トルンプ、レーザ・プラズマ技術で半導体製造を革新

半導体製造の効率化と高品質化を目指すトルンプ

トルンプ株式会社は、SEMICON Japan 2025で、革新的なレーザおよびプラズマ技術が半導体産業の強化に貢献することを展示する予定です。同社は、半導体産業が効率性、精度、持続可能性の課題に直面していると認識しています。

トルンプ株式会社代表取締役社長のマイケル・ザムトレーベン氏は、「半導体産業は急速に成長しており、効率性、精度、持続可能性を両立させるという課題に直面しています。SEMICON Japan 2025では、当社の技術とサービスがこれらの要求にどのように応えるかをお見せします」と述べています。

ガラスを用いたアドバンストパッケージングに貢献するレーザ技術

トルンプは、ガラスを用いたアドバンストパッケージング（先端パッケージングのこと）に焦点を当てています。ガラスはシリコンと比較して安価であるため、製造コストの削減に貢献します。

アドバンストパッケージングでは、インターポーザ（チップを電気的に接続する薄い中間層）上にチップを組み合わせます。この際、ガラスにスルーグラスビア（TGV：through-glass vias、ガラス貫通電極のこと）と呼ばれる微細な穴を開ける必要があります。トルンプの超短パルスレーザーは、ガラスの構造を選択的に変化させ、その後のエッチング処理によって高精度な穴あけを実現します。

同社は、マイクロチップ製造向けのエッチング工程を得意とするSCHMID Groupとの連携により、レーザとエッチング工程の完全な連携を実証しています。これにより、より正確で効率的なTGV加工が可能になります。

HiPIMS技術による銅めっきの均一性と高速化

トルンプは、レーザによるTGV掘削に加え、先進的なHiPIMSプロセス（High Power Impulse Magnetron Sputtering、高出力インパルス磁気スパッタリングのこと）にも注力しています。この技術は、ビアの側壁に沿って極めて均一な銅めっき層を形成することを可能にします。

トルンプのHiPIMS技術は、独自の矩形波形により高いイオン化エネルギーを実現し、従来の製品と比較して約2倍の成膜速度を達成します。また、導電性が高く密度の高い銅膜を形成できるため、TGV用途に最適です。

さらに、同期バイアス技術とトルンプシステムの統合により、高いアスペクト比のビアに対しても完全な銅充填を実現します。これにより、優れた成膜精度と再現性の高いプロセス制御を提供します。

プラズマ工程の安定化と省エネルギー化を実現するTruPlasma RF Series G3

トルンプは、新しいTruPlasma RF Series G3を発表しました。このプラズマ電源は、マイクロチップメーカーがより安定したプラズマ工程を実現できるよう設計されています。

TruPlasma RF Series G3は、プラズマの反応を継続的に測定し、リアルタイムでエネルギーを調整することで、製造工程の安定化とウェハ（半導体基板のこと）全体の層の一貫した品質を確保します。出力レンジは2.5～10kWで、既存のチップ製造システムへの柔軟な組み込みが可能です。

また、TruPlasma RF Series G3は、消費電力を20％削減し、発生する廃熱も抑制します。これにより、運用コストの低減と環境保護に貢献します。

日本市場へのサポート体制を強化

トルンプは、グローバルに事業を展開する日本のお客様へのサポートを強化しています。2023年には、宮城県に宮城テクニカルセンターを開設し、増大するニーズに対応しています。

マイケル・ザムトレーベン氏は、「多くの日本企業にとっての主要な課題の一つはエネルギー効率です。最先端技術の導入には多大なエネルギーが必要であり、既存のエネルギーインフラの拡張が難しい場合もあります。我々はお客様の懸念を理解しており、効率性と持続可能性を両立するソリューションを提供することに尽力しています」と述べています。

トルンプは、SEMICON Japan 2025を通じて、半導体製造におけるレーザおよびプラズマ技術の可能性を広く紹介し、業界の発展に貢献することを目指しています。

最後までお読みいただきありがとうございました！

• 本記事の評価は当サイト独自のものです。
• 特段の表示が無い限り、商品の価格や情報などは記事執筆時点での情報です。
• この情報が誤っていても当サイトでは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
• 当サイトに記載された商品・サービス名は各社の商標です。

• 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。