国立がん研究センター東病院とスタートアップ企業の株式会社Jmeesは、両者が共同で開発した「内視鏡手術支援プログラム SurVis-Pel」について、2025年12月22日付で厚生労働大臣より製造販売承認を取得したと発表しました。本プログラムは、内視鏡手術中の映像を人工知能(AI)がリアルタイムで解析し、骨盤/側方リンパ節郭清術において重要な血管や神経などの解剖構造をモニター上で強調表示することで、術者の認識を支援するプログラム医療機器です。
薬事承認の詳細と医療機器情報
本製品の承認に際しては、性能評価試験が実施されました。一般的名称は「手術用画像認識支援プログラム」、販売名は「内視鏡手術支援プログラム SurVis-Pel」、医療機器分類は管理医療機器(クラスII)で、承認番号は30700BZX00342000となっています。薬事承認は、安全性および性能が国によって審査され、一定の基準を満たしたことを示します。

| 項目 | 値 |
|---|---|
| 一般的名称 | 手術用画像認識支援プログラム |
| 販売名 | 内視鏡手術支援プログラム SurVis-Pel |
| 医療機器分類 | 管理医療機器(クラスII) |
| 承認番号 | 30700BZX00342000 |
| 承認日 | 2025年12月22日 |
SurVis-Pelは、腹腔鏡下あるいはロボット支援下の骨盤/側方リンパ節郭清術において、外腸骨動脈、外腸骨静脈、閉鎖神経、尿管の4種類の解剖構造を自動認識し、モニター上で強調表示します。これにより、術野が深く視認性が限られる骨盤内手術での解剖構造の特定を支援し、臓器損傷リスクの低減に寄与することが期待されています。
Ms.ガジェット性能評価試験で確認された認識感度の向上
薬事申請に伴って実施された性能評価試験では、医師単独での解剖構造の認識感度と比較して、SurVis-Pelを併用した場合の認識感度の平均値が以下の通り有意に上昇したことが確認されています。外腸骨動脈で6.9ポイント、外腸骨静脈で15.8ポイント、尿管で15.3ポイント、閉鎖神経で10.0ポイントの向上が報告されました。

- 外腸骨動脈の認識感度:6.9ポイント向上
- 外腸骨静脈の認識感度:15.8ポイント向上
- 尿管の認識感度:15.3ポイント向上
- 閉鎖神経の認識感度:10.0ポイント向上
これらの結果は、本プログラムが術者の解剖構造の認識を補完し、手術の確実性を高める効果があることを裏付けています。
Ms.ガジェット手術の背景と技術の必要性
骨盤/側方リンパ節郭清術は、大腸がんや婦人科がん、泌尿器がんなどの骨盤内悪性腫瘍に対する治療として、リンパ節を介したがん転移の評価や、転移の起点となるリンパ節の切除により、がんの進展・再発を予防する重要な手技です。しかし、骨盤内には血管、神経、尿管などが密集しており、術野が深いため内視鏡下での正確な認識が困難で、臓器損傷リスクが臨床課題となっていました。こうした背景から、術者の経験に依存しない、安全で安定した手術を支援する技術開発が求められていました。
SurVis-Pelは、こうした課題を解決するために、国立がん研究センター東病院の外科医とJmeesが連携し、NEXT医療機器開発センターの支援のもとで開発されました。同シリーズでは、2024年に子宮全摘術向けの「SurVis-Hys」が既に承認されており、今回は第2弾となります。
Ms.ガジェット医師からのコメントと今後の展望
開発に関わった医師からは、本プログラムの意義について以下のようなコメントが寄せられています。国立がん研究センター東病院の塚田祐一郎医師は「直腸がんに対する側方リンパ節郭清は日本が世界をリードする手技で、AI技術を用いた支援は若手外科医の教育や海外技術普及に貢献する」としています。また、昭和医科大学の竹中慎医師は「経験に依存しがちな解剖認識をAIが補完し、安全性と再現性の高い手術を支援できる」と期待を述べています。
今後の展望として、JmeesはSurVisシリーズの適用範囲を他の術式や臓器へ広げるための開発を進めるとともに、販売体制の整備を急ぎます。また、臓器損傷リスクに関する多施設共同の臨床試験を国立がん研究センター東病院などと推進し、臨床有用性を証明する方針です。研究開発は「AMED医工連携イノベーション推進事業」の支援を受けて実施されています。
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