伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、電力会社が導入する通信ネットワークの事前検証環境を名古屋オフィス内に開設すると発表しました。シスコシステムズ合同会社の機器を活用し、2026年度中の開設に向けて整備を進めます。
電力ネットワークの検証環境を開設する背景
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、太陽光発電設備や蓄電池が一般家庭や工場などへ普及しています。発電拠点の増加や分散化が進むことで、発電設備や変電所を結ぶ電力ネットワーク全体の構成は複雑化しています。
また、高度成長期に整備された送配電設備が更新時期を迎えており、新たな機器やシステムへの段階的な移行が求められています。電力設備の制御、保護、監視に必要な通信の安定性を維持しながら新システムへ移行するためには、実際の利用環境に近い構成での事前評価が不可欠であると説明されています。
Mr.ガジェット再生可能エネルギーの普及による電源の分散化と送配電設備の更新時期が重なり、通信の事前検証需要が高まっています。
Ms.ガジェット設備の更新と新しい仕組みの導入が同時に進むなかで、実際の通信が安定して動くか事前に試せる場は大切ですね。
名古屋オフィスの検証環境と対象範囲
本環境では、電力会社の広域ネットワークと変電所内のネットワークを一つの環境で評価できます。検証範囲は「拠点間」と「変電所内」に分けられており、導入予定の構成に合わせて接続性や通信性能の確認を行います。

拠点間の広域ネットワーク検証
拠点間の検証では、複数の発電所、変電所、制御拠点などを結ぶ広域ネットワークを想定しています。通信経路や接続性のほか、障害が発生した際の動作を確認可能です。さらに、通信経路を指定する「Segment Routing(セグメントルーティング)」による経路制御の検証も実施します。
Mr.ガジェットSegment Routingによる経路制御や、障害発生時の迂回路動作を実機環境でテストできる点が特徴です。
Ms.ガジェット障害発生時の動作まで実機でしっかり確認できる設計になっている点に注目したいです。
変電所内のデジタル化とIEC 61850対応検証
変電所内を想定した検証では、機器間で交換する情報や通信方法を定めた国際標準規格「IEC 61850」に対応するネットワーク機器を使用します。加えて、複数設備の時刻を高精度に同期させる通信方式「PTP」に対応した装置を備えます。
これにより、利用企業が持ち込む異なるメーカーの機器やシステム間の連携、時刻同期、伝送時の通信性能、ネットワークの運用監視などを包括的に検証できるとしています。
Mr.ガジェット国際標準のIEC 61850や高精度時刻同期PTPに対応し、他社製機器を持ち込んでの相互接続性を評価できます。
Ms.ガジェットメーカーが異なる機器同士でも連携や時刻同期がきちんと取れるか試せるのは、現場にとっても助かりそうです。
CTCとシスコの役割分担と今後の展開
本取り組みにおいて、CTCは環境の設計、構築、設定、検証支援を担い、シスコはネットワーク機器を提供します。検証に必要な通信環境をCTCがあらかじめ準備するため、利用企業は接続試験や性能確認に専念できます。
CTCは今後、この検証環境を電力ネットワーク分野の技術検証および人材育成の拠点として運用する予定です。得られた知見をシステム設計・構築や導入後の技術支援に反映し、電力設備のデジタル化と安定運用の支援につなげていく方針を示しています。
Ms.ガジェット技術検証だけでなく、インフラを支える人材育成の拠点としても活用されていく今後の動きに期待しています。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

広域網と変電所内の両方をひとつの拠点で確認できる構成になっているのですね。