株式会社ノーチラス・テクノロジーズや株式会社野村総合研究所、株式会社インターネットイニシアティブをはじめとする各社は、2026年7月27日、フォーミュラカーレース「KYOJO CUP」の決勝レースを舞台にした、次世代リアルタイム映像配信システムの実証実験を共同で開始すると発表しました。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)主導のプロジェクトの一環として実施されるものです。
本番レース環境におけるローカル5GとPhysical AI制御の概要
本実証では、レース中の車載カメラやテレメトリーユニットからの4K映像とデータをローカル5Gによってリアルタイムに取得し、AIが適切な編集や選択、情報の付与を瞬時に行う仕組みの検証が行われます。富士スピードウェイの実測データに基づく詳細な物理3Dモデルを活用し、映像とデータを統合処理する「Physical AI」を利用するとのことです。
これにより、サーキットで観戦している観客に対して「最もエキサイティングな映像」をその場で届けるライブ感あふれる新しいユーザー体験の提供を目指しています。また、すべての工程をオープン系システムとAIで処理するため、従来の場内配信に必要だった専用スタジオや専門人員が不要になるとしています。
Ms.ガジェットシステムの構成と各社の役割
当システムでは、競技に参加するフォーミュラカーに装備されたテレメトリーユニットと車載カメラから、ローカル5G網を利用してデータと4K映像が場内のCPUサーバーに転送され、超高速データベース(RDB)である「劔"Tsurugi"」に格納されます。
同時に、富士スピードウェイのサーキット3Dデータを保持する時空間データ基盤「GeoCLOVER」と連携し、光ネットワークを介して接続されたリモートGPUを呼び出す仕組みとなっています。格納されたデータから、Physical AIが最もエキサイティングな映像を即座に判断し、クライアントアプリケーションに指示を出す構成となっています。
当システムにおける各社の主な役割は以下のようになっています。
- ノーチラス:全体統括、ミドルウェア提供・システムアーキテクチャ統括
- NRI:先端技術の産業ポテンシャル評価、社会実装に向けた戦略策定
- IIJ:ローカル5G構築、サーバー環境提供、富士スピードウェイ内インフラ統括
- 1Finity/富士通:APN機器、光ネットワークインターフェースカードの提供・構築
- ギリア:AI開発・配信アプリケーション開発
- 東京電力パワーグリッド・中部電力パワーグリッド:光ネットワーク、連携基盤インフラ提供
- 三菱電機:3Dモデル作成提供
- M-TEC:テレメトリーユニット、車載カメラ提供
Ms.ガジェット各構成テクノロジーの特徴
本実証で採用されている各テクノロジーには、それぞれ重要な役割があります。ローカル5Gについては、基地局信号との正確な同期や通信帯域の安定的な確保が要求され、製造現場のOT分野などへの応用も視野に入れているとのことです。
また、大容量データを低遅延に伝送できるオールフォトニクスネットワーク(APN)を活用し、1Finityが開発中の光ネットワークインターフェースカードを導入します。これにより、従来のサーバー間通信に必要となるルータ等を介さず、100km超離れたサーバー間を光信号のまま直接接続することでさらなる低遅延化を実現するとしています。
中核となる超高速RDBの「Tsurugi」は、NEDOの支援により開発された国産オープンソースの次世代RDBであり、リモートGPUをRDBからシームレスに利用できる仕組みを内包している点が特長となっています。さらに、ギリアが担当する超低遅延AIスコアリングや、三菱電機の時空間データ基盤「GeoCLOVER」が連携することで、高度なリアルタイム処理を実現しています。
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