株式会社アドバンプレスは、WordPressやPHPでWebサイトを運用する企業に向け、サイトを静的HTMLへ移行するサービスを開始しました。あわせてサービス専用ページを公開しています。PHPやデータベース、管理画面をサーバー上に置かない構成へ切り替えることで、外部からの攻撃経路を減らし、保守や更新に伴う作業負担を軽減するとしています。移行の要否を判断するサイト診断や見積もりは無料で提供されます。
サービス提供の背景とPHPを巡るセキュリティ課題
PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日に終了する予定となっており、PHP 8.1以前はすでにサポート対象外となっています。サポート期間が終了したバージョンには原則としてセキュリティ修正パッチが提供されません。
加えて2026年10月には、PHP本体の重大な脆弱性「PHP2Shell」(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)が公表されました。悪用された場合、遠隔の第三者に任意のコードを実行される恐れがあり、深刻度はCVSS v4.0で9.2と評価されています。修正版は日本時間10月21日23時ごろに公開され、10月26日には米CISAの「悪用された脆弱性」カタログにも追加されました。情報処理推進機構(IPA)は国内での攻撃被害事例は把握していないとしつつ、対策済みバージョンへの移行を促しています。
同問題に関しては高市早苗首相も10月21日夜、自身のXアカウントにてPHPの利用状況確認や修正パッチ適用準備を求める投稿を行い、速やかな対応が難しい場合はWebサイトの一時停止もリスク低減策に挙げました。
WordPressサイト運用では、PHPのバージョン更新に加えて本体やテーマ、プラグインのアップデート作業が継続的に発生します。更新を保留すればセキュリティリスクが生じ、更新を実行した際には表示崩れや不具合の確認作業が必要となります。サーバー側でPHPを実行しない静的HTML構成を採用することで、PHP自体の脆弱性を突く攻撃やバージョン追随の影響を回避できるとしています。
Mr.ガジェットPHP本体のセキュリティサポート期限に加え、遠隔コード実行の深刻な脆弱性が短期間に公表されたことで、動的CMSの保守リスクが改めて浮き彫りになりました。
Ms.ガジェット首相から異例の注意喚起が出るほどの事態になると、社内リソースだけでバージョン追随を続ける難しさを実感する企業も多そうです。
静的HTML移行サービスの主な特長
本サービスでは、完成したHTMLファイルを直接配信する静的配信方式を採用します。サーバー上にPHPプログラム、データベース、管理画面が存在しないため、プログラム上の欠陥を狙った攻撃や管理画面に対するパスワード総当たり、プラグインの更新漏れに伴う侵入リスクを抑制できます。ただし静的HTML化によりすべてのセキュリティ問題が解消されるわけではなく、サーバーやアカウントの管理といった基本的なセキュリティ対策は継続して必要であると説明しています。
また、サーバー環境のPHPバージョンに左右されないため、サポート終了に伴う改修や動作確認の手間が省けます。動的なページ生成処理を伴わないことから表示待ち時間が短縮され、軽量な静的ホスティング環境での運用によってサーバー費用の低減も期待できるとしています。
送信プログラムを設置しないお問い合わせ窓口の提案
Webサイト上に設置されたメールフォームなどのCGIやPHPプログラムは、設定や保守が不十分な場合に迷惑メールの踏み台や不正アクセスの踏み台となるリスクがあります。アドバンプレスでは、Webサーバー内に送信処理プログラムを配置しない2つの窓口方式を提示しています。
1つ目はボタンを押すことでメールソフトの新規作成画面が立ち上がり、件名や本文の雛形をあらかじめセットできる「メール方式」です。2つ目は送信処理や回答保管を外部サービスに委ね、入力項目を管理画面から調整できる「Googleフォーム方式」です。

Mr.ガジェット問い合わせフォームは脆弱性の侵入経路になりやすい部分ですが、メール起動か外部フォームに絞ることで自前サーバーのプログラム設置をゼロにできます。
Ms.ガジェットユーザーの入力しやすさや集計の手間を考えると、メール方式とGoogleフォーム方式のどちらを選ぶかが運用上の分かれ目になりそうです。
対象サイトの適性と移行の流れ
静的HTMLへの移行は、コーポレートサイトやサービス紹介サイトなど、更新頻度が比較的落ち着いているサイトに適しています。一方で、頻繁に記事を配信するメディア、会員機能やEC機能が中心となるサイト、専門知識を持たない社内担当者が日常的にページを更新するサイトについては、WordPressの継続運用が適している場合があるとしています。
サービスの利用工程は以下の4段階で進行します。
- 無料診断:サイトの現状や課題をヒアリングし、PHPおよびWordPressの稼働状況を確認
- 提案・見積もり:移行の要否、作業方針、費用と所要期間の目安を提示
- 制作・移行:既存コンテンツとURL構造を踏まえ、静的HTMLサイトを構築
- 公開・運用:動作確認を経て公開し、公開後の更新手順を含めて案内
無料診断では、稼働中のPHPやWordPressのバージョン、更新履歴、導入プラグインの状況、表示速度の目安に加え、静的HTML化を行う際の費用と期間の目安を診断し、移行すべきか現状維持すべきかの判断材料を提供します。無料診断の申し込みは、専用ページのGoogleフォームまたはメールにて受け付けています。
Ms.ガジェット更新頻度の低い企業サイトなら静的化の恩恵が大きそうですが、日常的に投稿するブログや会員制サイトは無理に移行せず現状維持も提案してくれる診断基準が親切です。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

管理画面やデータベース自体を撤廃できれば攻撃の対象を大きく絞り込めますが、サーバーアカウント自体の適切な管理は欠かせないという注意書きも現実的です。