株式会社ギブリーは、AI時代に求められるソフトスキルやマインドセットを体系化した「ソフトスキル・マインドセット標準 2026」を公開し、同標準に準拠したAI面接型スキルアセスメントの提供を開始しました。
策定の背景とソフトスキルの課題
世界経済フォーラム(WEF)の報告書「Future of Jobs Report 2025」によると、2030年までに労働者に求められるスキルの約4割(39%)が変化すると予測されています。同報告では雇用主が重視するコアスキルとして「分析的思考」が首位となり、「レジリエンス・柔軟性・敏捷性」「リーダーシップと社会的影響力」「創造的思考」「動機づけと自己認識」が続いています。
生成AIの普及により定型作業や知識の記憶をAIが代替する一方、人間にはAI出力の検証、問いの再定義、AIや周囲と連携した価値創出、継続的な学習姿勢が求められる状況が生じています。国内でも経済産業省とIPAによる「デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0」(2026年4月改訂)において、全ビジネスパーソン向けの基礎として「マインド・スタンス」が位置づけられました。しかし従来のソフトスキル評価は、履歴書での把握の難しさや面接官によるばらつき、自己申告型検査での行動裏付け不足といった課題を抱えており、客観的な共通基準が求められていました。
Mr.ガジェットスキルの約4割が変わるとされるなかで、知識の暗記よりもAIの出力を批判的に検証する姿勢が重視されている点は納得感があります。
Ms.ガジェット面接官ごとの感覚で判断されがちだったソフトスキルを、客観的な基準で測ろうとする試みは興味深いですね。
「ソフトスキル・マインドセット標準 2026」の10カテゴリー
「ソフトスキル・マインドセット標準 2026」は、全ビジネスパーソンを対象に10のスキルカテゴリーと30の評価項目を定義し、各カテゴリーを5段階で評価する構成をとっています。

| No. | スキルカテゴリー | 概要 | 対応するWEFスキル |
|---|---|---|---|
| 1 | 適応力(Adaptability & Resilience) | 新しい手法やツールを受け入れて役割・スキルを自ら更新し、不確実な状況でも成果に向けて行動し続ける | Resilience/ flexibility and agility |
| 2 | 協働・影響力(Collaboration & Influence) | 立場や専門性の異なる人、さらにAIとも役割を分担し、周囲を巻き込んで合意と協力を引き出す | Leadership and social influence |
| 3 | 顧客志向(Customer Focus) | 顧客・利用者の課題や感情に耳を傾け、体験と信頼を起点に価値を設計し、要望に誠実に応える | Empathy and active listening/Service orientation and customer service |
| 4 | 創造性(Creativity & Innovation) | 前提を疑って解くべき問いを定義し直し、AIも活用しながら多様な選択肢と新しい価値を生み出す | Creative thinking |
| 5 | 学習志向(Learning Agility) | 小さく試して失敗から学び、好奇心を持って学習を続ける | Curiosity and lifelong learning |
| 6 | 意思決定力(Decision Making & Judgment) | 全体最適の観点に立ち、不確実な状況やAIの提案を踏まえて自ら判断し、その責任を負う | Systems thinking |
| 7 | 分析的思考(Analytical Thinking) | データや一次情報に基づいて主張し、情報やAI出力の信頼性を検証したうえで判断する | Analytical thinking |
| 8 | 主体性・責任感(Accountability & Initiative) | 自己理解をもとに自ら動いて約束を確実に果たし、AIに委ねた作業も含めて最終品質に責任を持つ | Motivation and self-awareness/Dependability and attention to detail |
| 9 | 人材育成(Developing Others) | 知見を共有し、問いかけとフィードバックで他者の成長を促し、メンバーの強みを活かす | Teaching and mentoring/Talent management |
| 10 | 誠実性・倫理観(Integrity & Ethics) | 多様性を尊重し、法令・倫理・公正さを優先して、社会・環境への影響に配慮しながら行動する | Environmental stewardship/Global citizenship |
本標準とAI面接アセスメントの主な特長
本標準には以下の主要な4つの特長が備わっています。
- AI時代の観点を全項目に組み込み:AIへの委任と監督、AI出力の批判的検証、問いの再定義、人とAIのチーム分担といった観点を定義。操作や知識などのリテラシーとは区別し、ソフトスキルとしての姿勢や行動に限定。
- 国内標準(デジタルスキル標準 ver.2.0)を継承:DXリテラシー標準のマインド・スタンス7項目(変化への適応、コラボレーション、顧客・ユーザーへの共感、常識にとらわれない発想、反復的なアプローチ、柔軟な意思決定、事実に基づく判断)を名称ごと継承してAI時代向けに拡張。
- 海外標準(WEF Global Skills Taxonomy)に対応:ソフトスキルに該当する14スキルを10カテゴリーへ漏れなく対応付け。国内標準に対応のない「自律と責任感」「人材の育成・活用」「社会・多様性への責任」の3カテゴリーを新設。
- AI面接によるアセスメントで客観的に可視化・自動採点:受検者に対してカテゴリーごとに行動エピソードを質問し、状況や自己判断、影響範囲を追問。具体性と再現性を30項目に照らして判定し、カテゴリー別に5段階で自動採点。
AI面接型アセスメントでは、面接官の主観に依存せず均一な基準で受検者を評価し、結果をレポートとして可視化します。


Mr.ガジェット国内のデジタルスキル標準ver.2.0と海外のWEF標準の両方に紐付けられているため、既存の研修体系とも整合させやすそうです。
Ms.ガジェットAI面接が追問を行って行動の具体性や再現性を確認する採点プロセスが、どこまで掘り下げられるのか気になります。
想定される4つの活用シーン
ギブリーは、本標準とアセスメントの具体的な利用場面として以下の領域を挙げています。
- 人材採用:選考の初期段階で候補者のソフトスキルを10カテゴリーのプロファイルとして可視化し、新卒・中途を問わず人物像の適合を定量判断。
- 次世代人材の発掘・サクセッションプランニング:既存社員のアセスメントにより、経歴や役職に表れにくい次世代リーダー候補を客観的に選定。
- 人的資本情報の可視化:組織全体のソフトスキル分布を把握し、国内外標準に基づいた社外への情報開示や経営層への報告データとして活用。
- 評価・人材配置:行動評価の根拠やプロジェクト配置の判断材料として活用。スキルインテリジェンスプラットフォーム「Track」の技術・AI活用スキルアセスメントと組み合わせ、ハードスキルとソフトスキルの両面から把握可能。
Ms.ガジェット採用選考だけでなく、既存社員の配置や人的資本情報の開示まで同じ指標で扱えるのは活用の幅が広そうだと感じます。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

AIに任せる作業も含めて最終品質に責任を持つなど、現代の仕事環境に即した行動が定義されている点に注目しています。