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ST、衛星向け耐放射線ダイオードを発表

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目次

STマイクロエレクトロニクスが新たな耐放射線デバイスを発表

STマイクロエレクトロニクスは、耐放射線性IC製品のラインナップを拡充し、地球低軌道衛星アプリケーション向けに最適化された3種類の低電圧整流ダイオードを発表しました。

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新しい「LEO1N58xx」ダイオードは、軽量なSOD128プラスチック・パッケージを採用しています。宇宙空間での使用を想定し、スイッチング電源やDC-DCコンバータなどの回路において、電源管理と保護の機能を提供します。

宇宙環境への耐性と品質保証を両立

今回のLEO1N58xxファミリは、宇宙空間で使用実績のあるSTの技術を活用しています。コスト効率、耐放射線性、小型化、品質保証、量産性といった、宇宙産業における新たな要求に対応できる製品として開発されました。

これらのダイオードは、宇宙グレードのESCC(European Space Components Coordination)認証を取得済みの製品をベースに開発されています。さらに、自動車用のIATF 16949製造プロセスを用いた厳格な品質管理のもとで製造され、ウェハレベルでのトレーサビリティも確保されています。AEC-Q101規格への準拠、WLAT(ウェハロット受入試験)の実施、CoC(適合証明書)の提供も行われます。

3種類のダイオードの特性

具体的には、「LEO1N5819」と「LEO1N5822」はそれぞれ45V/1A、40V/3Aの特性を持つショットキー・ダイオードです。一方、「LEO1N5811」はファストリカバリ・ダイオードで、最大150V/6Aで動作します。

動作温度範囲は、ショットキー・ダイオード2製品が-40°C~150°C、LEO1N5811が-40°C~175°Cです。すべての製品が耐放射線性設計となっており、厳しい条件での動作が期待できます。

耐放射線性試験の結果、TID(Total Ionizing Dose:全電離線量)はESCC 22900で最大300krad(Si)、TNID(Total Non-Ionizing Dose:全非電離線量)はESCC 22500で最大3 x 10^11p/cm²、シングルイベント・バーンアウト(SEB)はESCC 25100で最大60MeV/cm²/mgをクリアしています。

量産開始と価格

今回発表された3製品はすべて量産中で、1000個購入時の単価はLEO1N5819AFが約3.00ドル、LEO1N5822AFが約5.00ドル、LEO1N5811AFが約4.50ドルです。

LEOシリーズの全体像

STのLEOシリーズは、低コストな衛星群の構築を目指す民間企業向けに開発されました。ディスクリートのパワー半導体、アナログIC、ロジックICなどで構成され、LEO衛星向けに最適化された耐放射線性と品質保証を備えています。運用コストが低いことも特徴です。

このシリーズは、統計的プロセス制御など、車載用製品のノウハウも活用しており、航空宇宙機器メーカーやサービス・プロバイダは、試験にかかる時間とコストを削減できる可能性があります。

Ms.ガジェット
LEO衛星の開発は民間企業が活発化しており、低コスト化が課題となっています。STのLEOシリーズは、その課題解決に貢献しそうです。

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