WPT実証評価試験の実施について
電気興業株式会社は、総務省委託研究「空間伝送型ワイヤレス電力伝送の干渉抑制・高度化技術に関する研究開発」の一環として、参画する研究機関と連携し、2025年12月15日から19日まで、横須賀リサーチパーク(YRP)にてWPTの実証評価試験を実施しました。

本試験は、各研究機関が個別に評価してきた研究成果を、実際のWPT設置環境を模擬したYRP実証フィールドで検証し、研究機関外の環境への適用可能性を確認することを目的としています。
試験の概要
試験では、会議室内に5.7GHz帯WPT装置、ホール中央に24GHz帯WPT装置を設置しました(両装置とも実験試験局免許を取得済み)。

給電空間に加え、壁を隔てた隣室空間や、電磁波防護シートを設置した屋外模擬空間など、複数の評価環境を設定し、検証を行いました。
これにより、様々な環境下でのWPTの性能を評価することが可能となりました。
Ms.ガジェットWPT技術への期待と背景
空間伝送型ワイヤレス電力伝送(WPT)は、電池やケーブルを使用せずに多数の機器へ効率的に給電できる次世代技術として注目されています。

総務省は、WPTの普及を推進するため、920MHz帯、2.4GHz帯、5.7GHz帯をWPT向けに割り当てています。
普及拡大に向けては、人や無線通信との共存、複数システム導入、影響推定の精緻化、導入環境の評価方法といった課題が残っており、本委託研究では、11の研究機関が連携し、利用効率を10倍に高めることを目指しています。
Ms.ガジェット実施機関と評価内容
電気興業株式会社は、5.7GHz帯および24GHz帯のWPT装置を提供しました。

株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、給電点およびYRP1番館1F全体のWPT電力評価を実施しました。
国立大学法人東北大学は、各評価信号のスペクトラム観測を行いました。
学校法人金沢工業大学は、受電電力の実証・デモ評価(USB出力を用いたスマートフォン充電など)を実施しました。
学校法人日本工業大学は、スケジューリングアルゴリズムの実装・実証評価を行いました。
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、無線LAN機器を用いたWPT 5.7GHzとの干渉・モニタの実証評価を行いました。
大成建設株式会社は、シミュレーション精度検証のための測定を実施しました。
具体的には、同社製24GHz帯WPT装置と金沢工業大学のレクテナアレーによる受電評価、5.7GHz帯WPT装置と日本工業大学のスケジューリングアルゴリズム受電評価などが行われました。
Ms.ガジェット今後の展望
本実証評価試験は、総務省の「電波資源拡大のための研究開発」における委託研究の成果の一部です。
電気興業株式会社は、今後もワイヤレス給電技術の高度化と社会実装を見据えた研究開発に取り組んでいくとしています。
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