HiDock、AIボイスレコーダーで日本市場本格参入

HiDock、日本市場へ本格参入

Sugr Technology Hong Kong Limited傘下のHiDock LLC（以下、HiDock）は、2025年12月9日に日本初となるメディア向けラウンドテーブルを開催しました。このイベントで、日本市場への本格参入と、最新AIボイスレコーダー「HiDock P1」シリーズの製品紹介が行われました。

ラウンドテーブルには、共同創業者のSean Song氏とLinna Peng氏、日本市場責任者のSteve Pan氏、そして日本市場パートナーである株式会社EZLIFEの森 政視氏が登壇しました。HiDockは、日本市場におけるビジネス戦略と製品の魅力を伝えました。

HiDock開発の背景

共同創業者のSean Song氏は、HiDockの開発背景について語りました。自身が過去にソフト／ハードエンジニアとして勤務していた際、日本のエンジニアの厳密な検証姿勢から学んだと明かしました。

新型コロナウイルスの影響でオンライン会議が急増したことを受け、「聞きながらメモを取ることが難しい」「国際会議では理解が追いつかない」「後から内容を検索したり振り返ることができない」といったコミュニケーションの問題が浮き彫りになったと説明しました。これらの課題に対し、既存のソリューションは高額で複雑なものが多く、「個人のための革新」が不足していると感じたことが、HiDock創設のきっかけになったと述べています。

新製品「HiDock P1 / P1 mini」の特徴

今回発表されたP1シリーズは、HiDockのデザイン哲学「Geometric Functionalism（幾何学的機能主義）」に基づき開発されました。シンプルな形状と最先端のAI技術を融合させ、洗練された美しさと機能性を両立しています。

特に「HiDock P1 mini」は、わずか12gという軽量設計でありながら、最大2年分の録音データを保存できる大容量が特徴です。また、データ転送速度は従来製品の最大50倍を実現しています。さらに、Bluetoothイヤホンを通じた通話録音を可能にする“BlueCatch(TM)”技術を搭載し、AIによる文字起こしと要約を自動で行います。

日本語の特性に合わせたローカルチューニングも施されており、高い文字起こし精度と使いやすさを実現しています。セキュリティ面にも配慮し、すべてのデータはMicrosoft Azure上で暗号化されます。Sean Song氏は、「転記やメモからユーザーを解放し、会話に没入できる世界を実現したい」と語りました。

日本ユーザーからの学びと市場戦略

共同創業者のLinna Peng氏は、過去2年間の日本市場からの学びとユーザーの声を紹介しました。Makuakeでのクラウドファンディングを通じて、日本のユーザーが重視するのは「高い文字起こし精度」「安定したハードウェア」「良好な音質」「シンプルで直感的な操作性」「文書化文化の強さ」であることを明らかにしました。

Linna Peng氏は、HiDockが特に「価格に敏感な学生やフリーランス」、そして「会議が多く業務負荷の高いビジネスプロフェッショナル」に対して大きな価値を提供できると考えています。HiDockの理念である「Accessible AI（誰もでも使えるAI）」は、高額なサブスクリプション型サービスに頼ることなく、ハードウェア購入のみでAI機能を利用できるという点にあります。

また、聴覚に困難を抱える方々の情報アクセスを助け、国際会議や多言語環境での会話理解にも貢献することで、コミュニケーションの格差を減らすことを目指しています。

日本市場におけるパートナーシップと今後の展開

日本市場パートナーであるEZLIFEの森 政視氏は、日本のビジネス現場における会議録音や議事録作成の負担、オンライン会議録音の難しさ、そして働く場所の多様化に既存機器が追いついていない点を指摘しました。HiDockがこれらの課題を解決する存在になると確信しています。

EZLIFEは、日本市場に向けたサポート体制として、製品の日本語ローカライズ、カスタマーセンターによる丁寧なFAQやサポート対応、家電量販店への展開、代理店・ディストリビューターとの協業、官公庁・教育機関への入札対応、展示会やイベントへの出展など、多面的なアプローチでHiDockの販路拡大を支援します。

HiDock P1デモンストレーション

日本市場責任者のSteve Pan氏は、HiDock P1のデモンストレーションを実施しました。開発中の最新機能である「リアルタイム翻訳」を紹介し、その高精度と高速処理に、メディア関係者から驚きの声が上がりました。

この機能は、対面の会話だけでなく、YouTubeなどで配信されている英語の基調講演などもリアルタイムで翻訳することが可能です。翻訳、録音、要約を一括して行う仕組みを備えており、ユーザーの情報取得を効率的にサポートします。

HiDockについて

HiDockは2022年に設立され、オーディオハードウェアの開発を行っています。革新的な技術とデザインを通じて、より良いコミュニケーション体験を提供することを目指しています。

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