イベントレポート
パンチ工業株式会社と盛岡セイコー工業株式会社は、ダイバーシティ推進に関する事例交換交流会を共同で開催しました。
交流会は、両社の社員研修を担当する株式会社aiびじねすの主催のもと、2025年12月8日にパンチ工業の北上工場（岩手県）にて行われました。aiびじねすの講師である中村夢美子氏に加え、盛岡セイコーから7名が参加しました。
当日は、会議室での事例交換と、パンチ工業の北上工場の製造現場見学を実施しました。
第一部：開会・事例交換会
両社は、ダイバーシティへの取り組み事例をプレゼンテーションし、質疑応答を行いました。パンチ工業は、女性活躍推進法に基づく行動計画や社内風土改革の取り組みを発表しました。
盛岡セイコーは、時短勤務や子の看護休暇制度など、充実した子育て支援施策、そして女性管理職の積極的な登用に関する取り組みを発表しました。
パンチ工業に対しては、社内イベントへの関心を高める工夫や、離職率の低下、エンゲージメント向上のための取り組みについて質問がありました。パンチ工業は、イベントの家族参加化や、拠点内の掲示などを通じて関心を高めていると回答しました。
また、エンゲージメント向上については、部門を超えた関係性の構築が重要である一方、社員全員で考えるべき課題であると認識していると述べました。人事制度の改定なども含め、現在模索を続けているとのことです。
第二部：北上工場見学
パンチ工業の国内マザー工場である北上工場の製造現場を見学しました。さまざまな工作機械を見学し、精密加工技術や品質について理解を深めました。
盛岡セイコーの自社工場と比較することで、有意義な意見交換の機会となりました。
イベント開催の経緯
パンチ工業と盛岡セイコーは、岩手県に拠点を置くこと、同業種であること、企業規模が同程度であること（社員数約700名）、そして社員の男女比率が同程度であること（女性比率約25％）などの共通点があります。
株式会社aiびじねすから情報交換の機会をいただいたことをきっかけに交流が始まりました。企業内での女性活躍推進は急務である一方、各企業における女性活躍はなかなか進まない現状を踏まえ、両社の取り組み事例を学び、ダイバーシティ推進の契機となるようイベントが開催されました。
第一弾として2025年2月にも同テーマで交流会を行い、盛岡セイコーの工場を見学しています。
パンチ工業のDE&I推進
パンチ工業は、2025年5月に創業後初となる長期ビジョン「Vision60」を策定しました。これは、創業50周年を迎え、10年後の60周年に向けて企業としての「ありたい姿」を定めたものです。
「Vision60」では、多様な人材が自律的に活躍し、信頼とつながりに基づく職場文化の中で企業価値最大化に貢献する組織を、人的資本経営のありたい姿として掲げています。DE&I推進（多様性、公平性、包容性）は、同社が目指す人的資本経営の柱の一つとなっています。
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
育児や介護の制約のある社員を含め、多様な社員の能力を最大限引き出し、一人ひとりが能力を発揮できる就業環境の整備を目指しています。女性管理職比率を2030年までにできるだけ女性在籍比率に近づけること、男性の育児休業取得率を2030年までに75％以上にすることなどを目標値に掲げています。
研修や育児とキャリアの両立支援などの施策も行っています。パンチ工業の一般事業主行動計画は、厚生労働省のウェブサイトで閲覧できます。()
女性社員ステップアップ研修
女性役職者の育成強化、部署を超えたネットワーク形成、コミュニケーション醸成などを目的に開催されています。今年度はオンラインから対面に変更し、参加者からは「チャレンジする意欲が高まった」「視野が広がった」といった声が上がりました。
盛岡セイコー工業株式会社について
時計事業や電子デバイス、スポーツなどのタイム計測機器など、幅広い精密機器事業を手掛けるセイコーグループのグループ会社です。ウオッチおよび同部分品を中心に時計事業を展開しています。
岩手県雫石町に位置し、機械式腕時計などに組み込まれる精密部品の製造から組み立てまで一貫製造を行っています。
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