AIサーバーの信頼性評価ニーズの高まり
エスペック株式会社は、2025年12月より、AIサーバーの信頼性評価用として、高発熱負荷に対応した恒温恒湿室ウォークインチャンバー2機種を発売しました。生成AIの活用が広がるにつれてAIサーバーの需要は増加しており、社会インフラとしての重要性が高まっています。
AIサーバーに搭載される高性能半導体は、高集積化・高密度化により発熱量が増大傾向にあります。そのため、サーバーの使用環境はより過酷になり、開発および品質評価の過程における信頼性確保のための試験需要が増加しています。
また、サーバーの信頼性評価方法としては、試験規格ASHRAE（アメリカ暖房冷凍空調学会が定める規格）が推奨されており、この規格に適合し、かつ高発熱負荷に対応した装置が求められています。
Ms.ガジェット新ウォークインチャンバーの特長
今回発売されたウォークインチャンバーは、AIサーバー稼働時の発熱負荷（30kW、60kW）を想定し、独自の制御システムにより精密な温湿度制御を実現しています。これにより、試験規格ASHRAEに適合した試験を実施することが可能です。
新たに採用された空気循環方式は、AIサーバーの排熱による試験への影響を低減し、試験室内の均一な温湿度環境を実現します。また、槽内の排熱が室内に滞留することなく効率的な試験を行うことが可能です。
さらに、新たに開発された空調システムを搭載することで、装置の消費電力を抑え、省スペース化にも貢献しています。この製品は、発熱量の高い高性能半導体や電源を搭載するAIサーバーの信頼性確保に役立つと期待されています。
Ms.ガジェット技術的な詳細
このウォークインチャンバーは、高温高湿条件下（例：40℃95％）において、AIサーバーの稼働時の発熱負荷（30kW、60kW）に対しても、試験室内温度分布を均一に保つことができます。
槽内空気の循環方式では、天井部にダクトを設け、AIサーバーの吸込みエリアに吹き出し口を装備しています。合わせてサーバー前後のエリアを区切る仕切板を設置することで、サーバーから発生する排熱の回り込みを防止し、吸込み温度分布を均一に保ちます。
また、空調器の吸い込み部の壁全面にパンチング板を装備することで、槽内の排熱を滞留することなく効率的に回収できる構造を実現しています。空調システムは、既存のシステムに温水クーラーを追加することで、標準的な空調器で対応可能となり、冷凍機の機器容量の小型化を実現しています。（特許出願中）
Ms.ガジェット今後の展開
エスペック株式会社は、今後も環境試験器のトップメーカーとして、AI半導体やデータセンターなどの先端技術分野の課題解決や発展に貢献する環境配慮型製品・サービスの提供・拡充に向けて取り組んでいくとしています。
半導体関連装置のラインアップは、同社のウェブサイトで確認できます：https://www.espec.co.jp/products/search/market/semiconductor/
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