Jabra(ジャブラ)というブランド名を聞いたことがあっても、「どこの国のメーカーなの?」と気になった方は多いのではないでしょうか。
ワイヤレスイヤホンやヘッドセットで知られるJabraですが、その本社がどこにあり、どんな背景を持つ企業なのかは意外と知られていません。この記事では、Jabraの本拠地から親会社GNグループの全体像、150年以上に及ぶ歴史まで、詳しく解説します。
Ms.ガジェットJabraのイヤホン、音がいいって聞くんですけど、そもそもどこの国のブランドなんですか?
Mr.ガジェットJabraはデンマーク発のオーディオブランドですよ。150年以上の歴史を持つGNグループの一員です。詳しく見ていきましょう。
結論:Jabraはデンマークの企業

Jabraは、デンマーク・コペンハーゲン近郊のバレルプ(Ballerup)に本社を構えるオーディオブランドです。 親会社であるGNグループ(GN Store Nord A/S)は、1869年に設立されたデンマークの老舗テクノロジー企業で、コペンハーゲン証券取引所(Nasdaq Copenhagen)に上場しています。
GNグループは大きく2つの事業部門で構成されています。Jabra(ジャブラ)を展開する「GN Audio」部門と、補聴器ブランドReSound(リサウンド)を展開する「GN Hearing」部門です。いずれも「聴く」技術を核としたビジネスであり、150年以上にわたって蓄積された音声技術のノウハウがJabraの製品にも活かされています。
Ms.ガジェット1869年って、かなり歴史がありますね!日本だと明治時代の始まりのころですか。
Mr.ガジェットその通りです。GNグループは電信事業からスタートし、通信技術の変遷とともに成長してきた企業です。現在は約7,000名の従業員を擁し、世界規模で事業を展開しています。
日本法人は「GNオーディオジャパン株式会社」として東京都港区に拠点を構えており、法人営業やカスタマーサポートを行っています。Amazonや家電量販店(ヨドバシカメラ、ビックカメラなど)でも広く取り扱われているため、購入やサポートの面でも安心です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ブランド名 | Jabra(ジャブラ) |
| 親会社 | GN Store Nord A/S(GNグループ) |
| 設立年 | 1869年(GNグループ) |
| 本社所在地 | デンマーク・バレルプ(コペンハーゲン近郊) |
| 日本法人 | GNオーディオジャパン株式会社(東京都港区) |
| 従業員数 | 約7,000名(GNグループ全体) |
| 上場市場 | Nasdaq Copenhagen |
| 2024年度売上高 | 約180億デンマーククローネ(約4,000億円) |
| 主力製品 | ワイヤレスイヤホン、ヘッドセット、スピーカーフォン |
Ms.ガジェット上場企業なんですね。それなら経営の透明性もありそうですね。
Mr.ガジェットはい。GNグループは年次報告書も公開しており、財務情報が確認できます。老舗かつ上場企業という点は信頼性の裏付けになります。
Jabraの会社概要と技術力

Jabraがオーディオ市場で高い評価を得ている理由は、GNグループが長年培ってきた音声技術とデンマークらしい洗練されたデザインの融合にあります。ここでは、製品ラインナップと独自技術を解説します。
Jabraの製品ラインナップ
Jabraの製品は、大きく4つのカテゴリに分かれています。
- ビジネス向けヘッドセット(Evolveシリーズ): オフィスやリモートワーク向けのヘッドセット。Evolve2 75やEvolve2 65など、Teams/Zoom認定を取得した製品が多く、企業導入実績が豊富
- コンシューマー向けイヤホン(Eliteシリーズ): 一般ユーザー向けの完全ワイヤレスイヤホン。Elite 85t、Elite 8 Active、Elite 10 Gen 2など高品質なANC搭載モデルを展開(※2024年に段階的縮小を発表)
- スピーカーフォン(Speakシリーズ): Web会議用のポータブルスピーカーフォン。Speak2 55やSpeak2 75など、会議室から個人利用まで幅広く対応
- 映像ソリューション(PanaCastシリーズ): 高画質なWeb会議用カメラやビデオバーシステム。PanaCast 50など、180度の広角視野とAIによる話者追従機能を備え、ハイブリッドワークに貢献
Ms.ガジェットイヤホンやヘッドセットだけでなく、Web会議用のカメラ(映像ソリューション)もあるんですね。
Mr.ガジェットはい。特にビジネス向けではMicrosoft TeamsやZoomの認定を取得している製品が多く、企業での採用率が高いのが特徴です。
GNグループの事業構造
GNグループは「音」に特化した2つの事業部門で構成されています。
- GN Audio(Jabra): ヘッドセット、イヤホン、スピーカーフォン、映像ソリューション。UCaaS(Unified Communications as a Service)市場でのシェアが高い
- GN Hearing(ReSound): 補聴器の研究開発・製造・販売。世界的な補聴器ブランドとして80カ国以上で展開
この2部門が「聴覚技術」という共通基盤を持つことが、Jabraの製品開発における大きな強みです。補聴器開発で培われた高度な音声処理技術やノイズリダクションのノウハウが、Jabraのヘッドセットやイヤホンにも反映されています。
Ms.ガジェット補聴器メーカーが作るイヤホンって、音に対するこだわりが深そうですね。
Mr.ガジェットまさにその通りです。聴覚科学に基づいた音声処理技術を持っているからこそ、通話品質やノイズキャンセリングの精度が高いわけです。
Jabraの独自技術

Jabraは以下のような独自技術を製品に搭載しています。
- MultiSensor Voice™: 4基のマイクと骨伝導VPU(Voice Pick Up)センサーを組み合わせた通話技術。風切り音や周囲の騒音を検知すると自動的に起動し、顎の骨を通じて声を拾うことで、騒音下でもクリアな通話品質を実現する
- Advanced ANC / Adaptive Hybrid ANC: 周囲の騒音を分析し、逆位相の音(アンチノイズ)を生成して打ち消す高度なノイズキャンセリング技術。耳の形状や装着状態に合わせて自動最適化する
- HearThrough: イヤホン装着中でも外部マイクを通じて周囲の音を取り込み、安全性を確保する技術。Sound+アプリから取り込み量を段階的に調整可能
- MySound: 聴覚テストの結果に基づいて、ユーザー個人の聴力に合わせた音質プロファイルを自動作成する機能。加齢や個人差による聞こえ方の違いを補正する
- Jabra Sound+アプリ: イコライザー調整、ANCレベル設定、HearThroughの制御、MySoundプロファイル、ファームウェア更新などを一括管理できるコンパニオンアプリ
Ms.ガジェット骨伝導センサーで通話品質を上げるって、面白い仕組みですね。
Mr.ガジェットMultiSensor Voiceは風の強い屋外でも相手にクリアな声を届けられるのが特徴です。ビジネスユースでは通話品質が重要なので、Jabraが選ばれる大きな理由の一つですね。
北欧デザインの哲学

Jabraの製品には、デンマーク発のブランドらしい「北欧デザイン」の影響が色濃く反映されています。北欧デザインとは、「無駄を省きつつも温かみのある、機能と美しさを両立させたデザイン」のことです。
Jabraのイヤホンやヘッドセットは、シンプルで主張しすぎない外観でありながら、人間工学に基づいた装着感を追求しています。長時間のビジネス通話でも耳が疲れにくい設計や、複数のイヤーチップサイズを同梱して個人差に対応する配慮は、北欧デザインの「ユーザー中心」の考え方に根ざしたものです。
Ms.ガジェットデンマークのものづくりって、家具でも有名ですよね。同じ哲学がイヤホンにも活きているんですか。
Mr.ガジェットおっしゃる通りです。デンマークはBang & Olufsenなどオーディオブランドも多く、『音×デザイン』の文化が根付いている国ですね。
Jabraの歴史と信頼性

Jabraの歴史は、150年を超えるGNグループの歩みと深く結びついています。ここでは、公式情報に基づいてその沿革を振り返ります。
「Jabra」というブランド名の由来
そもそも「Jabra」という名前はどこから来ているのでしょうか。ブランド名の正確な由来は公式には明言されていませんが、1983年に米国の発明家エルウッド・ノリスがNorcom Electronics(後のJabra Corporation)を設立した際、骨伝導による音声伝達技術への着想から名付けられたとも言われています。骨伝導を連想させるネーミングは、現在のMultiSensor Voice™(顎の骨を通じた通話技術)にも通じるものがあります。
Ms.ガジェットブランド名にもちゃんと意味があるんですね!
Mr.ガジェットはい。名前の由来からして音声技術へのこだわりが感じられますね。
Jabra / GNグループの歩み

GNグループの歴史は、デンマークの実業家C.F.ティートゲンが1869年に設立した「Great Northern Telegraph Company(大北電信会社)」に遡ります。
C.F.ティートゲンがデンマークで「Great Northern Telegraph Company」を設立。欧州とアジアを結ぶ海底電信ケーブルの敷設事業を開始
デンマークから中国・日本へ至る長距離電信ネットワークを構築。通信インフラの国際的な先駆者に
米国の発明家エルウッド・ノリスがNorcom Electronics(後の「Jabra Corporation」)を設立。イヤーフック型ヘッドセットの開発を開始
GNグループ傘下のGN Netcom(現GN Audio)がJabra Corporationを買収・統合。デンマーク本社のグローバルブランドとして再出発
Evolveシリーズを発表。オープンオフィス環境向けのANCヘッドセットとして企業市場で広く採用
Elite 65tを発表し、コンシューマー向け完全ワイヤレスイヤホン市場へ本格参入。スポーツ向けのElite Active 65tがCNET「Editor’s Choice」を獲得
Elite 85tを発表。11段階に調整可能なANCを搭載し高い評価を獲得。コロナ禍でのリモートワーク需要により、ビジネスヘッドセットの売上も急伸
コンシューマー向けイヤホン事業(Eliteシリーズ・Talkシリーズ)からの段階的撤退を発表。最終モデルとしてElite 8 Active Gen 2、Elite 10 Gen 2をリリース
Ms.ガジェット1869年ってすごく古いですね。でもJabraというブランド自体は1983年にアメリカで生まれたんですか?
Mr.ガジェットはい。Jabra Corporationは元々アメリカの企業でした。2000年にデンマークのGNグループが買収したことで、現在のデンマーク本社のブランドになったという経緯です。
2024年コンシューマー事業撤退の動向

2024年6月、GNグループはJabraのコンシューマー向けイヤホン事業(Eliteシリーズ・Talkシリーズ)から段階的に撤退すると発表しました。
この決定の背景には、Apple AirPodsやSony WFシリーズなどとの競争激化があります。GNグループは、投資収益率がより高い補聴器(GN Hearing)、ビジネスソリューション(Jabra Evolve/Engage等)、ゲーミングオーディオに経営資源を集中する方針を打ち出しました。
注意すべきポイントは以下の通りです。
- ビジネス向け製品は継続: Evolveシリーズ、Engageシリーズ、Speakシリーズなどはこれまで通り販売・開発が続けられる
- 既存製品のサポートは継続: 購入済みのEliteシリーズ等については、数年間のサポートが保証されている
- 最終モデルの品質は高い: Elite 10 Gen 2やElite 8 Active Gen 2は撤退発表と同日にリリースされ、Jabraの集大成として高い完成度を誇る
Ms.ガジェット撤退って聞くと不安になりますけど、ビジネス向けは続くんですね。
Mr.ガジェットはい。Jabraがなくなるわけではなく、ビジネスオーディオには引き続き注力しています。コンシューマー向けの在庫品は今がお得に手に入る時期とも言えますね。
受賞歴が裏付ける信頼性

Jabraの製品は、世界的なテクノロジー・デザインアワードでも高い評価を受けています。
- CES Innovation Award — Elite 8 Active(2024年)、Elite 5 / Evolve2 Buds(2023年)など複数年にわたり受賞。CESは毎年1月にラスベガスで開催される世界最大の家電見本市で、ここでの受賞は業界全体からの技術的評価を意味する
- Red Dot Design Award — Sport Pulse Wireless / Stealth / Storm(2015年同時受賞)。2025年にはサステナビリティに配慮したエコパッケージデザインでも同賞を受賞。ドイツ発の国際的なデザイン賞で、機能性と美しさ、環境への配慮が審査される
これらの受賞歴は、Jabraが単に「売れている」だけでなく、技術とデザインの両面で第三者機関から客観的に認められていることの証拠です。
Ms.ガジェットCESでもRed Dotでも受賞しているなら、製品の完成度は確かですね。
Mr.ガジェット国際的なアワードで継続的に評価されている点は、ブランドの技術力とデザイン力を客観的に示す証拠と言えますね。
まとめ
Jabraはデンマーク・コペンハーゲン近郊に本社を置くオーディオブランドで、1869年設立のGNグループを母体としています。
この記事のポイント!
- 本社: デンマーク・バレルプ(コペンハーゲン近郊)
- 親会社: GN Store Nord A/S(Nasdaq Copenhagen上場)
- 歴史: 150年以上(GNグループ)/ Jabra Corporationは1983年に米国で設立、2000年にGNが買収
- 技術: MultiSensor Voice™ / Advanced ANC / HearThrough / MySound
- ビジネス向けに強み: Evolve / Engage / Speakシリーズは継続販売
- コンシューマー向けは2024年に段階的撤退: 既存製品サポートは継続
GNグループが補聴器事業で培った聴覚科学のノウハウが、Jabraの通話品質やノイズキャンセリングの精度を支えています。骨伝導技術への着想を感じさせるブランド名が示す通り、音声伝達技術への情熱は創業当初から変わっていません。
コンシューマー向けイヤホンの新規開発は終了しましたが、ビジネス向け製品では引き続き世界トップクラスの選択肢です。リモートワークやハイブリッドワーク環境でのWeb会議用ヘッドセット・スピーカーフォンをお探しの方は、150年の技術蓄積を持つJabraの製品をぜひチェックしてみてください。
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