HIOKI、高周波電力校正の精度と周波数範囲を従来比10倍に向上
HIOKIが開発した次世代の高周波電力校正技術
HIOKIは、高周波電力校正における長年の課題であった確度不足を解決するため、電力計の誤差校正基準となる新たな計測標準を開発したと発表しました。この技術は、国家計量標準機関で用いられる手法と比較しても約10倍の高い校正確度を実現しています。

本技術は、電力が熱として消費される物理原理を応用したものです。同社が新開発した熱量計を用いることで、入力皮相電力(電圧と電流の積)の0.01%以下という微小な発熱を、動作周波数の影響を抑えながら検出することが可能です。
Ms.ガジェット新たな計測標準による精度の向上
従来の電気的な校正手法は、周波数が高くなるほど不確かさ(測定値のばらつきや誤差の可能性)が増大する傾向にあります。これに対し、HIOKIが開発した手法は周囲温度の変動を補正する機能を備えており、以下の通り非常に小さな不確かさを達成しました。

- 200 kHz:皮相電力の0.006%
- 1 MHz:皮相電力の0.014%
200 kHzの周波数帯において、既存の国家標準クラスの校正手法では不確かさが0.05%であるのに対し、今回の新技術は約10倍高い精度を誇ります。この不確かさは150 VAの皮相電力において約9 mWに相当し、高効率な機器開発の現場でも信頼性の高い検証が可能です。
Ms.ガジェットパワーエレクトロニクス分野への貢献
今回の成果は、電気自動車(EV)のモーターや太陽光発電のパワーコンディショナー、データセンター向け電源など、エネルギー制御機器の進化に対応するものです。これらの機器はスイッチング周波数の高周波化とエネルギー損失の低減が進んでおり、測定器にはこれまで以上に高い確度が求められています。

同社は、今回の計測標準を用いてパワーアナライザ「PW8001」と電流センサ「CT6904A」の組み合わせにおける有効電力測定誤差を検証し、200 kHzまで誤差が0.04%以下であることを確認しました。今後はこの技術を基盤として校正サービスの展開を計画しており、パワーエレクトロニクス分野の信頼性向上に寄与するとしています。
研究成果の公開と今後の展開
本研究の成果は、電気計測分野の国際学術誌である「IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement」に掲載されています。この研究は、広帯域電力測定の精度を支える重要な技術として位置づけられています。

- 独自の熱量計で高周波電力校正の精度を従来比10倍に向上
- 200 kHzで0.006%、1 MHzで0.014%という低不確かさを達成
- EVや再生可能エネルギー機器の効率改善と開発競争力強化に貢献

HIOKI、高周波電力校正の精度と周波数範囲を従来比10倍に向上
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