株式会社アクセルスペースは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金第三期の技術開発テーマ「宇宙実証機会の拡大に資する衛星を活用した軌道上実証の低コスト・高頻度化技術の開発実証」において、提案した技術開発課題が採択されたと発表しました。

採択された宇宙戦略基金事業の概要
今回採択された事業では、株式会社アクセルスペースが代表機関を務め、学校法人学習院 学習院大学が連携機関として参画します。技術開発課題名は「顧客コンポーネントの商業化を牽引する革新的軌道上実証基盤の構築」とされています。研究代表者はアクセルスペース宇宙機技術本部本部長の倉田稔氏です。
本事業の体制および開発課題の詳細は以下のとおりです。
- 技術開発テーマ名:宇宙実証機会の拡大に資する衛星を活用した軌道上実証の低コスト・高頻度化技術の開発実証
- 技術開発課題名:顧客コンポーネントの商業化を牽引する革新的軌道上実証基盤の構築
- 代表機関:株式会社アクセルスペース(研究代表者:宇宙機技術本部 本部長 倉田 稔)
- 連携機関:学校法人学習院 学習院大学
Mr.ガジェットJAXAの宇宙戦略基金事業において、アクセルスペースが代表機関となり学習院大学と連携する体制が明記されています。
Ms.ガジェット民間企業による技術開発だけでなく、大学組織と組んだ枠組みで採択されている点が目を引きます。
技術開発の背景と目的
世界的な小型衛星需要の拡大に伴い、小型衛星向けコンポーネント(部品)の開発が進み、スタートアップや自動車・精密機器メーカーなど異業種からの参入が続いています。一方で、衛星メーカーが部品を採用する際には宇宙環境での動作実績である「フライトヘリテージ」が重視される傾向にあります。
国内においては打ち上げ機会の少なさ、準備期間の長期化、高額な費用負担といった制約が存在し、開発した技術を適時に市場へ届ける上での障壁となっていました。アクセルスペースは、小型実証衛星「RAPIS-1」の開発・運用や、2024年に開始した軌道上実証サービス「AxelLiner Laboratory」の知見を生かし、費用負担の軽減や打ち上げまでの期間短縮、打ち上げロケット多様化への対応、実証機会の拡大を図るとしています。
Mr.ガジェット部品を衛星に採用してもらうには宇宙空間での動作実績が必要ですが、打ち上げの機会や費用が参入の壁になっていた背景があります。
Ms.ガジェット異業種や新興企業が宇宙分野の部品開発に進出しても、まず宇宙で動かして試す場をどう確保するかは実用化の大きな関門になりそうです。
各機関の役割分担
本開発では、アクセルスペースが事業全体の統括と軌道上実証サービスの技術開発・事業化を担当します。衛星の製造・試験から打ち上げ、軌道上運用までを一貫して実施し、低コスト・短納期・高頻度のサービス提供を目指します。また、学習院大学とともに策定する宇宙サステナビリティ標準を衛星の設計・運用に反映し、有効性の検証を行います。
連携機関である学習院大学は、宇宙サステナビリティに関する国際的な研究・政策・ルール形成の動向を調査および分析します。アクセルスペースとともに自社基準「Green Spacecraft Standard」をversion 2.0へ改訂するほか、開発成果や運用実績を踏まえて国際会議などで発信・提言を行い、国際的なルール形成への貢献を目指します。
今後の展望と商用サービスへの展開
今後は新たな汎用衛星バスの開発および打ち上げを実施し、衛星の基本機能や運用機能を軌道上で検証する計画です。検証完了後には、定期的に実証機会を提供する商用サービスへの展開を目指します。これにより、部品や機器の性能確認から新たな宇宙サービスを見据えた実証まで、多様なニーズへの対応を推進する方針です。
Ms.ガジェット汎用衛星バスの機能検証を経て、定期的に実証機会を提供する商用サービスへつなげる計画がどのペースで進むのか注目したいです。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

製造や運用の実務だけでなく、宇宙サステナビリティの基準改訂や国際的なルール形成まで役割分担に含まれている取り組みが気になります。