三菱電機株式会社が発表した「DOC(Direct Ocean Capture:海水を介した大気中からのCO2回収)」システムは、海洋がCO2を吸収するメカニズムを活用した技術です。海水中の溶存無機炭素を回収することで海水のCO2濃度を低下させ、大気から海洋への吸収を促進する仕組みとなっています。
今回確立された技術では、海水に水素イオンを導入して酸性度を一時的に上昇させ、CO2を気体として回収する「酸性化アプローチ」が採用されています。この手法は、固体として回収する手法と比較して、CO2の貯留や合成燃料・工業原料への変換といった利活用が容易であると説明しています。
Ms.ガジェット海水中のCO2濃度が大気中の約140倍という特性に着目した、非常に効率的なアプローチですね。
目次
開発の主な特長
本技術には、早期の社会実装と事業化を見据えた複数の特長が盛り込まれています。主なポイントは以下の通りです。

- CO2を気体として回収する「酸性化アプローチ」を採用し、貯留および利活用への応用を容易化
- 回収プロセスで漏れたCO2を再循環させることで損失を抑制
- 海水中の有価資源を副産物として抽出する基礎技術を開発し、収益構造の多様化を図る
- 海水淡水化プラントや発電所など、既存の海水取水インフラへの統合を容易にするシステム構成を採用
Ms.ガジェット有価資源を同時に抽出することで、環境負荷を抑えつつ事業としての収益性も追求する仕組みは合理的です。
今後の展開について
三菱電機は、今回の基礎技術開発完了を受け、今後は沿岸でのフィールド試験に向けた取り組みを進めるとしています。あわせて、早期の実用化および商業化に向けた協業パートナーの募集を開始しました。

同社によると、開発の初期段階から既存インフラとの統合を重視した設計を行うことで、設備投資を抑制しながら広範な社会実装を目指すとのことです。カーボンニュートラルおよびネイチャーポジティブ(自然資本の損失を食い止め、回復させること)の実現に向けた重要な技術として、開発が継続されています。
Ms.ガジェットフィンランドの研究機関との国際的な協業により、わずか1年半で基礎技術を完遂させたという点は注目に値します。

DOCシステム
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