次世代モビリティ研究開発を加速する新拠点
電子計測器の製造・販売を手掛ける株式会社小野測器は、2025年12月18日に、愛知県豊田市緑ヶ丘に建設予定の「中部リンケージコモンズ（CLC）」の地鎮祭を開催したとのことです。
CLCは、自動車産業の中心地である中部エリアにおいて、東京大学と共同開発する世界最高水準の制御技術を導入する予定です。小野測器は、この拠点を技術開発の第3の拠点として位置づけ、次世代モビリティ開発を加速させたいと考えています。
また、CLCは共創パートナーと連携した研究開発の拠点としても機能します。技術者や研究者が集い、未来に向けた革新的なアイデアを生み出す「開かれた事業所」を目指しています。
Ms.ガジェット最先端の試験設備を導入
CLCは本館と実験棟で構成されます。実験棟には、静粛性に優れたNC-30相当（建築音響における静けさの指標）の大型半無響室と、路面状況を再現する「RC-S（Real Car Simulation Bench）」を組み合わせた最先端の実験室を設置する予定です。
RC-Sは可動式となっており、用途に応じてレイアウトを変更できます。これにより、実走行に近い環境で高精度なNV（騒音・振動）計測が可能となり、電動車両の微細な振動・騒音解析にも対応できるとのことです。
小野測器は、東京大学との「社会連携講座」を通じて、電動車両の振動計測制御に関する共同研究を進めています。この研究で得られた制御技術を、CLCの試験設備に順次実装していく計画です。
Ms.ガジェット共創パートナーとの連携を強化
CLCでは、2027年秋の稼働後、本館や実験棟とは別に、ユニットハウスで構成された「共創ヴィレッジ」を設ける予定です。この共創ヴィレッジは、共創パートナーが集まり、共同研究を実施するためのスペースとして提供されます。
小野測器は、地域との連携やつながりを重視し、共創パートナーを積極的に募集する方針です。顧客との密なコミュニケーションを通じて、新たな価値を創造することを目指しています。
また、本事業は、2025年3月に愛知県豊田市の「豊田市企業立地奨励事業者」に指定されました。これは、同市が産業の多角化と高度化を目指し、企業立地を支援する制度です。
Ms.ガジェット関係者のコメント
小野測器の代表取締役社長である大越祐史氏は、「私たちのビジョンは『人とテクノロジーのより良い関係を支え、サステナブルな社会の実現を加速させる』ことです。中部リンケージコモンズは、お客様との『共創』を生み出す場です。」とコメントしています。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の特任講師である永井栄寿氏は、「小野測器と東京大学は2022年10月に『電気自動車の振動計測制御に関する社会連携講座』を開始しました。今後、普及が期待される自動運転機能が搭載された自動車には、より高い乗り心地の制御が求められます。」と述べています。
Ms.ガジェットCLCの基本情報
名称：中部リンケージコモンズ（Chubu Linkage Commons／CLC）
建設地：愛知県豊田市緑ヶ丘7丁目18番地
敷地面積：4534.51平方メートル
建設費：総額23億円
着工：2025年12月
竣工予定：2027年4月
稼働予定：2027年9月
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