目次
2.0kWの出力を実現した新たなLDバー
浜松ホトニクス株式会社は、これまで培ってきたレーザダイオード(LD)の高出力化技術と、新たな製造技術を組み合わせることで、幅1cmのLDバーから室温で2.0kWの擬似連続波(光を短時間ずつ断続的に出力する動作を高速で繰り返す方式)を出力することに成功したと発表しました。

同社によると、この数値は2022年にドイツの研究機関が達成した1.9kWを上回る、世界最高クラスの記録とのことです。今回の成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEDO先導研究プログラム/フロンティア育成事業」の委託を受けて実施された研究によるものです。
Ms.ガジェットわずか1cmの幅で2.0kWもの出力を実現するというのは、非常に高い技術力を感じさせるニュースですね。
LDバーの技術的背景と測定条件
LDバーとは、複数のLD構造を並べて作り込んだ発光素子のことです。産業用途ではこのLDバーを積層した「LDバースタック」が利用されており、特に大出力固体レーザの励起光源として重要な役割を担っています。

今回、同社はLDの結晶構造や組立技術を工夫するとともに、LD端面の劣化を抑制する処理技術を採用しました。なお、今回の測定条件は以下の通りとなっています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| バー幅 | 1cm |
| 構造 | シングルジャンクション型 |
| 波長 | 約940nm |
| 動作 | 擬似連続波(QCW) |
| 冷却水温度 | 18℃(室温) |
Ms.ガジェット冷却水温度18℃という条件下での測定ですが、産業用レーザとしての進化を裏付ける貴重なデータですね。
今後の研究開発と応用分野
浜松ホトニクスでは、今回の成果を活かして、さらなる高出力化に向けたマルチジャンクション型(発光の中心となる接合部を複数重ねた構造)LDバーの研究開発を加速させるとしています。

今後の展望として、以下の分野への展開や寄与が期待されています。
- 産業用レーザ加工装置の高度化
- 固体レーザの励起光源としての利用
- 高エネルギー光源が必要な先端分野におけるプロセス開発
- 宇宙および先端科学分野での応用拡大
なお、今回の研究成果は2026年6月14日からフィンランドのタンペレ市で開催される国際会議「The 30th International Semiconductor Laser Conference 2026」にて発表される予定です。
Ms.ガジェットマルチジャンクション構造への発展により、さらなる高出力化が実現すれば、産業界へのインパクトも大きくなりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
- 本記事の評価は当サイト独自のものです。
- 特段の表示が無い限り、商品の価格や情報などは記事執筆時点での情報です。
- この情報が誤っていても当サイトでは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
- 当サイトに記載された商品・サービス名は各社の商標です。
- 本記事で使用している画像は、メディアユーザーとしてPR TIMESより提供されたプレスリリース素材を利用しています。

