新電元工業、SiC-MOSFETのサンプル出荷開始
新電元工業は2025年12月24日、SiC-MOSFETのサンプル出荷を開始したと発表しました。同社は既にSiC-SBD(炭化ケイ素ショットキーバリアダイオードのこと)のサンプル出荷を行っており、SiC-MOSFETのラインナップ拡充となります。

背景:高効率化・低損失化へのニーズ
車載機器、産業機器、民生機器などの電源用途において、省エネルギー化の観点から高効率・低損失なデバイスへの需要が高まっています。従来のシリコンMOSFETから、より高速動作が可能なSiC-MOSFETへの置き換えが進む中、新電元工業は新たな製品を投入します。

SiC-MOSFETの課題と新電元工業の取り組み
SiC-MOSFETには、ゲート保証電圧範囲の狭さや、高温時におけるオン抵抗(Ron)の上昇による導通損失の増加といった課題があるとのことです。新電元工業は、これらの課題に対応するため、車載用途にも展開可能な650V、750V、1,200V耐圧のSiC-MOSFETを開発しました。

製品の特長とパッケージ
新電元工業が開発したSiC-MOSFETは、広いゲート保証電圧範囲により回路設計のしやすさを向上させます。また、高温時におけるオン抵抗(Ron)の上昇を抑制することで、導通損失を低減できるとしています。パッケージはTO-247-3L、TO-247-4L、TO-263-7pを用意しており、特にTO-247-4LおよびTO-263-7pはケルビンソース端子構造を採用し、SiC-MOSFETの性能を最大限に引き出すことを可能にしています。

主な用途例
- サーバー電源
- 産機電源
- 民生家電
- オンボードチャージャー
- 車載用DCDCコンバータ
- PFC回路
など、幅広い分野での活用が期待されています。

サンプル出荷時期と発売予定時期
SiC-MOSFETのサンプル出荷は2025年11月から開始されています。量産出荷となる発売予定時期は2026年8月を見込んでいます。

AEC-Q101準拠について
本製品はAEC-Q101準拠を予定しており、車載製品への搭載も視野に入れた開発が進められています。(AEC-Q101は、自動車用電子部品の信頼性試験に関する規格のことです。)
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