QPS-SAR15号機「スクナミ-I」が打ち上げられ初交信に成功
株式会社QPS研究所は2025年12月21日、小型SAR(合成開口レーダーのこと)衛星QPS-SAR15号機「スクナミ-I」が打ち上げられ、初交信に成功したことを公表しました。

打ち上げは、ニュージーランド・マヒア半島のLaunch Complex 1から、ロケット・ラボ社のロケットElectron(ミッションネーム:“The Wisdom God Guides / 智慧の神が導く”)によって行われました。打ち上げから約50分後に衛星分離に成功し、分離後わずか6分後に「スクナミ-I」との初交信が実現しました。
衛星の状態について
QPS研究所は、初交信時に衛星の各機器が正常に作動し、健康状態が良いことを確認したと報告しています。今後、アンテナの展開と初画像の取得を目指し、調整作業を継続していく予定です。

QPS研究所のコメント
QPS研究所 代表取締役社長 CEOの大西俊輔氏は、今回の打ち上げ成功について「2025年の締めくくりとして、15号機『スクナミ-I』が予定どおり軌道投入・初交信に成功したことに深い安堵と喜びを感じています」とコメントしています。

また、今年はQPS-SARとして過去最多となる6機の打ち上げを成功させたことを受け、「これは、開発・製造・調整のあらゆる局面で力を尽くしたエンジニアチームの技術力と情熱の結晶であり、心から誇りに思います」と述べています。
今後の展望
大西氏は、2026年以降もコンステレーション(複数の人工衛星によって、高頻度な地球観測を可能とするシステムのこと)の拡充と、より高い価値の創出に向けて努力していくと表明しています。

Ms.ガジェットロケット・ラボのコメント
ロケット・ラボ CEOのPeter Beck氏は、QPS研究所のコンステレーション構築における今回のミッション成功を祝福し、「Electronは、高頻度・高信頼性の打上げを当たり前のように実現し続けており、アメリカの小型軌道投入ロケットの中で、年々他を大きく引き離しています」と評価しています。

また、2026年にはElectronのグローバルな展開を加速させ、複数の衛星コンステレーション向け連続打上げや、日本および欧州の政府・宇宙機関向け専用ミッションなど、多岐にわたるミッションを予定していることを発表しています。
Ms.ガジェットQPS-SARプロジェクトについて
QPS研究所は、独自の技術により、小型で軽量ながらも高精細な画像取得が可能なSAR衛星「QPS-SAR」の開発に成功しました。QPS-SARは、民間SAR衛星として世界トップレベルの46cm分解能の画像を取得できます。

QPS研究所は、2028年5月末までに24機の衛星コンステレーションを構築し、最終的には36機に拡大することで、平均10分毎という準リアルタイムの観測データ提供サービスを目指しています。
Ms.ガジェットQPS研究所について
QPS研究所は、2005年に福岡で創業された宇宙開発企業です。九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発やスペースデブリへの取り組みを行ってきたパイオニア的存在です。

QPS研究所の事業は、創業者たちが宇宙技術を伝承し育成してきた北部九州を中心とする全国25社以上のパートナー企業によって支えられています。
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