株式会社GAZIRUは、製品や部品の表面の微細な模様を画像で読み取り、タグや刻印を追加することなく個体を識別する「GAZIRU.z」の最新版V5を2026年10月より提供開始します。V5ではサーバ実装を刷新し、100万件規模の登録データから対象個体を最速1秒台で照合する並列分散処理に対応するとともに、撮影位置や向きのずれをサーバ側で自動補正する「位置合わせ機能」を標準搭載しています。
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開発背景とタグレス個体識別の必要性
資源を循環させるサーキュラーエコノミーへの移行や、EUで導入が進められているデジタルプロダクトパスポート(DPP)を背景に、製品・部品とその履歴を結び付けて管理する重要性が高まっています。DPPは、データキャリアを通じて製品情報にアクセスする仕組みですが、具体的なデータキャリアや管理単位などの要件は製品群ごとに定められます。
一方で、タグを付けられない小さな部品や金属部品、ラベルが脱落・摩耗したもの、コードを複製された模倣品など、タグだけでは個体を確認しにくい場面が存在します。GAZIRU.zは、物体の表面画像から個体を識別することで、こうした場面でタグによる識別を補完します。製品そのものが個体を識別する符号となり得る点が特長であり、金属・樹脂・紙・布など多様な素材に対応しています。
GAZIRU.z V5の主な強化点
V5では、画像の情報を小さなデータに収めることで照合とデータのロードを速くする特長を活かし、並列分散照合や柔軟なデータ運用へと機能を強化しています。主な強化点は以下の通りです。
1. 撮影のずれをサーバ側で自動補正する位置合わせ機能
市場を循環した対象を識別する場合、治具や作業者、設置場所の違いによって撮影位置や向きのずれが生じることがあります。V5では、照合画像を登録画像に対してサーバ側で位置と向きを合わせ直してから照合する「位置合わせ機能」を標準搭載しています。既定で有効となっており、クライアントシステム側の改修は不要でサーバのバージョンアップによって利用可能です。
2. 並列分散照合による100万件規模の高速化
出荷するすべての個体を生産時に登録し、後から現物1個がどの個体かを特定する出荷後トレーサビリティにおいて、100万個、1,000万個といったオーダーから実用的な時間で対象個体を特定する必要があります。V5では、サーバ実装の刷新により10万件照合の応答時間を従来版V4の約4割に短縮しました。さらに、登録データを複数のプロセスに分けて並列に照合するシャード分散と、照合負荷を分散するレプリカ構成に標準対応しています。
検証では、100万件の登録データに対する照合を、汎用サーバ3台構成で位置合わせなし約1.5秒、位置合わせあり約3〜5秒で処理しています。登録についても、新設したバッチ登録APIによりV4比約6倍となる毎秒30件以上に高速化されています。
3. 大規模な個体データを扱うための運用性の向上
V5では、大量の個体データを柔軟に扱うための運用機能も強化されています。個体群を100万件以下の規模に分けられる場合、識別したい対象に応じてロードする個体群を切り替えることで、より少ない計算資源での識別が可能です。また、OpenID Connectによる外部認証基盤との連携、テナント単位の認可、S3互換ストレージへの画像保存、データセットごとの高速ロード・アンロード、RESTful APIの提供などが行われています。
GPUオプションおよびクライアントV5の同時提供とイベント出展
位置合わせは照合ごとに追加の計算を行うため、この処理をGPUで高速化する「GPUオプション」が同時提供されます。NVIDIA L4 GPU搭載サーバ1台を使用した検証では、100万件に対する位置合わせ込みの照合全体を約1.6秒で実行し、登録性能が約1.7倍に向上することを確認しています。また、サーバの新機能に対応したWindows版「GAZIRU.zクライアントV5」も同時提供されます。
株式会社GAZIRUは、2026年10月26日から東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)」において、GAZIRU.z V5を展示します。会場では、約1,000個の金属部品の表面を登録した実機を用い、置き方が多少ずれていてもその場で個体を特定する実機デモが実施される予定です。




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