Ai Sensing合同会社は、米AglaiaSense社が開発したエッジAI搭載USBカメラ「MS500-H072-EP-USB」の取り扱いを開始すると発表しました。ソニーのインテリジェントビジョンセンサー「IMX501」を搭載し、クラウド登録やモデル展開を行うことなく、USB接続のみでサイネージの視聴者属性や滞在時間の分析が可能です。
「MS500-H072-EP-USB」の製品概要
「MS500-H072-EP-USB」は、米カリフォルニア州のAglaiaSense社が開発したエッジAI搭載USBカメラです。日本国内において最先端のイメージング技術を取り扱う専門商社であるAi Sensing合同会社が取り扱いを開始します。本製品はソニーのインテリジェントビジョンセンサー「IMX501」を内蔵し、視認検知AIモデルがあらかじめ組み込まれています。サイネージやディスプレイに接続するだけで、画面を見た人数や視聴時間、視聴者の属性を即座に取得できる点が特徴です。
店舗内サイネージなどのリテールメディアでは広告効果を可視化する需要が高まる一方、従来の視聴者分析システムではカメラのネットワーク接続、クラウドサービスへのデバイス登録、AIモデルやエッジアプリのデプロイといった多段階の工程が導入や運用の障壁となっていました。「MS500-H072-EP-USB」はこれらの導入時の複雑さを解消することを目指して設計されています。
設定不要のPlug and Playとカメラ内AI処理
本製品は推論開始に必要なソフトウェアがすべてカメラ内に事前インストールされているため、クラウドサービスを用いたプロビジョニング作業を必要としません。視認検知AIモデルとポストプロセシング(後処理)が搭載されており、サイネージを再生するSTB(セットトップボックス)やディスプレイSoCにUSB接続するだけで即座に分析を開始できます。
また、人数カウントや視認検知といったAI処理はカメラ内部で完結します。センサー上で処理を行い、映像そのものではなくメタデータとして結果を出力できるため、データ転送の遅延低減やプライバシーへの配慮、消費電力および通信コストの削減が見込めます。映像を外部に送信することなく分析結果のみを取得する安全な運用が可能です。
出力項目と取得可能なデータ
「MS500-H072-EP-USB」は人物ごとにIDを付与し、単なる人数計測にとどまらず広告やコンテンツの注目度を多面的に把握するための詳細なデータを出力します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Tracking ID | 頭部が検出された人物に付与されるID |
| Stay Time | 検出された人物が画角(ROI)内に滞在した時間 |
| Time | 人物が最初に検出された時間 |
| Watch Start Time | 初めて視認が推定された時刻(タイムスタンプ) |
| Total Watch Time | 視聴時間の合計 |
| Max Watch Time | 1回あたりの最長の視聴時間 |
| Watch Time Count | 視聴回数 |
| Gender | 性別判定(男性、女性、判定不能) |
| Age | 年齢判定結果(1歳刻みの整数値) |
ハードウェア仕様と設置性
カメラ部には有効約1,230万画素のセンサーを搭載し、解像度1920×1080、約28fpsのMJPEG出力に対応します。レンズ画角は対角85.5°、水平71.6°、垂直56.8°(DxHxV)となっており、店舗の棚前や会議室などで一定範囲に存在する人物を捉えることが可能です。
筐体はアルミニウム製の黒色仕上げで、本体重量は約106gと軽量です。三脚ネジ穴と360度回転可能なクリップの両方に対応しており、ディスプレイの上部や棚、柱など様々な場所へ柔軟に設置できます。電源はUSB Type-A端子からの給電(5V/0.5A)で動作し、ケーブル長は1.5mです。インターフェースはUSB 2.0(CDC・UVC)で、Android 8.0以降のUSBホストモードにも対応しているため、Androidベースのサイネージ端末やSTBと組み合わせて利用できます。
想定される用途と展示実績
本製品は、リテールメディアや店舗サイネージでの視聴分析、広告クリエイティブの効果検証と最適化、属性に応じたコンテンツ配信やインタラクティブ広告、さらにはスマート教育やスマート会議などの用途が想定されています。
開発元のAglaiaSense社は「NRF APAC 2026」のデモにおいて、エッジAI搭載USBカメラとソニーのBRAVIAのみを組み合わせたシンプルな構成によるリアルタイム視聴者分析を披露しました。追加サーバーを設置することなく、性別比率を含む人数カウント、視聴率表示、視認中人物のハイライト表示などを実現した実績があります。
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