ハイテクインター株式会社、株式会社ジツタ中国、国立研究開発法人土木研究所は2026年8月6日、通信装置として施工現場および操縦卓の両端に低軌道衛星通信端末(Starlink Mini)を用い、8000km離れた遠隔地からの建機操縦に世界で初めて成功したと発表しました。
背景と技術的な取り組みについて
建設業界では日本や欧米を含め建設労働者の不足が課題となっています。このため、作業員や熟練者不足へ対応するために建設現場の自動化や遠隔化による省人化が重要となっています。特に山間部や災害現場など、通信インフラの整備が困難な地域では、低軌道衛星通信回線の利用が期待されています。しかしながら、このような通信回線を用いて遠隔施工を行う場合、通信回線の帯域の制約や安定性、映像コーデックの遅延が遠隔施工の効率に大きく影響します。

この課題を解決するため、ハイテクインターでは伝送エラーがある環境でも低遅延でネットワークの帯域以内で最大限高品質な映像を伝送可能なBAERT(Bandwidth Adaptive and Error Resilient video Transmission)技術を開発しています。今回、ネットワーク帯域がダイナミックに変動する場合も最適な映像符号化制御を行う方式を新たに研究開発し、これまでのBAERT技術と統合したBAERT 2.0としてビデオエンコーダLVRC-4000に実装したとのことです。
これにより、ネットワークが混雑し帯域が急低下した場合でもその帯域に最適な符号化制御を行うことにより、再生画像が停止したり劣化したりすることなく伝送することが可能となっています。
Ms.ガジェット実証実験の概要について
実証実験は茨城県つくば市のつくば建設DX実験フィールドにおいて実施されました。建機1台に4台のハイビジョンカメラを搭載し、LVRC-4000でこれらの映像を圧縮し、さらに現場を俯瞰するためのハイビジョンカメラ1台を設置し、合計5台のカメラ映像をStarlink Mini 1台で伝送しています。

インターネットを介して約8000km離れたオーストラリア・シドニー郊外の実験場に設置したStarlink Mini 1台で受信し、映像と建機の制御信号の伝送を行いました。シドニー郊外の実験場では建機の映像、俯瞰カメラ映像およびマシンガイダンス情報を元に、オペレータが国内での遠隔操縦と違和感なく建機を操縦し、超遠隔地からも1台のStarlink Miniを用いて効率的かつ低コストに建機を操縦できることが確認されたとしています。
Ms.ガジェット今後の展開について
ハイテクインターなどでは、今回の成功をもとに国内外の施工現場での実証を進める方針です。また、遠隔施工に必要な機器の設置調整や運用のさらなる効率化や高度化を図り、現場におけるDX推進に貢献していく予定とのことです。

なお、本実証実験は国土交通省SBIR(Small Business Innovation Research)建設技術研究開発助成制度の委託を受けて実施されたものとなっています。
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