欧州投資銀行とSTマイクロエレクトロニクス、大規模融資で協調
欧州投資銀行(EIB)とSTマイクロエレクトロニクスは、ヨーロッパの競争力強化と戦略的自律性の向上を目指し、総額10億ユーロの融資契約を締結しました。この融資は、ヨーロッパの半導体業界を強化するためのもので、EUの目標達成に貢献すると期待されています。
今回の融資の第一弾として、5億ユーロがイタリアとフランスの研究開発、およびチップの量産を支援するために割り当てられます。EIBとSTマイクロエレクトロニクスはこれまでにも協力関係を築いており、今回の合意で総融資額は約42億ユーロに達しています。
STマイクロエレクトロニクスの事業展開とEIBの支援
STマイクロエレクトロニクスは、自動車、産業機器、パーソナル電子機器、通信インフラなど幅広い市場に半導体を提供する主要メーカーです。イタリア、フランス、マルタなどのヨーロッパ諸国で事業を展開しています。
EIBは1994年以降、STのプロジェクトを9回にわたり支援しており、今回の融資はそれに続くものです。今回のプロジェクトでは、STが研究開発と大規模量産を進めるイタリアとフランスの拠点に重点が置かれます。具体的には、カターニャ工場やアグラテ工場、クロル工場などでの量産能力向上と、研究開発への投資が支援されます。
関係者のコメント
EIBのバイスプレジデントであるGelsomina Vigliotti氏は、ヨーロッパが半導体イノベーションを主導する能力は、競争力、レジリエンス、気候変動目標の達成に不可欠であると述べています。今回の合意は、脱炭素社会やデジタル化、ヨーロッパの技術的主権強化に向けたEIBの取り組みを反映したものです。
STの社長兼CEOであるJean-Marc Chery氏は、ヨーロッパの半導体開発エコシステムの強化に継続的に取り組んでいると表明しています。EIBからの融資は、同社の差別化技術の研究開発と大規模量産を強化する上で重要な役割を果たすと期待されています。
また、EIBのバイスプレジデントであるAmbroise Fayolle氏は、半導体が現代経済の中心であり、電気自動車からデジタルインフラまであらゆるものを駆動させていると指摘しています。EIBは、STの研究開発と先進的な製造技術への融資を通じて、ヨーロッパにおける重要技術の保護と、高度な技能を要する雇用の創出に貢献すると述べています。
Ms.ガジェットSiCバリューチェーンと今後の展望
今回の合意は、EIBの代表団がSTのカターニャ工場を訪問した後に締結されました。この工場は、SiC(シリコンカーバイド)バリューチェーン全体をカバーする最先端施設であり、EIBによる融資の主な対象となっています。
EIBは、EUの政策目標に貢献する投資を積極的に行っています。具体的には、気候変動対策、デジタル化、安全保障、結束政策、農業、社会インフラなど、幅広い分野を支援しています。2024年には、900件以上のプロジェクトに対して約890億ユーロの新規融資契約を締結し、ヨーロッパの競争力と安全保障を促進しました。
EIB Groupは、欧州投資ファンド(EIF)も傘下に置いており、スタートアップ企業やスケールアップ企業向けの成長資本として1100億ユーロを集約しています。融資を受けるすべてのプロジェクトは、気候変動に関する「パリ協定」に沿った取り組みを行っています。
Ms.ガジェットSTマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、約50,000名の従業員を擁する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力し、ビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発に取り組んでいます。
同社のテクノロジーは、幅広い分野で活用されており、スマート・シティ、持続可能なモビリティ、産業オートメーション、電力・エネルギー管理など、様々な課題解決に貢献しています。STは、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有し、高品質な製品を提供しています。
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