AIワークスペース「Genspark」は、組織内の知識や業務ノウハウを整理し、AIエージェントが共通の文脈として参照できるナレッジ基盤「TeamBrain」の提供を開始しました。エンタープライズプラン向けに展開されるとともに、KDDI Biz Edgeとの戦略的パートナーシップを通じて、全国の中堅・中小企業へ向けた導入・定着支援を進めます。
組織向けナレッジ基盤「TeamBrain」の概要
「TeamBrain」は、組織内に散らばる業務資料やノウハウをAIが自動で整理し、人間とAIエージェントの双方が参照しやすい形で蓄積するナレッジ基盤です。メールやチャットツール、各種SaaSなどの外部ツールをGensparkと連携させることで、日々の業務を遂行する過程で更新される会社のコンテキストをAIが継続的に取り込みます。

従来の生成AI活用では個人の調査や資料作成が効率化される一方で、組織内で文脈や情報を引き継いだり探したりする負担が残りやすい課題がありました。TeamBrainは事前のデータ整理期間を必要とせず、AIが自動で整理・構造化を行うため、導入前の手作業を削減して日常業務の文脈を蓄積できる仕組みとしています。
Mr.ガジェット日々のメールやチャットを連携させるだけで、事前準備に長時間をかけずナレッジ基盤が自動更新される設計が明記されています。
Ms.ガジェットデータの事前整理に数カ月かかるケースもあったようなので、普段の作業から文脈を取り込んでくれるのは現場の負担が少なそうです。
TeamBrainが備える4つの特徴
TeamBrainの主な特徴として、公表資料では以下の4点が挙げられています。

- 通常業務の中で蓄積: Gensparkと連携させることで、社内の複数箇所に分かれていた資料、メール、議事録、ノウハウを組織のコンテキストとして蓄積
- 自動整理(コンパイル): 人による事前タグ付けや分類が不要で、AIが内容を読み取って分類方法を提案。別の切り口への再構造化も指示のみで更新可能
- 情報の取り出しやすさ: 構造化された知識を検索だけでなく資料作成、監査、マニュアル、シミュレーションなどの業務にそのまま活用可能
- エンジニア不要で更新: 専門知識を必要としないノーコード設計で運用可能
業種や部門における主な活用イメージ
発表資料では、業界や部門に応じた具体的なユースケースとして以下の例が示されています。
- 人材派遣: 派遣スタッフの職歴や面接評価、工場情報などの大量データを蓄積し、スタッフと工場のマッチングや定着しやすい組み合わせの分析に活用
- 営業: 顧客ごとの商談履歴、メール、議事録、過去のプロモーション履歴をアカウント単位で参照し、担当者異動後も組織として顧客情報を引き継ぎ
- 監査・管理部門: 監査ノウハウや業務ルールを蓄積し、新人教育や根拠資料と申告内容の整合性確認に活用
- 業界団体・研究会: 会員が作成・共有した資料や知見を組織の知識として蓄積し、会員向けサービスの品質向上に活用
Mr.ガジェット人材派遣のマッチング分析や営業のアカウント引き継ぎなど、属人化しやすい部門ごとの活用像が挙げられています。
Ms.ガジェット担当者が異動した際にも過去の商談履歴や議事録がアカウント単位で参照できる仕組みは、引き継ぎ作業の抜け漏れ防止に役立ちそうです。
KDDI Biz Edgeとの戦略的パートナーシップ
TeamBrainの提供開始と同時に、GensparkはKDDIグループで法人ソリューションを展開するKDDI Biz Edge株式会社との戦略的パートナーシップ締結を発表しました。全国に顧客基盤を持つKDDI Biz Edgeが、中堅・中小企業に向けた販売および導入・定着支援を担当します。

両社は、PC作業にとどまらず現場や客先、移動時間などにおいてスマートフォンなどのモバイル端末上で仕事が完結する「Mobile Work AI」の実現を目指します。移動中や現場から日報、見積もり、報告書などの作成・共有をAIエージェントに指示してその場で完結させる働き方を提案する方針です。また、営業、建設、不動産、店舗、介護、物流、人材などの業界・業種別ソリューションの共同開発も進められます。
Ms.ガジェットデスクワークだけでなく、建設や介護といった現場の移動中にスマートフォンから報告書作成まで完結させる働き方の提案に注目しています。
提供形態と製品構成
TeamBrainはエンタープライズプランの利用者向けに提供されます。Gensparkは2026年7月21日に発表された「AIワークスペース6.0」において、個人の文脈を記憶するSecondBrain、構造化データを扱うAgentBase、人とAIエージェントが協働するGenTeamを統合しており、今回のTeamBrainが組織全体のコンテキストレイヤーを担う構成となっています。
Ms.ガジェット個人のSecondBrainと組織のTeamBrainが組み合わさることで、社内のデータ参照がどのように切り分けられるのか気になります。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

専門知識が必要なプログラミングを行わずに、AIへの指示だけで分類の切り口を柔軟に変更できる点は扱いやすそうに感じます。