
|---|---|
| 調査主体 | GMOプライム・ストラテジー株式会社 |
| 調査期間 | 2026年8月16日(日)〜2026年8月17日(月) |
| 調査対象 | 日本取引所グループの公表データに基づく上場企業3,903社の公式サイト・関連サイト |
| 分析対象数 | 34,039サイト(公式サイト3,899、関連サイト30,140) |
| 計測方法 | HTTP(S)応答情報およびHTMLコンテンツの自動解析(第1回との比較は両回でURLが一致するサイトを指標ごとに集計) |
| 注記 | 対象企業数は証券コード単位で集計。公式サイト数は複数証券コードで重複するURLを除外。関連サイトは商品・サービス、ブランド、採用、グループ会社など企業との関係が確認できたサイト |
Ms.ガジェット34,039サイトのうち関連サイトが30,140件と大半を占めており、ブランドや採用向けサイトを広く含めた計測手法となっています。
WordPressのセキュリティ更新状況とバージョン系統別の未更新率
全分析対象34,039サイトのうち、WordPressの利用が確認されたのは34.1%にあたる11,610サイトでした。そのうちWebページ等からバージョンを外部特定できた8,531サイトから、2026年7月17日に修正版が公開された7.0系、6.9系、6.8系の計5,831サイトを抽出して更新状況を検証しています。

重大更新の公開から約1か月後となる調査時点において、対象5,831サイトの5.7%(332サイト)が修正版より前のバージョンで稼働していました。系統別では、7.0系が1.1%(48/4,360サイト)、6.9系が13.7%(115/838サイト)、6.8系では26.7%(169/633サイト)に達しており、古い系統ほど未更新の割合が高い傾向を示しています。さらに、WordPressでは2026年8月6日と12日にもセキュリティ更新が行われ、4週間で計3回の更新が公開される過密なスケジュールとなっていました。
Ms.ガジェット最新の7.0系では未更新が1.1%にとどまる一方、6.8系では26.7%と過去バージョンの保守遅延が目立ちます。
AIクローラーへの対応方針と参照情報の提示状況
第2回調査では、生成AIなどのクローラーに対するアクセス制御と情報提供の状況についても新たに調査が行われました。クローラー全般に対してアクセス方針を伝達する「robots.txt」と、AI向けに参照してほしい情報を案内する「llms.txt」の導入状況を集計しています。
- robots.txtによるAI学習・データ利用の拒否明示:697サイト(全体の2.05%)
- 最低限の形式を満たすllms.txtの配置確認:1,294サイト(全体の3.80%)
同社は、AIからの無断収集を制限する方針の明確化と、積極的に参照させたい情報の提示を分けて整理したうえで、実装した手段が意図どおりに機能しているかを定期的に確認する必要があると言及しています。
Ms.ガジェットAIクローラー拒否の明示は2.05%、案内用のllms.txtは3.80%にとどまり、方針を明示しているサイトは依然として少数派です。
4か月間におけるWebサイト設定と基盤ソフトウェアの変化
第1回と第2回でURLが一致した24,391サイトを対象に4か月間の変化を比較したところ、変更内容によって対応状況に差が生じている実態が浮き彫りとなりました。外部から変更しやすい管理画面の設定やブラウザセキュリティは改善が進んだ一方、動作検証を伴う基盤ソフトウェアは据え置かれる傾向がみられます。
- WordPressログイン画面の外部露出:両回でWordPressを確認した8,165サイトにおいて、外部から確認できる割合が38.5%から31.5%へ低下
- ブラウザ保護設定:両回ともページを取得できた22,650サイトで、ブラウザーを安全に動かすための主要な設定の確認率がすべて上昇
- PHPのサポート期限:両回ともバージョンを確認できた2,195サイトのうち、66.7%にあたる1,465サイトでサポート終了済みのバージョンが継続利用
Ms.ガジェットログイン画面の露出抑止が進んだのに対し、PHPの保守終了版継続利用が66.7%に達している点は、基盤移行の難航を示唆しています。
リンク消失後も99.5%が存続する企業関連Web資産の実態
調査結果によると、上場企業1社あたりにひも付くWeb資産は中央値で6サイト存在しており、管理対象が公式サイト外のブランドや採用サイトへ広がっています。第1回調査で確認された企業とサイトの組み合わせのうち、1,117件は第2回調査時点で企業サイトからのリンク導線が再確認できなくなっていました。
導線が消失した1,117件の追跡調査を行ったところ、889件は同一URLのまま公開が継続され、222件は転送先で公開ページが確認されました。合計1,111件(99.5%)のサイトが依然として公開状態を維持しており、リンクを外しただけではサイトそのものが終了したことにはならない現状が示されています。
Ms.ガジェットリンクが消去された対象の99.5%がインターネット上に残存しており、サイト閉鎖とリンク削除の乖離が浮き彫りになりました。
調査レポートの公開情報と引用条件
本調査の詳細データおよび分析結果は、GMOプライム・ストラテジーが公開する専用Webページにて閲覧が可能です。報道や記事等で調査結果を引用する際は、「出所:GMOプライム・ストラテジー株式会社調べ」の明記が求められています。
Ms.ガジェット詳細レポートでは公式サイトと関連サイト900件の役割分析なども公開されており、全体のデータ傾向を深掘りして確認できます。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。
