ELSOUL LABO B.V.とValidators DAOが運営するERPCは、Solanaの低遅延データストリーム「Shreds UDP Forwarding Premium」を世界7地域で提供開始しました。各リージョンに構築したプレミアムShredsメッシュから、地域内で最も早く取得できた生のShredを指定の受信先へUDP配信します。時間課金は1時間あたり1.39ユーロです。

「Shreds UDP Forwarding Premium」の概要とデータメッシュ配信
先行して提供されていたStandardプランが単一ノードからSolanaの生のShredを配信するのに対し、新プランのPremiumは各リージョンのデータメッシュ内で複数ノードからShredを取得します。同じShredについてメッシュが最も早く取得したデータを受信先へ届けることで、単一ノード配信と比べて早い受信率を高める設計としています。
ブロックデータの断片であるShredは、復元に必要な断片が揃えばブロック全体の到着を待たずにエントリを組み立て、トランザクションの読み取りを開始できます。オンチェーンの市場を監視するアプリケーションに向け、受信機に必要なデータが揃って命令を識別できる時刻の短縮を目的としています。
Mr.ガジェットStandardプランが単一ノードからの受信であるのに対し、Premiumプランはリージョン内の複数ノードからなるメッシュから最速で届いたデータを送信先に転送する構成です。
Ms.ガジェットネットワーク内で一番早く届いたパケットを採用する仕組みなんですね。わずかな遅延も削りたいトレーディング用途などで注目されそうです。
フランクフルトでの比較検証と「p10」を含む到着時刻差
ERPCは2026年10月30日にフランクフルトの受信機において、StandardとPremiumの2系統を同一マシン上の異なるUDPポートで120秒間並行受信し、パケットキャプチャで到着時刻を比較しました。内容が一致するペイロードのうち、同測定時間内にPremiumでも観測できた割合は93.9%で、両方に届いたデータの98%でPremiumが先着したと発表しています。

両経路に届いたデータにおける初着時刻の差(StandardからPremiumを引いた値)の分布測定値は次の通りです。
- p10(10パーセンタイル):0.94 ms
- p50(中央値):1.78 ms
- p90(90パーセンタイル):2.68 ms
- p99(99パーセンタイル):3.89 ms
今回の測定環境では多くの場合において1ミリ秒から3ミリ秒程度Premiumが早く届いたものの、アプリケーション側の検出時刻の差は、断片が揃うタイミングやデコード処理、キューイングの処理時間にも影響を受けるとしています。
Mr.ガジェットフランクフルトでの実測では両方に届いたデータの98%でPremiumが先着し、到着差の中央値は1.78ms、10パーセンタイルにあたるp10でも0.94msの差が観測されています。
Ms.ガジェット中央値で約1.78ミリ秒の短縮というのはネットワークレベルでは確実な差ですね。実際のアプリ側でどう処理時間が変わるかも気になります。
受信環境での検証方法とネットワーク状況
ERPCは、利用者が自社環境で性能を比較する手順として、1台のホストにある別々のUDPポートで2経路を同時受信し、同一ペイロードの初回到着時刻や先着率、片方のみに届いた件数を記録する方法を挙げています。さらに、トランザクション署名や命令位置が一致する処理についてアプリケーションが検出結果を出力した時刻まで記録することで、実際のサービス上での時間差を確認できると案内しています。
なお、Solanaメインネットでは2026年10月21日に投票プロトコルVotorが稼働しました。ブロックデータの伝搬には引き続きTurbineが用いられており、後継プロトコルであるRotorは今後導入予定とされています。今回の計測値は、コンセンサス確定通知前のデータ到着時点を対象としたものです。
対応リージョン・料金体系・利用開始手順
提供地域は、アムステルダム、ダブリン、フランクフルト、ロンドン、ニューヨーク、東京、シンガポールの世界7地域です。1契約につき選択したリージョンから1組のIPv4アドレスとUDPポート宛てへストリームを配信します。

| 課金方式 | 利用料金(2026年11月2日時点) |
|---|---|
| 時間課金 | 1時間あたり €1.39 |
| 月額 | €798 |
| 年額 | €6,703.20 |
利用にあたっては、ERPCダッシュボードのShreds画面にある「Shreds UDP Forwarding」からプレミアムと課金方式を選択し、受信先を登録します。登録後に画面に表示されるすべての送信元IPアドレスから指定ポートへのUDP受信を許可し、受信機へのパケット到達を確認した上で計測を開始する流れとなります。
Mr.ガジェット東京を含む世界7地域に対応しており、月額や年額契約に加えて1時間単位の従量課金も用意されているため、本番環境の経路で短時間の検証を行いやすい料金体系です。
Ms.ガジェット1時間あたり1.39ユーロから試せるのであれば、自社サーバーとの通信環境に合わせて気軽に計測テストを実施できますね。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

パケット自体の到着時刻だけでなく、自前のプログラムでデコードや命令抽出まで行った時刻を測って比較する手順が案内されているのは分かりやすいです。