対立議論で専門家レベルの結論を導出するAI技術
三菱電機株式会社は、議論フレームワークを用いて専門家AIエージェント同士の対立議論を自動生成し、根拠を明示した上で専門家レベルの結論を高速に導出するマルチAIエージェント技術を、業界で初めて開発したとのことです。

近年、企業ではセキュリティーリスクの評価や生産計画の立案など、トレードオフを伴う複雑な意思決定が求められるケースが増えています。しかし、これらの業務は高度な専門知識が必要で属人化しやすく、担当者の不在時に判断が困難になることや、合意形成に時間を要することが課題となっています。
また、AIの判断根拠が不明確であることへの懸念から、重要な意思決定へのAI適用には抵抗感があることも指摘されています。特に、安全性に関わる判断においては、推論の過程や根拠を明示することが不可欠です。
「敵対的生成」の概念を応用
三菱電機は今回、GAN(Generative Adversarial Network)(生成的な敵対ネットワークのこと)に見られる「敵対的生成」の概念をマルチAIエージェントの議論に応用しました。専門家AIエージェント同士を競わせることで、より良い結論を導出する新しい技術です。

この技術により、従来の協調型マルチAIエージェントシステムでは困難だった対立議論による深い洞察と、根拠を明示した上での意思決定が可能になるとのことです。セキュリティー分析、生産計画設計、リスク評価など、複雑なトレードオフを伴う意思決定が必要な業務へのAI導入が期待されます。
開発の主な特長
本技術の開発には、以下の3つの特長があるとしています。

- 議論フレームワークによる自動生成:議論に必要な知識を持った専門家AIエージェントを自動生成し、AIエージェント間の対立関係を自動的に構築します。ユーザーが議題や条件を入力するだけで、議論に必要なAIエージェントが生成されます。
- 「敵対的生成」の概念の応用:本質的な問いを明確化し、深い洞察を獲得します。ファシリテーターエージェントが議論の流れを制御し、各AIエージェントが自身の専門知識に基づき主張を展開、互いに反論や補強を行います。
- 議論履歴の明示:議論の履歴を根拠として明示することで、より良い結論を導出します。ユーザーは議事録やQAチャット機能から、議論の内容と結論に至った背景を追跡できます。
今後の展開と展望
三菱電機は、2026年度以降の事業化に向け、社内での実証を進めていくとしています。将来的には、経営判断、技術選定、リスク評価など、幅広い専門業務を効率化・自動化する「意思決定支援プラットフォーム」の提供を目指しています。
このプラットフォームは、専門家不足の解消と意思決定の質向上に貢献することが期待されています。
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