bestat株式会社は2026年11月4日、3Dデータ活用プラットフォーム「3D.Core」において、3Dスキャンデータからサーフェスモデルを自動生成してSTEP形式(サーフェスモデル)で出力する「自動サーフェス化機能」を提供開始しました。本機能は「3D.Core」の全プランを対象としています。
スキャンデータ活用の課題と自動サーフェス化の概要
製造現場では、生産ラインの組み換えや設備更新に伴い、工場や設備を3Dスキャンして配置や搬入経路をデジタル上で事前検討する取り組みが進んでいます。しかし、取得した点群やSTLなどのメッシュ形式データは、多くのCADソフトやシミュレーションソフトで読み込めないか、読み込めても動作が重くなる課題がありました。さらに、STEP形式への変換には専用ソフトの導入や専門知識を要する手作業(前処理や面貼り作業)が必要で、処理完了までに数日から数週間かかるケースも存在していました。
今回提供された自動サーフェス化機能では、点群形式やメッシュ形式のデータ(画像や動画などから「3D.Core」で生成した3Dデータを含む)を入力とし、CADで扱えるサーフェスモデルを自動で生成してSTEP形式データとして出力します。これにより、外部ソフトの追加購入や外注作業、専門担当者による手作業を待つことなく、現場担当者がスムーズに検討業務へ移行できるようになります。

Mr.ガジェット3Dスキャンで得られる点群やメッシュは点や面の集まりであり、そのままでは一般的なCADソフトで読み込めなかったり負荷が高くなったりしますが、STEP形式のサーフェスモデルに自動変換することで既存CAD上で直接扱えるようになります。
Ms.ガジェット数日から数週間かかっていた変換作業が自動化されると、現場のレイアウト確認などがぐっと早くなりそうですね。
「自動サーフェス化機能」の仕様と対応データ
自動サーフェス化機能の主要な仕様は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能名 | 自動サーフェス化機能 |
| 提供開始日 | 2026年11月4日 |
| 入力データ | 点群形式・メッシュ形式のデータ(※画像や動画等から3D.Coreで生成した3Dデータも含む) |
| 出力形式 | STEP形式(サーフェスモデル) |
| 対象プラン | 全プラン |
生産ライン更新における利用シーン
既存の設計図面がない現場においてライン更新を実施する際、「3D.Core」のiPhoneアプリ等で周辺設備や通路を撮影し、プラットフォーム上でSTEPデータへ変換することで、普段利用しているCADソフト上で新規設備のCADデータと並べて検討できます。具体的には以下の検証作業に活用可能です。
- 干渉確認:既存設備や建屋の柱との接触がないかを確認
- 付帯物のチェック:配管やケーブルなど、設計図面に描かれていない付属物との干渉確認
- 作業性・保全性の確保:オペレーターの動線やメンテナンススペースの確保状況の検証
- 搬入ルート計画:搬入口から設置場所までの開口部や通路幅のクリア確認
- 工事計画の最適化:既存設備の撤去手順や据付ステップを3D上でシミュレーション
Mr.ガジェット古い工場など図面が残っていない環境でも、iPhone等で撮影したデータからSTEPデータを生成し、新規設備のCADデータと重ねて配管干渉や通路幅の事前検証が行えます。
Ms.ガジェット図面には載っていない配管やケーブルの干渉まで、設置前にPC上で確認できるのは実用的ですね。
「3D.Core」の概要と今後の展開
「3D.Core」は、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップであるbestatが開発する産業向け3Dデータ活用プラットフォームです。画像、動画、点群、360度動画などの多様なデータを3D化し、取得・生成・処理・活用を一貫して支援します。製造業やインフラ分野を中心に、デジタルツイン構築、生産技術、設備保全・点検、レイアウト検討などの用途で導入されています。
bestatは本機能の提供を通じて、工場設備のレイアウト変更や搬入・撤去検討の効率化を推進するとともに、将来的なフィジカルAIの導入に向けた環境構築を進めるとしています。
Ms.ガジェット現場のデータをスムーズにデジタル化する技術が、今後のフィジカルAI活用にもどうつながっていくのか注目したいです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

プランの制限なく全プランで提供される点は、導入済みのユーザーにとって利用しやすいポイントですね。