ケミカルルーピング方式によるCO2還元技術の進展
三菱電機株式会社は、国立大学法人東京科学大学(以下、Science Tokyo)と共同で、ケミカルルーピング方式におけるCO2還元反応モデルを構築し、反応の高速化に成功したと発表しました。ケミカルルーピング方式とは、酸素キャリア(酸素を運ぶための媒体)を介して二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)に変換する還元反応と、酸化反応を別々に繰り返し行う手法のことです。

近年、カーボンニュートラルの実現に向け、排出されたCO2を回収して資源として再利用するCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)技術への期待が高まっています。両者は2025年2月から同方式によるCO2還元技術の実証試験を進めてきました。
Ms.ガジェットレアアースを使用せず反応速度を1.8倍に向上
従来のケミカルルーピング方式では、金属表面の酸化により反応速度が低下する課題がありました。これを補うために、レアアースなどの高価な重要鉱物が添加されていましたが、コスト増や地政学リスクが社会実装の妨げとなっていました。

今回、両者は反応金属ではなく、担体(活性物質を固定する土台)の役割に着目しています。イオンと電子の両方を運べる性質を持つ「鉄置換チタン酸カルシウム(CTFO)」を担体に適用することで、以下の成果を得たとのことです。
- レアアース等の重要鉱物を使用せず、反応温度800℃においてCO2還元反応速度を従来比1.8倍に向上
- 反応速度の向上により、CO2還元反応器を通過する時間を約半分に短縮
- 装置の小型化や設備コストの低減に寄与
Ms.ガジェット今後の社会実装に向けた展望
今回の開発成果は、反応温度800℃における特性として、以下のようにまとめられています。

| 材料 | 特徴 |
|---|---|
| CTFO | 開発品(鉄置換チタン酸カルシウム) |
| YSZ | 比較対象(イットリウムを含むレアアース) |
| CTO | 比較対象(鉄置換なし) |
| α-Al2O3 | 比較対象(絶縁体) |
三菱電機は今後、実証試験を通じて社会実装に向けた課題を整理し、反応器の開発や酸素キャリア粒子の高性能化を進める予定です。また、メタノール等の化学品や燃料生成などへの応用も視野に入れ、2029年度以降の社会実装を目指すとしています。なお、本成果は論文誌「Chemical Engineering Journal」の6月15日付Volume 538に掲載される予定とのことです。
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三菱電機と東京科学大学、CO2還元反応の高速化に成功
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