タイガー魔法瓶は2026年8月19日、同社初の全自動コーヒーメーカー「ADG-A060」の新製品発表会を開催しました。豆を挽く工程から抽出までを一台で行いながら、DRIP(透過)とHOLD(浸漬)を使い分ける「HYBRID BREW」を採用したモデルです。
ただし、ハイブリッド抽出そのものがADG-A060で初めて登場したわけではありません。2024年発売のADF-A060にも、DRIPとHOLDを弁で制御する仕組みが採用されています。ADG-A060の新しさは、従来の抽出思想を引き継ぎながら、豆を挽く工程から抽出までを自動化し、無段階ミルとDecafを含む4メニューを一台にまとめ、利用者が挽き目を調整できるようにした点にあります。
ADG-A060の新しさは、ハイブリッド抽出自体の初出ではなく、既存の抽出思想を豆から挽く全自動機に取り込み、無段階ミルやDecafを含む4メニューと組み合わせ、調整の余地を残した点にあります。
タイガー初の全自動「ADG-A060」、発表会で見えた狙い
ADG-A060の発表会は2026年8月19日に開催されました。製品は同社初の全自動コーヒーメーカーと位置づけられ、豆を挽く工程から抽出までを一台で行えることが大きな出発点になっています。
ここでいう「初」は、タイガー魔法瓶の全自動コーヒーメーカーという範囲です。ハイブリッド抽出も同機で初めて登場したという意味ではありません。ADG-A060では、従来の抽出思想を受け継ぎながら、豆を挽く工程まで一台にまとめています。
発表会では、製品説明に加えて4メニューの比較試飲も行われ、粕谷哲氏の説明に基づき、抽出方式による味わいイメージの違いが提示されました。
ハイブリッド抽出は、DRIPとHOLDを弁で切り替える
HYBRID BREWの基本は、DRIPとHOLDという二つの抽出方式です。DRIPは湯をコーヒー粉の層に通す透過式、HOLDは湯を一定時間とどめる浸漬式にあたり、ADG-A060は弁の制御によって両者を使い分けます。


タイガー魔法瓶は、DRIPでは苦味・酸味・香りを、HOLDでは甘みやコクを引き出すという味づくりの考え方を示しています。ただし、これはメーカーによる抽出設計の説明です。豆の種類や挽き目などの条件にかかわらず、常に同じ味になることを保証するものではありません。
大切なのは「ハイブリッド」という言葉だけではなく、選ぶメニューによってDRIPとHOLDの組み合わせが変わる点です。味の方向を理解するには、後述するメニューごとの抽出方式が手掛かりになります。
新しいのは「豆から」と「Decaf」—ADF-A060からの継承点
ADG-A060を理解するうえで、2024年発売のADF-A060は欠かせません。タイガー魔法瓶の公式発表では、ADF-A060ですでにHYBRID BREWが採用され、DRIPとHOLDを弁で制御していました。したがって、ADG-A060を「ハイブリッド抽出を初採用した製品」と捉えるのは正確ではありません。

ADG-A060で新たに加わったのは、豆を挽く工程まで一台に統合したこと、細挽きから粗挽きまで連続的に調整できるミルを備えたこと、そしてRich・Strong・Decaf・Icedの4メニューを用意したことです。従来の抽出思想を残しつつ、豆を挽く工程と、挽き目やメニューを選ぶ機能を一台の全自動機にまとめたと整理できます。
一方で、同じメニュー名でも抽出方式が機種間で同一とは限りません。ADF-A060のIcedはハイブリッド方式ですが、ADG-A060のIcedはHOLDを使う浸漬式です。この機種差を押さえておくと、「前機種の仕組みをそのまま全自動化しただけ」と単純化せずに済みます。
Rich・Strong・Decaf・Icedは、味だけでなく抽出の流れが違う
ADG-A060の4メニューは、単に味の濃さを変える名称ではありません。メニューごとに使う抽出方式も異なります。

| メニュー | 抽出方式 |
|---|---|
| Rich | DRIPとHOLDを組み合わせるハイブリッド |
| Strong | DRIPによる透過 |
| Decaf | HOLDによる浸漬 |
| Iced | HOLDによる浸漬 |
Richは二つの流れを組み合わせ、Strongは透過、DecafとIcedは浸漬を使います。メニューを選ぶことは、メニュー名が示す味の方向性だけでなく、抽出の流れそのものを選ぶことでもあります。
メニューごとの保持時間、湯温、湯量など、詳細な制御条件は明らかにされていません。同じ豆でどの程度の差が出るのかは、発売後に条件をそろえて確かめたい点です。
粕谷哲氏が提案した、全自動に「ひと手間」を足す方法
発表会では、バリスタの粕谷哲氏が、全自動の手軽さを残しながら調整を楽しむ方法を紹介しました。

粕谷氏は、Grindメニューで挽いた粉を軽くならしてから粉用の抽出工程へ進む方法と、挽き目を中央付近から試して好みに合わせる方法を提案しました。
挽き目は、力強い味わいを求める場合は細かく、軽やかな味わいを求める場合は粗くするという考え方です。これは粕谷氏による提案であり、すべての豆に共通する唯一の正解や、取扱説明書上の必須手順ではありません。
この話から見えるADG-A060の特徴は、「ボタンを押せば終わり」という全自動の手軽さに加え、挽き目を調整する余地を残していることです。まず中央付近から試し、豆や好みに応じて挽き目を調整できます。発売後は、その調整が再現しやすいか、日常的なひと手間として続けやすいかを確認する必要があります。
比較試飲で語られた、香り・甘み・口当たりの違い
発表会では4メニューの比較試飲が行われ、粕谷哲氏が抽出方式によって香りや甘み、口当たりがどう変わるのかを説明しました。

粕谷氏は、透過式は成分を溶け出させる力が強く、浸漬式は口当たりや厚みを生みやすいと説明しました。また、二つを組み合わせることで、すっきりした飲みやすさに甘みやコクを加えるという考え方も示しています。
イベント内で提示された比較情報からは、抽出方式によって味わいの印象が変わる可能性が示されました。
一方で、比較に使った豆量、挽き目、湯量、温度、抽出量、試飲順などの全条件までは確認できていません。
会場での試飲結果だけで「ADG-A060の方が優れている」とまでは断定できません。豆や挽き目をそろえた条件で同等に比較できるかどうかも、発売後に再検証が必要です。
発売前に確認したい価格・仕様・販売条件
全自動コーヒーメーカー<HYBRID BREW>ADG-A060
ADG-A060は、タイガー魔法瓶の正式リリースで2026年10月1日の発売予定と案内されています。2026年9月1日は発売予定日前であり、この時点でEC上に販売中の表示がないことは発売前として正常な状態です。販売終了、在庫切れ、取り扱いなしを意味するものではありません。

価格の表記は、資料の種類と意味を分ける必要があります。2026年8月19日付の正式リリースでは「オープン価格」とされ、希望小売価格を定めていないことが注記されています。一方、発表会の投影資料にある製品概要書では「想定売価39,600円(税込)」と示されています。39,600円は発表会資料上の想定売価であり、希望小売価格や発売後に確定した実売価格へ読み替えることはできません。
定格容量は0.85L、消費電力は911Wです。本体寸法は約16.0×33.3×41.2cm、質量は約3.6kgで、コーヒーカップ1〜6杯に対応します。設置を考えるときは横幅だけでなく、奥行きや高さ、給水や豆の補充に必要な上部・周囲の空間も確認したいところです。
最新の製品情報は、タイガー魔法瓶のADG-A060公式製品ページで確認できます。
在庫、販売経路、配送条件、発売後の実売価格は、発売後に販売ページで確認する必要があります。
現時点で判断できるのは、製品の抽出設計、基本仕様、発売予定日、正式リリースと発表会資料での価格表記の違いまでです。購入判断には、実際の販売条件に加え、置き場所、日々の手入れ、豆を切り替えるときの扱いやすさを確認する必要があります。
まとめ—発売後に確かめたいのは、調整の楽しさと毎日の手間
ADG-A060の新しさは、ハイブリッド抽出自体の初出ではなく、既存の抽出思想を豆から挽く全自動機に取り込み、無段階ミルやDecafを含む4メニューと組み合わせ、調整の余地を残した点にあります。
ADG-A060は、DRIPとHOLDを使い分け、4つのメニューごとに抽出方式が変わります。発表会では、粕谷氏が粉ならしと挽き目調整を提案し、比較試飲を通して抽出方式による味の違いを説明しました。
一方、毎日の準備や洗浄にどれだけ手間がかかるのか、ミルの音や粉残りはどうか、豆を替えたときに好みの味を再現しやすいかは、まだ評価できません。発売後は、Rich・Strong・Decaf・Icedを同じ条件で比べることに加え、挽き目調整の分かりやすさと、使い続けるうえでの負担を確かめる必要があります。
ADG-A060を検討するなら、「多機能」という言葉だけで決めず、調整の楽しさと全自動の手軽さが毎日の運用で両立するかを、発売後に実機で確かめてみてください。
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