外出先での充電切れは本当に困りますよね。
でも、いざ買おうと思っても、たくさんの種類や専門用語があって「どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
選び方を間違えると、思ったように使えなかったり、最悪の場合は事故につながる危険性さえあります。
中でも安全性は、絶対に譲れない最も大切な部分です。
この記事では、そんな皆さんがモバイルバッテリー選びで失敗しないために、「これだけは押さえてほしい!」という本当に大切な5つのポイントを、僕の視点から分かりやすく解説します。
具体的には、容量(mAh)、出力(W/A)と急速充電規格、そして入力、ポートの種類と数、サイズと重量という製品スペックに関する点に加え、特に重要な安全性について、それぞれの選び方を詳しく見ていきます。
この記事でわかること!
モバイルバッテリー 失敗しない5つのポイント

この見出しのポイント!
これらのポイントを知れば、きっと自分にぴったりのモバイルバッテリーを見つけることができるはずです。
容量(mAh)

- モバイルバッテリーの容量と使用端末のバッテリーの容量を比較:自分のデバイスを何回充電できるかを確認する。
- サイズと重量の確認:持ち運びの便利さとバッテリー容量のバランスを考慮する。
- 使用シナリオの想定:日常使いか、長期旅行やアウトドア用かなど最適な容量を選ぶ。
容量とは、モバイルバッテリーに蓄えられる電力量のことで、単位はmAh(ミリアンペアアワー)で表されます。
mAhの値が大きいほど多くの電力を蓄えられるので、スマートフォンなどを複数回充電できます。
例えば、スマートフォンのバッテリー容量がおよそ3000mAh〜4000mAh程度だとすると、5000mAhのモバイルバッテリーではスマートフォンを約1回フル充電でき、10000mAhなら約2回、20000mAhなら約4回フル充電できる計算になります。
(実際には損失があるため、表記容量の約70%程度で計算するとより現実的な目安になります)。
容量 (mAh) | 想定される主な用途 | スマートフォン充電回数目安(3000-4000mAh換算) | サイズ・重量の傾向 |
---|---|---|---|
5000以下 | 緊急時、軽量・コンパクト重視 | 約1回未満 | 小型・軽量 |
5000-10000 | スマートフォン1~2回分の日常使い、持ち運び重視 | 約1~2回 | やや小型、比較的軽量 |
10000-20000 | スマートフォン複数回、タブレット充電 | 約2~4回 | 標準的なサイズと重量 |
20000以上 | 長期旅行、アウトドア、ノートPC充電、防災 | 約4回以上 | 大型・重め |

スマホを何回充電できるか、具体的にどう計算すればいいですか?

表記容量の約70%で使用機器のバッテリー容量を割ると現実的な目安になります。
容量は大きければ大きいほど多くの電力を蓄えられますが、その分サイズや重量、価格も変わってくるため、自分の使い方に合わせて容量とサイズ・重量のバランスを考えて選ぶことが重要です。
出力(W/A)と急速充電規格(PD/QCなど)

出力とは、モバイルバッテリーからデバイスに供給される電力量のことで、単位はW(ワット)やA(アンペア)で表されます。
出力が大きいほど充電速度が速くなります。
また、PD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)は、対応機器間でより高速な充電を可能にする急速充電規格です。

特にPDは重要です!
また、例えば、スマートフォンの急速充電には最低でも12W以上の出力があると便利です。
さらにタブレットやノートパソコンを充電したいなら、例えば20W、あるいは45Wや60Wといったより大きな出力に対応しているものを選ぶ必要があります。

パソコンを充電する場合は特に大きな出力が求められることが多いです
充電したいデバイスの例 | 必要な出力目安(目安) | 急速充電規格の例 |
---|---|---|
スマートフォン | 12W~18W | PD, QC |
急速充電対応スマホ | 20W~30W | PD, QC |
タブレット | 20W~30W | PD, QC |
ノートパソコン | 30W~100W | PD |
USB Power Delivery (PD) のバージョン仕様
こちらにPDとQC、それぞれの特徴を表にしてまとめました。
PDバージョン | リリース日 | 最大電力 | 最大電圧 | 主要な機能 |
---|---|---|---|---|
1.0 | 2012年7月 | 100W | 20V | 5 つの電力プロファイルを固定値でやり取り |
2.0 | 2014年8月 | 100W | 20V | 最大100 W給電とUSB-CAlternate Modeで映像・データもケーブル1本、機器間で最適電力を自動交渉し旧規格とも互換 |
3.0 | 2015~2017年 | 100W | 20V | PPS※1で 20 mV 刻みのきめ細かな電圧調整・発熱低減 |
3.1 | 2021年 | 240W | 48V | EPR (Extended Power Range) モードを導入し、100Wを超える電力供給を可能に。、双方向電力、ハブ通信(オプション) |
※1 PPS(Programmable Power Supply)=機器側の要求に合わせて電圧・電流を細かく変えて効率よく充電する仕組み
QCバージョン | リリース日 | 最大電力 | 電圧範囲 | 主要な機能 | USB PDとの互換性 |
---|---|---|---|---|---|
1.0 | 2013年 | 10W | 最大6.3V | スマホごとに最適な電流を自動判定 | なし |
2.0 | 2014年 | 18W(A)/ 60W(B) | 5V/9V/12V/20V | 3段階の電圧切替、デュアル充電※2に対応 | なし |
3.0 | 2015~2016年 | 36W | 3.2~20V(200mV刻み) | 電圧を細かく変えて発熱を抑える | なし |
4 / 4+ | 2016~2017年 | 100W | QC: 3.6~20V / PD: 5V, 9V, PPS | PD互換 | あり |
5 | 2020年 | 100W超 | 3.3V~20V以上 | USB PD PPS互換、熱管理強化、完全な下位互換性 | あり(PPS経由) |
※2 デュアル充電=2 つの独立した電源回路で同時充電し時間を短縮

お使いのデバイスが対応している規格を確認して選びましょう

他にもワイヤレス充電に対応しているモバイルバッテリーやここで紹介しなかった規格などもありますからPDとQC以外にも対応していてほしい規格がある方はしっかりチェックしてくださいね!
入力の大きさ

- モバイルバッテリー自体の充電速度:モバイルバッテリー自体を充電するのにかかる時間をチェックする。
- 入力ポートの種類:充電に使用するケーブルの端子がUSB Type-CやマイクロUSBなのか確認する。
意外と見落としがちですが、モバイルバッテリー自体の充電速度に関わる「入力」も大切です。
入力が大きいほどバッテリー本体の充電時間が短縮されます。
PDやQCなどの急速充電規格に対応したUSB Type-Cポートを備えているモデルを選ぶと、本体も短時間で充電できて便利です。

意外と見落としがちな観点ですが重要ですよ!
特に大容量になればなるほど充電時間はどうしても延びやすいですから注意が必要です。

また、入力ポートはType-Cのものを選びましょうね!
マイクロUSBが未だに使われているものは論外ですから絶対に選ばないでください!
ポートの種類と数

- 同時充電の必要性:同時に充電したいデバイスの数に合わせてポート数を選ぶ。
- 各ポートの最大出力:各ポートからの最大出力が必要な分だけあるか確認する。
- 充電中のパフォーマンス:複数ポート使用時にどのように出力が分配されるか、各ポートが独立して最大出力を提供するか、などをチェックする。
- 充電したい端末との相性:自分のデバイスに必要なポートの種類(USB Type-A、USB Type-Cなど)を確認する。
ポートは、デバイスとモバイルバッテリーを接続するための端子です。
ポートの種類(USB Type-A, Type-Cなど)とポートの数は、どのデバイスをいくつ同時に充電できるかに関わります。
同時に充電したいデバイスの数に合わせて、ポートの数を選びましょう。
例えば、スマートフォン以外にイヤホンや携帯ゲーム機も同時に充電したいなら、少なくとも2つのポートがあるものが便利です。
現在、最も一般的なのはUSB Type-AとUSB Type-Cポートです。
特にType-Cポートは上下どちら向きでも挿せて、PDなどの高出力充電に対応しているものが多く、おすすめです。
ポートの種類 | 特徴 | 急速充電対応の傾向 |
---|---|---|
USB Type-A | 多くのデバイスに対応、既存のケーブルが利用可能、広く普及している | 標準的(低め) |
USB Type-C | 上下どちら向きでも挿せる、小型化しやすい、PDなどの高出力に対応しやすい | 高速(PDなど) |
Micro USB | 古いAndroid端末などで使用、今後の主流からは外れていく傾向 | 標準的(低め) |

ポートがたくさんあると、同時に高速充電できますか?

ポート数が増えても、同時に使用すると各ポートの最大出力は低下することがあります。
複数のポートがある場合、全てのポートを同時に使うと、全体の出力が分配され、各ポートからの最大出力が低下することがかなり多いので、この点も仕様を確認しておくと良いでしょう。
ご自身のデバイス構成に合わせて、必要な種類と数のポートを備えたモデルを選ぶことが大切です。
本体サイズと重量

- 持ち運びの容易さ:日常的に持ち歩く場合は、薄型で軽量なモデルを選ぶ。バッグやポケットに収まりやすいサイズを考慮する。
- 容量とのバランス:高容量モデルは重量とサイズが大きくなる傾向にある。必要最低限の容量で、できるだけコンパクトなモデルを選ぶ。
- どんな時に使用するか:アウトドア活動や長期間の旅行で使用する場合は、やや大きくても高容量で耐久性のあるモデルを選択することが望ましい。
モバイルバッテリーの本体サイズと重量は、持ち運びやすさに直結する重要な要素です。
一般的に容量が大きいほど重く大きくなる傾向があります。
例えば、5000mAhクラスならスマートフォンと同程度のサイズ感で軽く、ポケットにも入れやすいものがあります。
10000mAhクラスになると少し厚みや重みが増しますが、まだ十分日常的に持ち運べるサイズが多いです。
20000mAh以上の大容量モデルは、500mlのペットボトルくらいの重さや大きさになるものも珍しくありません。
容量の傾向 | サイズ・重量の傾向 | おすすめの利用シーン |
---|---|---|
小容量 | 小型・軽量 | 日常的な携帯、バッグやポケットに入れても邪魔にならない |
中容量 | やや小型、比較的軽量 | 容量と持ち運びやすさのバランス、スマホ複数回充電したい日常使い |
大容量 | 大型・重め | 自宅置き、車載、旅行、アウトドア、ノートPC充電、防災 |

日常的に持ち歩きたいのですが、どのくらいのサイズが目安になりますか?

日常使いなら、容量とサイズのバランスが良い10000mAhクラスをおすすめします。
日常的にバッグやポケットに入れて持ち運ぶことが多いなら、容量とサイズ・重量のバランスが良いモデルを選ぶのが良いでしょう。
反対に、自宅や車の中に置いておいて、緊急時に使うことが多いとか、長期旅行でどうしてもたくさんの容量が必要という場合は、多少大きくても大容量モデルを選ぶという考え方になります。
最近は同じ容量でも以前より小型化が進んでいる製品も多いので、サイズもしっかり確認してみてください。
何より大切な安全性(PSEマーク)

- 保護機能:過充電、過放電、過熱、短絡からデバイスを保護する機能が備わっているか確認する。これらはバッテリーの安全な使用に不可欠である。
- 認証マーク:PSEマーク(日本)、CEマーク(ヨーロッパ)、FCC認証(アメリカ)など、製品が安全規格に適合していることを示す認証マークがあるかチェックする。
- 信頼できるブランド:評判の良いメーカーやブランドから購入する。レビューや評価を参考に、他のユーザーの安全に関するフィードバックを確認する。
モバイルバッテリー選びで最も、最も大切なのが安全性です。
日本国内で販売されるモバイルバッテリーは、電気用品安全法に基づき、国の定めた安全基準に適合していることを示すPSEマークの表示が義務付けられています。
皆さんには、必ずこのPSEマークが表示されている製品を選んでほしいです。
安全性チェックポイント | なぜ重要か | 確認方法 |
---|---|---|
PSEマークの有無 | 日本国内での安全基準適合の証明、発火事故などのリスク低減 | 製品本体またはパッケージ |
過充電・過放電・過熱・ショートなどの保護機能の有無 | バッテリーの劣化や異常発熱・発火を防ぐ | 製品仕様、商品説明 |
信頼できるメーカー・販売店からの購入 | 品質管理がしっかりしており、サポートも期待できるため | メーカー公式サイト、信頼できる小売店 |

PSEマーク以外に、安全性を確認する方法はありますか?

過充電や過熱などの保護機能が備わっているか確認したり、信頼できるメーカーから選ぶことも安心につながります。
リチウムイオンバッテリーは使い方を間違えたり製品に問題があったりすると、発熱や発火の原因になることがあります。
PSEマークがない、よく分からないメーカーの製品は絶対に避けるべきです。
過充電や過放電、過熱、ショートなどを防ぐ保護機能が備わっているかどうかも確認しておくとより安心です。
信頼できるメーカーから購入することをおすすめします。

皆さんの安全のため、PSEマークの有無は必ず確認してください

これは絶対に妥協できないポイントです
安心 安全なモバイルバッテリーを手にしよう

この記事では、皆さんがモバイルバッテリー選びで迷わないよう、重要なポイントを解説しました。
特に、安全性は、皆さんのデジタルライフを守るために絶対に譲れない基準です。
- 必要な容量(mAh)の目安
- デバイスに合った出力(W/A)と急速充電規格(PD/QC)
- 持ち運びたいサイズと重量
- 接続したいデバイスのポートの種類と数
これらのポイントを押さえれば、自分にぴったりの安心安全なモバイルバッテリーを見つけられます。
ぜひ、今回学んだ知識を活かして、最適な一台を探してください。
よくある質問(FAQ)
- モバイルバッテリーを飛行機に持ち込むことはできますか?
-
はい、多くのモバイルバッテリーは飛行機に持ち込むことができます。
ただし、容量によって制限があります。
具体的な規定は航空会社によって異なる場合があるため、利用する航空会社の公式サイトで事前に確認することをおすすめします。
預け荷物として預けることはできません。 - モバイルバッテリーの寿命はどれくらいですか?長く使うためのコツはありますか?
-
モバイルバッテリーに使われているリチウムイオンバッテリーには寿命があり、一般的に充電回数が300回から500回程度と言われています。
これはあくまで目安であり、使用方法や保管状態によって大きく変わります。
長く使うためには、「過充電」(充電が完了しても長時間そのままにする)や「過放電」(バッテリー残量がゼロのまま長時間放置する)を避けることが重要です。
また、高温や低温すぎる場所での保管もバッテリーの劣化を早めます。
直射日光が当たる場所や夏場の車内などに放置しないよう注意してください。
適度に充放電を行い、涼しい場所で保管するのがおすすめです。 - パススルー充電とはどんな機能ですか?
-
パススルー充電とは、モバイルバッテリー自体をコンセントから充電しながら、同時にモバイルバッテリーに接続したスマートフォンなどのデバイスも充電できる機能です。
この機能があると、自宅などで寝る前にモバイルバッテリーとスマートフォンをケーブルでつないでおけば、朝にはモバイルバッテリーもスマートフォンも両方満充電になっている、といった使い方ができて便利です。
ただし、パススルー充電中はモバイルバッテリー本体が発熱しやすい傾向があるため、ご使用の際は安全面に注意してください。 - モバイルバッテリー本体を充電するのにどれくらい時間がかかりますか?
-
モバイルバッテリー本体の充電にかかる時間は、バッテリーの容量と、モバイルバッテリーの「入力」の大きさによって大きく異なります。
入力のワット数(W)が大きいほど、短時間で充電が完了します。
例えば、10000mAhクラスのモバイルバッテリーでも、入力が5W程度だと充電に一晩かかる場合もありますが、PD(Power Delivery)対応で18Wや30Wといった高入力に対応しているモデルなら、数時間で充電できるものがほとんどです。
特に大容量のモバイルバッテリーを選ぶ際は、本体の入力性能も確認することが、ストレスなく使うための大切なポイントになります。 - モバイルバッテリーのスペックでよく見るW(ワット)やA(アンペア)などの意味を教えてください。
-
モバイルバッテリーのスペックによく記載されているW(ワット)、A(アンペア)、V(ボルト)、そして容量を示すmAh(ミリアンペアアワー)は、それぞれ以下のような意味合いです。
- V(ボルト): 電圧。電気を押し出す力です。
- A(アンペア): 電流。流れる電気の量です。
- W(ワット): 電力。電圧(V)×電流(A)で計算され、充電速度に直結します。数値が大きいほど速く充電できます。
- mAh(ミリアンペアアワー): 容量。バッテリーに蓄えられる電気の総量です。数値が大きいほど多くのデバイスを充電できます。
例えるなら、Vは水道管の圧力、Aは流れる水の量、Wはそれらを合わせた水道管の供給能力、mAhは貯水タンクの容量のようなイメージです。
ご自身のデバイスが必要とする電力(WやA)や、充電したい回数(mAh)を確認して、それに合ったスペックのモバイルバッテリーを選ぶことが重要です。 - 使えなくなったモバイルバッテリーはどのように捨てればいいですか?
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使えなくなったモバイルバッテリーは、内蔵するリチウムイオンバッテリーの特性上、発火の危険性があるため、燃えないごみや粗大ごみとして一般の家庭ごみと一緒に捨てることはできません。
安全な廃棄方法としては、まずバッテリーの端子部分を絶縁テープで覆い、ショートを防いでください。
その後、お近くの家電量販店やホームセンターなどに設置されているモバイルバッテリー回収ボックスを利用するか、各自治体の定めている回収方法に従って正しく処分してください。
リサイクルをすることで環境保護にもつながりますし、何より安全のために、適切な方法での廃棄をお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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