株式会社Co-Labo AIは、製造業向けに図面・設計チェック業務をAIで効率化するソリューションにおいて、チェック項目を分解して段階的に自動化を進めるAI活用モデルを公開しました。目視中心の検図作業に対し、AIで判定可能な領域を見極めて適用し、担当者の修正結果をフィードバックして精度を高める運用を提案しています。
製造業における検図業務の課題と提供の背景
製造業ではCADによるデジタル作図が定着している一方、作成後の図面が設計基準や仕様に適合しているかを確認する工程では、現在も設計担当者や検図担当者による目視チェックが多く行われています。寸法や公差、記載漏れ、図面内の整合性など多岐にわたる確認観点が存在し、反復作業による見落としや、担当者の経験に依存した基準解釈のばらつきが課題となっていました。また、明確なルールに基づく確認から高度な専門知識を要する判断まで混在するため、AIへ委ねる範囲の切り分けが求められていました。
Mr.ガジェット図面作成がデジタル化されていても、基準適合の確認段階では担当者の目視や個人的な経験に頼る比重が依然として大きい実態が整理されています。
Ms.ガジェット確認項目が多くて見落としが起きやすい作業だからこそ、どこまでを機械に任せられるのかの切り分けが気になります。
チェック項目を3段階に分類するAI判定モデル
Co-Labo AIのソリューションでは、図面チェック業務全体を一括で自動化するのではなく、項目単位に分解して必要なデータや判定条件に応じた3つの分類を行います。
- A:自動化可能(寸法の記載漏れや注記の有無など、明確なルールで判定できる項目。AIやプログラムで自動チェックを実施)
- B:条件付きで自動化可能(設計基準との適合性など、データ整備や判定条件の明確化が必要な項目。検証を通じて適用を判断)
- C:人による判断が必要(設計意図の妥当性や複雑な構造の評価など、専門的な解釈を要する項目。人の確認を継続)
分類結果は実現可能性と技術的課題を整理したレポートとして提示され、まずはAの項目から自動化に着手し、Bの項目は検証を重ねて段階的に適用範囲を拡大していく方針をとります。
業務フローとデータ設計から進める導入ステップ
導入プロセスでは、企業が現在使用している図面、チェックリスト、設計基準をもとに項目の整理とAI化の可否を仕分けます。そのうえで、検図の目的や業務背景をヒアリングし、判定に必要な図面データ、設計基準、過去の指摘情報などのデータを定義します。CADデータ、PDF、スキャン画像といった形式や品質の違いに応じた判定方法を設計し、精度検証を経てAIアプリケーションとして実装します。
運用面では、最終的な判断や承認を人が行うことを前提とし、AIを一次チェック支援ツールとして位置付けています。担当者による確認・修正の結果をAIの判定へ反映することで、継続的な精度向上と自動化範囲の再評価を図る設計です。
Mr.ガジェットモデルの性能だけでなく、図面がCADやPDF、スキャン画像などの形式ごとに持っている情報量を踏まえてデータから設計する進め方となっています。
Ms.ガジェット担当者が修正した内容をフィードバックして次回以降の判定に活かす運用がうまく回るかどうかに注目したいです。
モデルケースによる工数削減の試算
Co-Labo AIが公表した試算モデルケースでは、月600件の図面を確認し、従来の目視による一次チェックに1件あたり60分を要していたケースを想定しています。定型確認をAIで自動化し、作業をAI判定結果の確認と専門的な判断に絞ることで1件あたり12分に短縮できた場合、一次チェック工数を80%削減できるとしています。月間工数は600時間から120時間へと月480時間短縮され、年間で約5,760時間の削減余地がある計算です。なお、実際の効果は図面形式や品質、チェック項目、運用方法により変動すると同社は説明しています。

Ms.ガジェット月600件で1件あたり12分へ短縮という試算はわかりやすい目安ですが、自社の図面の品質や基準の整理状況によってどこまで近づけるか気になるところです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

すべてを一気に全自動にするのではなく、明確なルールで判定できる項目と人による判断が必要な項目を分けて段階的に進める方針は分かりやすいです。