日本キヤリア株式会社は、清水建設株式会社が中心となって推進する暑熱対策ソリューションの共同開発に参画し、超高層建設プロジェクト向けの仮設冷房システムの中核となる空調機の開発、評価を行いました。本システムは、完成後に高さ日本一となる超高層ビル「TOKYO TORCH Torch Tower」の建設現場である「常盤橋プロジェクト建設所」に導入され、建設現場における熱中症対策と作業環境の改善に活用されています。
閉鎖空間の課題を解決する仮設冷房システム
近年の猛暑を背景に、建設現場における熱中症対策の重要性が高まっています。従来のスポットクーラーは冷風を供給する一方で排熱を室内に放出するため、外装カーテンウォールで仕切られる高層ビルの建設現場のような閉鎖空間では温度が下がりにくいという課題がありました。今回開発された仮設冷房システムは、外装カーテンウォールの開口部を活用して排熱を屋外へ排出することで、この課題の解決を目指したものです。

本システムには、日本キヤリアの空冷式一体形パッケージエアコン「シングルエース」が採用されています。今回のプロジェクトでは、シングルエースに専用架台を取り付けることで可搬式とし、施工の進捗に合わせて設置場所を移動できるようにしています。さらに、給排気ダクトや排熱処理機構を組み合わせることで、超高層建設現場特有の暑熱環境に対応する仮設冷房システムへと発展させています。
実証評価と遠隔監視による安定運用
建設現場での導入に先立ち、日本キヤリアは富士事業所内に実際の建設現場を想定した実証環境を構築し、清水建設立会いのもと性能評価を実施しました。給排気ダクト接続時の風量や冷房性能を検証し、実運用に必要な品質・性能を確認した上で現場に導入しています。

また、日本キヤリアの業務用空調向けデジタルプラットフォーム「ABOUND HVAC Connect」を活用して機器の稼働状況を遠隔で監視する実証テストも行っています。これにより、立ち入り制限のある建設現場においても運転状況をリアルタイムで把握し、安定運用と保守の効率化につなげる検証を行っていくとしています。
日本キヤリアの代表取締役社長である丸山峰生氏は、今回の共同開発について、同社が注力しているETO体制と空調技術の知見を活かして短期間でのカスタマイズと実証評価を実現したと述べています。同社は、今回納入した仮設冷房システムで得られる知見をもとにさらなる改良を進め、建設業界における暑熱対策ソリューションとして幅広い普及を目指す方針です。


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