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室温で3μm帯まで検出可能な小型センサーを試作
NECおよび名古屋大学、産業技術総合研究所の研究グループは、室温環境下で波長1.55μmから3μmまでの赤外光を検出できる、新たな小型赤外光センサーを開発したと発表しました。

これまでの中赤外線センサーは、動作させるために冷却装置が必要となるケースが多く、装置の大型化やコストが普及の障壁となっていました。今回の試作機は、室温での動作が可能であることに加え、一般的な半導体製造プロセスを活用できるため、量産にも向いているとしています。
Ms.ガジェット冷却器なしで中赤外領域を測定できるというのは、産業用途での利便性が非常に高まりそうですね。
GeSn材料とiTCO電極で高感度を実現
本センサーには、名古屋大学が開発した「低温MBE法(分子線エピタキシー法)」を用いて、ゲルマニウム(Ge)基板上に高品質なゲルマニウム錫(GeSn)層を成長させる技術が採用されています。

あわせて、産業技術総合研究所とNECが開発した「iTCO(赤外透過導電酸化物)」電極を統合することで、以下の成果を達成したとのことです。
- 近赤外から中赤外までを一つの素子でカバーするデュアルバンド検出の実現
- 通信波長帯(1.55μm付近)において1.09A/Wの高感度を達成
- 従来の金属電極では困難だった赤外光の効率的な取り込みに成功
Ms.ガジェット一つの素子で幅広い波長をカバーできるのは、デバイスの小型化において大きな強みとなります。
生活に近い幅広い分野への応用を想定
開発されたセンサーは、分子ごとに異なる光の吸収特性(分子の指紋)を読み取ることが可能です。これにより、今後は以下のような幅広い分野への応用が期待されています。

- 温室効果ガスなどのガス検知および環境モニタリング
- ヘルスケア分野における呼気分析
- 食品や医薬品の品質管理
- 産業プロセスの監視やセキュリティ用分光センシング
なお、本研究成果は2026年5月20日に開催された国際会議「Conference on Lasers and Electro-Optics(CLEO)」において講演発表されています。IV族半導体として既存のシリコンLSI技術との親和性も高く、今後は低価格な中赤外カメラなどへの展開が期待されるとのことです。
Ms.ガジェット食品管理から呼気分析まで、私たちの生活に近い場所で活用される可能性がある技術というのは興味深いです。


NECら、室温で3μm帯まで検出可能な赤外光センサーを開発
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