2025年に登場したAnkerの5ポート充電器。USB-C非搭載、QCのみ対応という特異な存在。その"Speed"の実態を厳しく検証します。
PowerPort Speed 5のスペック
| ブランド | Anker |
|---|---|
| 合計最大出力 | 63W |
| 単ポート最大出力 | 18W |
| ポート構成 | USB-C × 0, USB-A × 5 |
| 対応規格 | QC |
| サイズ | 75 × 102 × 28 mm |
| 重量 | 205g |
| 出力観点のコンパクトさ | 0.29 W/cm³ |
PowerPort Speed 5の評価

USB-Aデバイス救済の「最後の砦」か
本機最大の「特徴」は、USB-Aポートが5つも並んでいる点です。USB-Cが主流となった今、旧世代のスマートフォンやワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリーなど、未だUSB-A接続を必要とする機器を複数所有しているユーザーにとって、まとめて給電できるメリットは確かにあるでしょう。合計63Wの出力は、この種のポート数としては一応の及第点と言えます。
"Speed"の名に偽りあり? Quick Chargeの限界
各ポートは最大18WのQuick Chargeに対応しています。これにより、対応するAndroidスマートフォンなどであれば、ある程度の速度で充電可能です。しかし、これはあくまでQCの話。Power Deliveryが席巻する2025年において、18Wでは最新のデバイスの急速充電とは呼べません。タブレットや小型ノートPCへの給電も、その低出力ゆえに力不足は否めないでしょう。製品名の「Speed」は、もはや皮肉に聞こえます。
デスクに馴染む、良くも悪くもAnkerらしいデザイン
本体サイズは幅10.2cm、高さ7.5cm、厚み2.8cm。重さ205gと、5ポートを備える充電器としては比較的コンパクトにまとまっています。デスクの片隅に置いても主張しすぎず、邪魔になりにくいサイズ感です。電源ケーブルが分離式なので取り回しはしやすいでしょう。ただ、突出したデザイン性があるわけではなく、良くも悪くもAnkerらしい実直な見た目です。
時代が求めたものとは乖離したコンセプト
公平に言って、2025年という時代にUSB-Cポートが皆無なのは、製品コンセプトそのものが問われるレベルです。Power Delivery非対応であることも含め、最新のガジェットライフとは完全にミスマッチ。現行の主力スマートフォンやノートPCへの充電は期待できません。過去の遺物をかき集めて使う層以外に、この製品を選ぶ理由は見当たりません。
まとめ

PowerPort Speed 5のメリット
- Ankerブランドがもたらす安心感と高い信頼性
- 旧型デバイス向けのUSB-Aポートが5つと充実している
- 重さ205g、幅10.2cmと、多ポート充電器としては比較的コンパクト
PowerPort Speed 5のデメリット
- USB-Cポートが皆無。2025年においては致命的な欠陥
- Power Delivery(PD)に非対応。最新のスマホやPCは急速充電できない
- 各ポート最大18Wでは、Quick Charge対応でも充電速度は物足りない
- 合計63Wでは、5ポートすべてを最高速度で同時に使うのは不可能
こんな人におすすめ
旧型のUSB-Aデバイスを多数持ち、USB-CやPDを一切使わないユーザーには選択肢の一つ。しかし、現代の主力デバイスを使うなら全く向きません。
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