通信しながらネットワークを監視する新技術
NTT株式会社は、光ネットワークの受信端に設置される小型光トランシーバを活用し、通信を行いながらネットワーク全長の状態を可視化する技術を開発しました。この機能を通信用デジタル信号処理(DSP)チップに搭載することに世界で初めて成功しています。

従来、光ネットワークの異常損失箇所を把握するには、OTDR(光パルス試験器のこと)などの専用測定器が必要でした。今回の技術により、専用の測定器を別途用意することなく、受信端の小型光トランシーバのみで1,000km超にわたる異常箇所の特定が可能となっています。
Ms.ガジェット計算処理量を大幅に削減しチップへの搭載を実現
これまでも光トランシーバの信号から状態を可視化する研究は進められていましたが、実現には莫大な計算リソースが必要でした。NTTは独自技術を用いて計算処理量を従来比100分の1に削減することで、消費電力や実装面積に制限のある通信用DSPチップへの搭載を実現しています。

本成果は、光通信技術に関する国際会議「OFC2026」において、ポストデッドライン論文として採択・発表されました。実証実験では、標準的な通信信号を受信・処理するだけで、最大1,005kmに及ぶ光ネットワークにおける複数の光パワー異常を特定できることが確認されています。
- 通信品質や消費電力への影響なし
- マルチベンダ環境での正常動作を確認
- 1,000km超のエンドツーエンド監視が可能
Ms.ガジェットAI時代の基幹インフラを支える運用保守へ
今回の技術は、NTTイノベーティブデバイス社製の「800GコヒーレントDSP」に実装されました。OSFP(小型光トランシーバの形状規格の一つ)を用いた環境で、他社製の光トランシーバからの送信信号を受信した場合でも正常に動作することを確認済みです。
NTTは今後、IOWN APN(光波長パスを提供する次世代ネットワーク)をはじめとした環境への実装を進める方針です。光トランシーバが「自ら異常を見つける」ことで、AI時代の広域・大容量ネットワークにおける常時監視と自律運用の実現を目指すとのことです。
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NTT、光ネットワーク全長を可視化するDSPチップを開発
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